野鳥と植物を求めて英彦山の四季を歩き尽くす、広塚忠夫の英彦山・縦横無尽。
自然観察の写真と短文に山歩きの醍醐味をしのばせ、英彦山の旬をお届けします。
15ページ:320回(2019年 03月)〜 298回(2018年 06月)
広塚忠夫 2019-03-27
本日は、4月から始まる県委調査のルートの下見を兼ねて、久しぶりに犬ヶ岳に登った。国の天然記念物ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)の群落地は、一部蕾が観察されたが、5月初旬が花の見頃到来と推測した。
スマホ・アプリ野外調査地図のトラック記録では、移動距離19.806mを歩いていた。調査時間は05:28~14:28は休息時間を含めて約9時間となっていた。こんなに歩いたので、ほんま、疲れた。
特記は、二度クマタカが出現し、二度目は突っ掛けディスプレイまで観察できたことだ。本日は王者クマタカ観察が一番の収穫だった。
(2019-03-31掲載)
広塚忠夫 2019-03-08
昨夜の雨が深倉峡では雪だったのか、浅い残雪の深倉峡を探索することになった。出発時はそれ程寒くはなかったが、草木ヶ垰で昼食時は、手がかじかんで難儀した。
ミソサザイが残雪の渓流で餌探しにおお忙しで、あっちウロウロこっちウロウロ、時折チリリリリッと囀っていた。樹上からはルリビタキがキョロキョロと首を左右に振り、ドングリ目玉でカメラレンズを見つめてくれたので、しばしの楽しいお付き合いになり、ほんま、誰かさんの様に可愛いね!とお礼を発した。
早春の花期待に、暗紫色のイヌガシ(犬樫)の花が満開で応えてくれた。この花形は日本樹木の花中では、これと似た花がないと記述されていることから、珍花だ。(参照:山渓ハンディ図鑑3)渓流沿いを下ると小さな白い花が、一輪顏を出していた。福岡県絶滅危惧TAの貴重なミスミソウ(三角草)である。
見るからに、この花に逢いに来た多くの高齢の男女とすれ違った。往路の道沿いに福岡・北九州ナンバーの2台が、帰路には5台が駐車されてた。一輪咲いたと、即、情報が伝播されたのであろう。
(2019-03-10掲載)
広塚忠夫 2019-02-22
山に憑りつかれた美代ちゃんからの呼びかけに、お供させて頂いた。アプリ(野外調査地図)のトラック情報では10.745mを記録していた。何と10km超を歩いたことになっていたが、その距離を歩いた感覚がないほど、楽なコースだった。
今年は期待の冬鳥のハギマシコ・マヒワ・アトリは英彦山山系では極少で、一方下界では少ないウソは、英彦山山系での出逢いは多かった。
往路でウソ4羽がツルウメモドキ(蔓梅擬)の実を美味しそうに食べていた。帰路であの不人気のイイギリ(飯桐)を食べていたと思われたが、写真判定の結果、横のツルウメモドキ(蔓梅擬)を食べていた。やはりイイギリ(飯桐)の実は不人気のようだ。
また、今年のキクイタダキは、裏年で観察情報が聞かれないが、本日は3羽との出逢いがあり記録出来た。先頭を行く三浦博嗣氏がキクイタダキを発見し教えてくれた。普通、杉・檜でお会いする機会が多いが、ここではモミ(樅)に取り付いている虫を探しているようだった。続いてアカガシ(赤樫)・ハイノキ(灰の木)を移動しながら餌取りをしていた。全長約10cmと日本で最小のこの方は、落ち着きがなくチョロチョロと動き回るので撮影が難しい。カメラファインダーを通して、激しい動きを追い求めていると、一瞬、頭頂部の黄帯の中から赤い羽が見えたので、記録画像を期待したが、赤羽は記録されていなかった。
今日も英彦山は、楽しい興味ある出逢いを与えて頂き深く感謝した。
(2019-02-23掲載)
広塚忠夫 2019-02-12
窓の外は快晴で、すぐ出掛けたいが、やらなくてはならぬ任務が来ており、集中して片付けて出発した。車窓から英彦山山頂の樹氷が白く輝いているのが観察された。
