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☆ メッシュコードにご協力を

観察場所を確実に特定できるメッシュコードは、便利な観察記録の必須とも言える項目です。

情報部・有働孝士

はじめに

メッシュコードとは、全国を約1km四方の碁盤目状に区切って各マス目(メッシュ)に8桁の数字を付した場所同定可能なJIS規格です。情報部では、観察場所の基準化のために利用しています。鳥信記や「くまたか」では@5030-3576(本会事務所を含むメッシュコード)のように表記します。
「くまたか」のようなウェブサイトのページ上ではのように現地メッシュ地図へリンクを張ることも可能で、たいへん便利です(メッシュコードをクリックすると別ページで現地メッシュ地図が表示されます)。
これまで本誌ではメッシュコードの詳細な解説がありませんでしたので、本稿でメッシュコードの意味とその必要性を詳述しました。メッシュコード普及活動の一区切りとして、また備忘録の意味から、少々くどすぎる説明をしており決して読みやすいとはいえませんが、ご容赦ください。

野鳥を観察すると、「わあきれい」、「おお、珍しいなあ」、「よくぞ渡ってきてくれた」など、多くの感動が生まれます。昔から観察者はこのような出会いの偶然と感動に促され、会報に記録を発表し今に残されてきました。
「いつ、だれが、どこで、なにを」という観察記録4条件は、本会創立以来、会員による多くの経験を経て、記録に残す場合の共通な必須項目として確立されたものです(その他の観察は「備考」として記録)。本会公式サイト「くまたか」でも、「いつ」は年月日、「だれが」は観察者名、「どこで」は後述、「なにを」は野鳥の種名(または亜種名)とする様式として会報「野鳥だより・筑豊」のそれを踏襲しています。
「なにを」を「だれと」に変えると、デートなどで人と人が出会う場合の基本条件と同じとなります。つまり、梶原さんと広塚さんが待ち合わせるときは、時刻と場所が決まらなければ出会うことはできません。野鳥と人も出会うには同じ条件が必須であるのは自明です。最も基本的な観察記録とは、人と野鳥の出会いの記録に他なりません。
この条件のうち「いつ、だれが、なにを」は記述内容が一意にはっきりしており、迷うことはないと思います。

場所の同定は意外に困難

さて、問題は「どこで」です。観察場所を特定(同定)し記録するということは、意外に困難だということが分かっています。場所なんて誰でも分かるし、簡単に言えるだろう、という意見もありますが、そうともいえません。たとえば次の例はどうでしょうか。
海上や山中で場所名・地名が無いか分からない、はじめての場所なので正しい地名が不明、直方市の遠賀川で見た(細長い)、英彦山で見た(広すぎる)等々。おおまかな場所は分かることもありますが、漠然としていたり、同じ場所であっても観察者によって場所名や表記、範囲さえ変わることもあります。こうした曖昧さは長年、頭の痛い問題でした。野鳥の観察記録における場所の同定および表記にふさわしく、誰にも運用しやすい一意的な方法が確立されていなかったのです。
場所を一意に示すといえば、緯度経度(例:北緯33度38分38秒、東経130度42分08秒、本会事務所の位置)が思い浮かびます。現代ではスマホアプリ等で取得できますが、昔は取得と記録が少々面倒だったため普及を阻んでいました。故・高橋和元初代事務局長によりテスト中だった経緯度メッシュ(1分メッシュ地形図)は、次節で述べるJIS規格によるメッシュコードが登場し、採用が見送られました。

メッシュコードはJIS規格

1973年、行政管理庁(現・総務省)によって「統計に用いる標準地域メッシュおよび標準地域メッシュ・コード」が策定され、1976年、JIS X 0410 地域メッシュコードとして全国をカバーするJIS規格が公表されました。
この規格のうち、第3次メッシュ(三次メッシュ、正式名称は基準地域メッシュまたは第3次地域区画)は、1メッシュの1辺が約1kmの四辺形であり、国土地理院発行の2万5千分1地形図(世界測地系、書店で購入可)をタテヨコに10等分した100区画です。地図には測地系があり、選択が必要なときは必ず国際基準の「世界測地系」を選びます。旧規格の「日本測地系」はすでに廃止されました。
三次メッシュは、場所のコードが同定しやすく、あわせて飛翔移動する野鳥を記録するには、大きすぎず小さすぎない適当な区画サイズではないかと判断しました。本来は点である観察場所でも、メッシュなら、この辺りなどといった曖昧さが許容されます。大字の地名や河川・池沼・干潟、田んぼ、山地などは、形や大きさがはめ絵パズルのごとく不定形で、しばしば境界も曖昧ですが、メッシュは一定の規則により碁盤目状に整然と並んだ四辺形です。統計用の用途が想定されているように他との比較なども容易になります。さらに国によりJIS規格化され、将来の持続性が強固になったことにも後押しされました。