薬師林道入09:11(快晴・弱風・−3°)やや遅い到着であるが、誰もいないので独り占めの愉しい道中を想像する。
峠を越えたところで、道から樹木に飛び移ったカケスと出逢った。あの用心深いカケスがマイカメラに色んなポーズをとってくれて、何枚も画像記録ができあがった。
裏彦登山09:22(快晴・弱風)スギ・ヒノキの人工林が続くルート上はカチカチの浅い雪がアイスバーン状で歩き難いが、自然林の稜線まで頑張り、アイゼンを装着した。
一本杉・ケルンの谷分岐10:00(快晴・弱風)ケルンの谷方向でなく一本杉コースを選択し、最短の急登岩場コース進んだ。大岩ルートを頑張って登っていったが、岩道が滑り転落の危険を感じて勇気ある退却を決断した。元に戻り安全な大岩を巻く迂回コースを登って行った。無事に稜線分岐に辿り着くと、ブナの樹氷群が迎えてくれた。
一本杉10:43(晴れ・弱風・6℃)次々に繰り広げる樹氷風景を堪能しながら、シャッターを押し続けた。
北岳11:04(快晴・無風・5℃)北岳山頂のブナ樹氷が光り輝き、ここから始まる北岳ブナ林の樹氷群落が目の前に広がる。山道は快晴で風弱くブナ・タンナサワフタギ(耽羅沢蓋木)・コミネカエデ(小峰楓)の樹氷やエビのシッポが、魅せてくれてルンルンの贅沢な歩きが続いた。
山頂11:46~12:23(快晴・無風・−0.5℃)山頂には20人を超える登山者と出逢う。その中に北九州からの山ガール3人さんに、当会のホームページを紹介し、モデルになって頂き蒼空バックに笑顔の撮影会が成立した。昼食はコンビニのお握り1個、おやつのお菓子を食らって、北西尾根コースに入る。シジュウカラ・ヒガラ・コゲラ・コガラ等の群れが現れるが、上手く撮影できなかった。
中間地点のイヌシデ林に来ると雪は消えてべちゃべちゃの土は、アイゼンに絡みついた。
バードライン分岐13:21~13:40(快晴・弱風・−2℃)お茶休憩をとり、どろどろに汚れたアイゼンを外して出発した。東屋に近づくと、キョッキョッと啼き声が聴こえ、樹上にオオアカゲラ(大赤啄木鳥)♀が現れた。上手く枝被りを避けて全体像を十分に撮影できて嬉しくなった。
野営場14:06(晴れ・弱風)いつものウソの啼き声が聴こえるが、残念ながら探すことは出来なかった。
豊前坊14:25(晴れ・弱風・1℃)このコースは鳥との出逢いもなく、ひたすら歩いた。
薬師林道入口14:56(曇り・弱風・3°)早々と、終点に現着して、安堵感と爽快感が体を包んだ。
(2019-02-13掲載)
広塚忠夫 2019-02-05
英彦山の自然の魅力に憑りつかれた山狂いのジーサンは、今日も恋人に逢うようなルンルン気分で出かけ、贅沢な自然観察を期待した。
深倉峡はイイギリ(飯桐)が目立ち、いつもの様にヒヨドリだけがオレンジの房状の実を、美味しそうに群れで食べていた。冬鳥ではシロハラの啼き声が二三回聴こえルリビタキが2回現れたが、枝越しのポースを少しやってくれただけで、結局、期待外れだった。でも、シジュウカラ(四十雀)とミソサザイ(三十三歳)がじっくりポーズをとってくれて、撮影は十分愉しませてくれた。
(2019-02-06掲載)
広塚忠夫 2019-02-02
鷹巣原駐車場(08:20)に現着するとメンバー全員は既に登山準備をされていた。私がビリだった。
当初は四王寺の滝経由の予定だったが、氷瀑は小さいだろうと想定して、急遽、北西尾根コースに変更した。
それに、自宅から望む英彦山の頂きの白銀の輝きを報告した。その素晴らしい樹氷が迎えてくれる確信から、最短の北西尾根コース選択を合意して、晴天予報で樹氷が融け出す前に登頂を目指した。
野営場08:36(曇り・弱風・3℃)
バンガロー周りはリョウブ(令法)が沢山ありその実を狙ってウソが観られるが、想定どおり天辺に1羽がポース、続いて2羽が飛来して、最後は6羽の群となり撮影サービスをしてくれて、初めてウソの観た2人から喜んで貰った。
バードライン分岐09:20(晴れ・弱風・-1℃)
積雪は浅いが、霜柱も見られルート上が凍り付いているのでアイゼンを装着し万全を期した。北西尾根の森の中間地点を過ぎると、早々と樹氷が魅せてくれた。
大岩の梯子を登りきると更に樹氷は成長しており撮影会が始まった。
山頂11:00~12:37(晴れ・弱風・-1℃)
氷点下でマンサク(満作)も凍り付いているが、太陽の陽射しの下は暖かくて、外でチャンポン・お握り・卵焼き・チョコ・コーヒーをご馳走になり、約1時間30分も昼食を愉しんだ。その間に山の会の岡田氏は、バイオトイレの修繕に当たられたことに深く敬意を表します。
北岳13:14(快晴・弱風・5℃)
北岳に向かうブナの樹氷は融け始め、将棋の駒大の樹氷が、頭や顏を直撃してきた。何発か真面に当たり痛痛痛いわ!その状況下は鳥の鳴き声も姿も何もなかった。
一本杉13:55(快晴・弱風・6℃)
下りルートで、やっと、ドラミングが聴こえてきた。
シオジの森14:25(快晴・無風)
枯木の大木からオオアカゲラ(大赤啄木鳥)の鳴き声が聴こえ、2羽の動きが観察されたが撮影までに至らなかった。上空の枝越にハヤブサを観察し2羽の飛翔から番だろうと推測した。
豊前坊高住神社15:23(快晴・無風・0℃)
全員無事帰還で一時休憩をとっていると、看板嬢からコーヒーとお菓子のサービスがあり、深く感謝しながら美味しく頂きました。いつもありがとうございます。
追伸
本日は、大自然に憑りつかれた山狂い7人で英彦山の樹氷群を堪能した。
山狂いは褒め言葉か否か?
一様に“休日で天気が良い日に自宅で燻り家にいると、凄く損をしたように感じる!”が共通の言葉だ。
特に、現役で仕事に疲れ休みには家でゆっくり休養と思われがちだが、そちらの方が、精神的にもだらだらと肉体的にも疲れる。山に登ると爽快感で逆に元気を頂ける。これ、まさに山狂い人生のお言葉だ。
(2019-02-04掲載)
広塚忠夫 2019-01-29
登山日記
06:30 朝食抜きで自宅を出発し津野経由で豊前坊に向う。一般道は平常の状態であるが、豊前坊に近付くと危険なアイスバーン道に変身した。
07:26 豊前坊駐車場に到着、晴れ−1℃弱風で積雪は浅いが、ガチガチの氷道状でチェーン規制の看板が立っていた。早速、アイゼン装着に掛かるが、古いアイゼンのため時間が掛かり07:57にやっと出発準備完了になった。
高住神社に安全祈願して登り始めの階段横でミソサザイが地鳴きしながら撮影に応じてくれた。コース上はアイスバーンであるがアイゼンが食い込み普通の登山より安全で速度も速く感じた。
オオアカゲラのキョッツキョッツキョッツの鳴き声が聴こえ、その樹木を探すが判らない。別方向からもドラミングが聴こえるが探しきれない。
09:09 一本杉着、快晴、中風、6℃
ここでも裏彦側からドラミング(アオゲラ・オオアカゲラ?)が聴こえるが識別できない。有働孝士氏の識別方法投稿によっての識別要請を貰っているが、そろそろ繁殖期に向かってドラミングが盛んになるので準備しなければと心している。
一本杉から直ぐのクサリ場(今はクサリは崖崩れでない)のトラバースは危険で、積雪が深い時は更に危険が増す。町・県担当は危険な看板で注意喚起しているが、ロープの張り替えがポイントと判断している。
09:39 北岳着、快晴、やや強い中風
中岳山頂へ続く稜線上は積雪10cm〜15cmと浅く歩きやすい。ゴジュウカラが何度も撮影サービスでポーズととってくれて、シジュウカラ・ヤマガラ・コゲラも相手してくれた。
10:40-11:00 中岳山頂着、晴れ、0℃、弱風
現着して、バイオトイレを点検した。ヒーターのみ点灯で浄化モーターが稼働していないので便が溜まっているため県の自然環境課に連絡した。電波状況が悪く判ってくれたかどうか?