かつて野鳥分布図を出版

Highslide JS

「筑豊地方の野鳥分布図」ページ
(日本野鳥の会筑豊支部 1987)

(クリックで拡大・縮小)

本会では、日本野鳥の会の「鳥類繁殖地図調査」(1978)、「冬鳥分布調査」(1984)の参加経験を生かし、1979年から始めた、種ごとに観察地点をメッシュ地図にプロットするための活動「雨天決行」調査結果を1987年「筑豊地方の野鳥分布図」(非売、右図はスズメ、コムクドリのページ)として上梓しました。(閲覧、ダウンロードは要アカウント、info@yacho.org 情報部まで会員専用アカウントを申し込む)。専用プログラム作成・データベース構築・印刷まで本会手作り・手作業で、製本のみ業者に委託しました。この時、2万5千分1地形図(日本測地系)を100分割して単位メッシュを決めています。測地系の違いから、現在のメッシュコード(世界測地系)と互換性がありませんが、地形図を分割してコードにより地域を特定する仕組みは同じであり、私たちにはすでに馴染みの手法だったのです。
1987年といえば、折しも本会は筑豊野鳥の会から日本野鳥の会筑豊支部に変わった年であり、この華々しい経緯に紛れてか、本書の出版はそれほど注目されませんでした。

メッシュコードの実際

通常3次メッシュコードは5030-35-76のように、1次、2次、3次メッシュの各メッシュ階級間に-(半角マイナス符号)を挟む形式です。基本的に50303576のように8桁の数列であればデータとして必要十分ですが、「くまたか」では、識別しやすいよう世界測地系3次メッシュコードを意味する記号@マークを前置し、読みやすいよう8桁数列中央に-(半角マイナス)符号を挿入する独自のスタイル@5030-3576で表します。
メッシュコードで示されるのは野鳥のいる場所ではなく、観察した人がいる地点(観察場所)のメッシュです。また、1メッシュコードと観察種1種を紐付けるのが原則です。よって、@5030-3576〜@5030-3587のように複数のメッシュコードを並記してルートや範囲を示す使用法は原則に反するうえ、メッシュコード本来の意味が失われます。
現代では、スマホやタブレットにより簡単に現地点のメッシュコードをリアルタイムで求めることが可能であり、メッシュの同定法として非常に手軽かつ便利になりました。スマホアプリとして、アンドロイド版は「野外調査地図」、iOS(iPhone)版は「GSI Map++」がいずれも無料で利用でき、使いやすく、おすすめです。スマホ・ユーザーはぜひインストールしてみてください。
「くまたか」で、観察記録情報を収集する地域は、福岡県内(と観察が引き続く隣接地域)に限定しています。現在のところ、県外はメッシュコードを含む記録を収集対象にしておりません。

メッシュコードの利点とは

ところで、観察記録を提供していただく会員のみなさんにとっては、メッシュコードに何かメリットはあるのでしょうか?
実はあります。本会では観察記録は使い捨てのメモではなく、大切な情報資源として100年+記録保存を目指しています。つまり、観察記録を100年以上にわたって保存のうえ将来の役に立てたいと構想し、「くまたか」や会報を通じて実現すべく推進中です。
そのようなとき、観察場所情報が地名のみでメッシュコードがないと、すでに「場所の同定は意外に困難」の項で述べたように、記録そのものの中に曖昧さが含まれてしまい、早晩、記録に寿命がきてしまうでしょう。もしメッシュコードを必須とする方針のデータベースの場合は、収集対象から外されてしまいます。苦労して取得し、観察者として他ならぬあなたのお名前を含むせっかくの記録です。将来にわたって永く確固とした有用性を獲得するには、メッシュコードは必須ではないかと思います。

“メッシュコードなんか要らない”

メッシュコードの利点は分かったけれど、同定の方法が分からない、面倒だ、場所の目印が見つからない、場所を公開したくない、不要だ、といったご意見が聞かれます。

同定の方法が分からない 「標準地域メッシュまっぷ」をおすすめしています。PCやタブレット、スマホ等でアクセス可能なウェブサイト(ホームページ)です。PCのスクロールボタンなどで地図を拡大し観察地点を探します。見つかったら現地をマス中央の数字が5030-35-76のように8桁になるまで拡大すれば、それが求めるメッシュコードです。
スマホやPCなどデジタル機器が縁遠い方には、必要な場所を含む情報部特製のメッシュ地図1面(A4判)を印刷してお送りします。知りたい場所の地名等詳細情報とともに連絡先までご請求ください。(連絡先:〠820-0011 福岡県飯塚市柏の森162-3 日本野鳥の会筑豊支部・情報部)