山頂は5人の登山者と挨拶を交わし、久しぶりにブロガー九ちゃん(九ちゃんの山歩絵日記)に会い言葉を交わしたが、どうも私の顏は覚えて居られないようで、がっかりした。
山頂にはテント泊のつわものも居られ、まだ、爆睡中のようだった。
昼食のバナナ1本を食べて北西尾根に向かう。
北西尾根入口のススキ原は、積雪約20cmであるが、踏み固められて歩くのには楽楽コースとなっていた。
11:42 バードライン分岐、晴れ、弱風、1℃
鳥の出現もなく下り速度は速く、野営場のバンガローが見えるところから、シロハラ・ツグミ・シジュウカラが出現した。
12:01 野営場着、晴れ、弱風
休憩なしで進むと、カケスの飛翔に続くアトリ30+の群れがスギ林に現れるが上手く撮影は出来なかった。
12:43 豊前坊着、快晴、弱風、0℃
余り鳥相には恵まれなかったが、爽快感一杯の英彦山登山だった。
(2019-01-30掲載)
広塚忠夫 2019-01-21
経読林道入口は弱風だったが、稜線上からは木々の揺れる音と強風がゴーゴーと唸っていた。見下ろす谷間や見上げる斜面の風景は、イイギリ(飯桐)のオレンジ系房状の実が、あちこちで美しく目だって輝いていた。
イイギリとツルウメモドキ(蔓梅擬)が並んで樹立しているところで、20羽+のツグミの群が餌取りをしているのが観察された。そのツグミ全羽が、ツルウメモドキ(蔓梅擬)だけを美味しそうに食べていた。その直ぐ隣のイイギリの実に見向きもしない様に、1羽のツグミもイイギリの木には止まっていなかった。美味しくないのであろうか。
帰宅すると、玄関にタイミング良く生け花イイギリの実が、たわわにオレンジ色を発光していたので、つい味わってみた。なんと、苦くて渋くて、口の中がやや痺れる感じで吐き出してしまい、連れ合い春子さまから、何て命知らずで無謀だと馬鹿にされた。
ヒヨドリはダボハゼ性格で5cm以下の実であれば、なんでも食らいつくと言われているいるので、イイギリを食べているのを何度も観察しているが、ツグミには人気がなさそうだ。
野鳥と木の実:ハンドブック(文一総合出版)には「イイギリを採食するのは、ヒヨドリがほとんどで、時にはキジバト・アオバト・ツグミなどが食する」また、サイトでは、生食は可だが美味しくないと記載されていた。毒はないので、いつしか美味しくなる時期があるかも知れないので試す価値ありと思っている。
(2019-01-23掲載)
広塚忠夫 2019-01-14
元気もりもり美代ちゃんリクエストに喜んで応え、3人で英彦山に向かった。
出発して直ぐに「ウソ」3羽が飛来してリョウブ(令法)の実を懸命に採餌する様子を十二分に撮影出来た。
採餌中で警戒心も薄く太陽の光線を受けて目が輝き、頬から胸のピンク色が美しく惹きつけられた。この「ウソ」は体下面(胸・腹)にピンク色が認識され、画像no-7の尾羽下面に白い軸班が確認できることから「亜種アカウソ」と識別した。
その後に続く鳥は、ぱらぱらの寂しい出現であった。一方、祭日で天気も良く、多くの登山客と出会った。
(2019-01-16掲載)
広塚忠夫 2018-12-30
29日より11人も家族(1名欠席)が増えて大所帯となった。だが、子供や孫は時間サイクルが全く違っているので、これを良いことに早朝から一人で今年最後の英彦山詣に出掛ける。
樹木はすっかり落葉して完全な冬の装いの樹林帯に、オレンジの房状の実をびっしりと垂らしたイイギリ(飯桐)が、あちこちで魅せてくれました。道中でも山も谷にもオレンジの房状の実が目立ちました。
経読林道入口に現着すると、小雪が舞って気温が-3℃であるが、風が弱いので寒さはそれ程厳しくはなかった。
ゴジュウカラが先ず迎えてくれて、続いてウソが2羽道を横ぎる。ウソは本日3ケ所で観察された。ガードレール展望台を過ぎてヤマドリ♂が出現し谷間に下って行った。その後、樹氷の木に群れが飛来してチュツチュツと鳴き声がするので枝越しに探すと、何と、ハギマシコ(萩猿子)の小さな群れが確認された。やや暗くて、萩色の鮮明なハギマシコの優雅な色は現れなく、画像としては記録写真レベルとなったが、やっと逢えて嬉しくなった。今年最後の英彦山に感謝して帰路に着きました。
観察した野鳥:ヤマドリ1♂・アオバト3・コゲラ2・アオゲラ2・ヤマガラ2・ヒガラ1・シジュウカラ1・ヒヨドリ30+・エナガ10+・メジロ5・ゴジュウカラ1・シロハラ2・ツグミ1・ハギマシコ20+・ウソ15+・ドラミング(オオアカゲラ・アオゲラ?)1 三次メッシュ
(2018-12-31掲載)
広塚忠夫 2018-12-25
予報通り快晴の蒼空の彼方に、英彦山が鎮座して誘っているように思われて、直ぐ準備して出発する。鬼杉登山口は快晴無風9℃で、自分としては絶好の観察日になった。
出発して最初に、カケス・ルリビタキの鳴き声が聴こえたが、姿は見えずじまいだった。鬼杉を過ぎるとオオアカゲラとアオゲラが隣接して出現してくれた。が、ブレブレのアオゲラ記録写真のみに終る。
本日も期待のハギマシコとの出逢いはなく寂しく帰路へ向かった。南岳から鬼杉のクサリルートを下り鬼杉の近くで、ハシブトガラスがガアガアと騒ぐので見上げると、低空をカラスからモビング(擬攻撃)されて憐れな逃亡者クマタカが、低空を横ぎった。急いで、見通しが効く大南神社裏の岩壁に登った。すると、頭上に私を待っているかのように真っ青な大空を悠然と飛翔している王者クマタカが現れたのだ。ゆっくり帆翔しながら上昇し南岳方面に飛び去った。
このクマタカの舞いには気持ちが高揚しっぱなしで、相当長い時間に感じられた。結果としては、大満足な英彦山クマタカ登山となった。
(2018-12-27掲載)
広塚忠夫 2018-12-14
冬鳥ハギマシコ(萩猿子)との出逢いを求めて、4人で英彦山山頂を目指した。
眼球が多いと探し出す野鳥も多くてありがたい。当然だが、聴力も、発見野鳥の数は比例する。自分には全く聴こえない遠くの鳴き声を、宮本嬢は、「あそこから鳴いています。ほら、エナガです。こちらはウソです。と教えてくれる。」視力はこちらが圧倒的に良いのだが、発見も劣る。歳は一回り以上差が有るためか、それとも動物的感かも知れない。30年以上のキャリアも、彼女に一目置いてしまった。三浦夫妻も認めているようだったので、加齢のせいにしておきましょう。
本日は、ハギマシコには逢えなかったが、ウソ・ゴジュウカラのサービスデーで何度もシャッターチャンスを与えてくれた。その良い条件下であったが、いまいち不満足な画像のできだった。
次は、雪の中のハギマシコを求めて再チャレンジしよう。
(2018-12-16掲載)
広塚忠夫 2018-12-10
自宅から見える英彦山の白い風景に惹かれて車を走らせる。出発地点の野営場からバードラインに登るコース上には霜柱の花が、あちこち咲いていて極寒到来を体感した。
樹冠ではツグミとアトリの小群が移動するのが観察された。大好きな北西尾根の林でエナガ・コガラ・コゲラの混群が餌取りしていた。が、撮影は上手くいかなかった。
山頂に近づくと稜線上に真っ白な樹氷の世界が拡がり、うっとりして足をとられそうだった。樹氷を良く観察すると場所や風向き、太陽の度合いで発達している部分と全く樹氷が観られない樹木が隣合わせで観られた。ススキ原でも同じ風景だった。
期待していた山頂から北岳の稜線上の冬鳥は、閑古鳥が鳴いて寂しい鳥相だった。一方、ブナに発達した樹氷は魅せてくれて撮影を愉しませて頂いた。しかし、一時顔を見せた太陽光や風に吹かれて融け始め、雨が降る如く樹氷の落氷を避けながら撮影することを強いられた。
英彦山の冬期登山で、一番の期待はハギマシコであるが、今年は冬鳥のご帰還が遅いとの情報があるので、またの楽しみに残して置こう。
(2018-12-11掲載)
広塚忠夫 2018-11-03
地元という事で、新飼リーダーから案内役のご指名を受けて英彦山裏彦を歩きました。
本日は、山に取り憑かれた山狂いの五郎隊(別称:ご老隊)メンバーと自然をゆっくり楽しむ紳士淑女の野鳥の会メンバー合計15人の混合チームで、英彦山の裏彦紅葉三昧の一日でした。
裏彦が初めての3人さんの参加もあり、両チームの歩くペースがマッチするか心配していましたが、紅葉黄葉が仲立ちしてくれて、繰り返しの観察休憩を挟みお蔭様で無事に全員ご帰還でした。