面倒だ 「ご意見相談室」info@yacho.orgがメッシュコード同定を代行します。野鳥だけで無く現地の特徴も観察のうえご報告ください。たとえば、橋から見たときは「(橋の名前、橋袂の橋名板に表記)下流100mくらい」とか、近くに交差点があれば、交差点名標識の交差点名が頼りになります。池沼などの名前はMapFanが詳細です。街中であれば街区番号(○○町1丁目2番3号)や所番地、建物や施設の名前は調査する上で大きな手がかりです。
インターネット検索サイトで「地図」と入力し、示された候補の内、Googleマップgoo地図MapFan等の地図サイトでは、地図上で目的地点をダブルクリックするとアドレスバーのURLにはその地点の経緯度が含まれます。選択・コピーして、「ご意見相談室」にメールでお送りください。Mapionは地図目的地点上で右クリックし、メニュー「地図URL」から「ご意見相談室」に送信してください。
スマホ、タブレットにはGPS機能が組み込まれています。内蔵カメラを立ち上げ、設定から「ジオタグ」(位置情報)をオンにしてください。カメラでは、撮影すると写真に現在地の経緯度が記録される機能がある場合は、その機能をオンにします。
その後、観察地点(できれば屋外で空が望める場所)で適当にシャッターを切り、その写真を1コマお送りください。写真内部に撮影地のGPS測位データが記録されています。
カーナビには現在地の経度緯度を表示する機能やメニューがあります。車内や付近での記録なら、カーナビの示す経度緯度を教えていただければ、こちらで簡単にメッシュコードに変換できます(日本?世界?測地系が分かればお知らせ下さい)。一部のカーナビでは、車から遠く離れた場所の経緯度も表示する機能があります。
マップコードでもメッシュコードに変換できますので、分かるときは観察地のマップコードを「ご意見相談室」にお送りください。

場所の目印が見つからない 「グーグルマップ上に自動で位置表示」の地図でだいたいの地点をクリック「タグ表示」→「タグを選択してコピー」により、メールにタグ文字列を全部そのまま貼り付けて「ご意見相談室」に送信してください。いつも観察する場所なら、ぜひ一度メッシュコードを同定しておきましょう。「ご意見相談室」がお手伝いします。
もしスマホやタブレットのユーザーなら専用アプリ(無料、「メッシュコードの実際」参照)をインストールしてください。GPSにより圏外でも常時現地のメッシュコードが地図とともに表示され、昔苦労した者には信じられないほど便利です。

場所を公開したくない そもそもメッシュコード自体が暗号のようなものです。初見では場所に結びつける方法さえ分からないでしょう。そのうえご指示によりメッシュコード暗号化でさらに安全です。またご指示により公表地名も市区町村名までにとどめておけます。こちらでメッシュコードを同定し暗号化する場合は詳細な観察場所情報が必須ですし、もちろん、できればご自身でメッシュコード化していただいても結構です。

不要だ メッシュコードの意義を共有いただけないのは残念ですが、やむを得ません。もしお気持ちが変わったときは、ぜひご協力ください。お待ちしています。

終わりに

「くまたか」の大きな目的のひとつが観察記録の収集と保存であり、情報部では100年以上の保存を目指し、様々な工夫を重ねています。100年以上の保存のためには、なにより観察記録自身がしっかりと時の重みにたえ強固かつ確かな内容を持っていなくてはなりません。
メッシュコードにたどりつくまで、本会創成期から幾多の実験や試行を繰り返してきており、現在に至るまでの長い歴史があります。今や、ただのデータが外部の事象やモノとつながるというかつて思いもしなかったデジタル+インターネットの時代を迎えました。強固な基礎を持つメッシュコードの登場により、観察記録内容は時代によくマッチするようになり、観察記録の100年+保存も決してホラや夢物語ではなく、明瞭な目標となっています。
情報部では、次のステップとして「筑豊地方の野鳥分布図」のメッシュコード版を発行したいと夢想しているところです。ぜひ、みなさんのご協力を得て、現実になるよう努力していきたいと思います。

(2018-02-20「野鳥だより・筑豊」2018年3月号より加筆転載)

(2018-02-20掲載)

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情報部・有働孝士

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☆ 会報既刊号(バックナンバー)提供開始

2014年4月10日、ウェブサイト[くまたか]から、本会会報「野鳥だより・筑豊」既刊号全巻の閲覧・提供を開始しました。会報は、創刊準備号(通巻0号)から最新号まで、PDF形式のファイルです。日本野鳥の会筑豊支部会員限定(無料)ですが、アクセスにはアカウント(パスワード等)が必要です。

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