遠くは大分からもお嬢の参加があったように、英彦山の紅葉時期はどこの駐車場も満タンで凄い人気です。
鳥は端境期で極貧の鳥相でしたが、猛禽が2度飛翔してくれました。
(2018-11-05掲載)
広塚忠夫 2018-10-24
深倉峡に一人で向かう。民家を過ぎて直ぐの橋に全面通行止の看板あったが、進むとカーブで工事中で工事車両が止まっていた。福岡県環境保全指導員の腕章を見せてルート点検と野鳥生息調査のため通行をお願いし通過した。添田町森林組合看板地点から一部の道は整備されていたが、それ以外のルートは全く同じで、豪雨被害の復旧はまだ目処がたっていないようだ。
本日は深倉峡を独占して紅葉狩りを楽しんむ一日だった。特に、私の好きなシラキ(白木)が色々な姿で魅せてくれた。冬鳥のご帰還を期待したが、残念ながら出逢いはなかった。一度だけエナガ等の混群が観察されたが寂しい鳥相であった。
帰路で眠気を催したので「姥が懐」のベンチに寝転がり30分くらい昼寝をして下った。ところが、乗車して直ぐに森林組合看板地付近にさしかかると、道を掘り返して道路整備中であり、びっくりして頭をかかえながら事情を話すと、親切にも2トントラックで土を埋め戻して頂き通行させてもらった。時間にして10分程度だったが、ありがたい対応に深く感謝致した。ほんま世知辛い日本になったが、心大きい方が圧倒的に多い事を実感した。
(2018-10-27掲載)
広塚忠夫 2018-10-02
英彦山の四季の投稿を創めて9月の英彦山報告が、途切れたことから一ヶ月振りの英彦山訪問になった。
経読林道入口からゆっくり歩き始めると、この時期にアオバトの鳴き声が聴こえるとは良い事の前兆かもしれないと感じた。気持ちの良い絶好の秋の林道を一人独占して観察できるとは、贅沢で幸せ者だ。
冬鳥との初出逢いはないかと、キョロキョロ見廻していたところ、旅鳥で珍しい「マミジロ(眉白)」がウリハダカエデ(瓜膚楓)の枝に飛来してじっくりと対面してくれた。十分な時間、撮影ポーズをとってくれたので価値ある思い出の記録が残せた。それに二回の混群の出現もあり、やっぱし英彦山だと感謝した。
紅葉の見頃は少し先のようだが、クマノミズキ(熊野水木)の紅葉が始まっていた。楽しみのタンナトリカブト(丹那鳥兜、別名サンインヤマトリカブト)の妖しい魅力の花も迎えてくれたが、肝心の斜面の群落地は、早々と枯れ枝に何輪か残っている寂しい状態だった。
(2018-10-04掲載)
広塚忠夫 2018-08-18
気温は高くなかったが無風の登りは蒸し暑く、一方風が通るところは涼しく秋の気候で気持ち良かった。
夏鳥の出逢いは残念ながらなかった。全体を通してソウシチョウが席巻していて喧しい鳴き声を聞かされた。その他はアオゲラが何度も出現した。野営場からの登りで、イカルが群れでクマシデ(熊四手)の果穂を食べていた。クマシデを食べているのは初めての記録だ。
豊前坊高住神社では、ヨルヒコのお礼を申し上げての下山途中に、珍しい花を月1回紹介するため早田夫妻が記者を案内されていた。そこで西日本新聞田川支局長(大塚壮氏)を紹介して頂いたので、名刺交換して別れた。
(2018-08-19掲載)
広塚忠夫 2018-08-06
イワタバコ(岩煙草)は今が旬です。妖しい薄紫色のイワタバコ(岩煙草)の群落が、あちこちから現れ楽しませてくれます。この花を観賞するためにだけでも、英彦山を訪れる価値ありです。是非、今を逃さず出掛けてください。
秋の紅葉で一番美しい猛毒のツタウルシ(蔦漆)が、明日の立秋を待たずに紅葉を始めていました。アキチョウジ(秋丁字)も早々と開花です。
下界は極暑続きですが、英彦山は秋の気配が感じられました。望雲台から鷹ノ巣山や犬ヶ岳を眺望している時に吹き抜ける風は、きもちの良い秋の風そのものでした。
野鳥達は、ヒガラ・シジュウカラ・ソウシチョウが家族で移動しながら餌取りの学習時間の様でした。
(2018-08-08掲載)
広塚忠夫 2018-07-18
英彦山メインルートの豊前坊〜北西尾根コースの西日本豪雨被害調査を行った。
道中の豊前坊駐車場までは、法面が2ケ所崩れていたが通行には問題なかったが、主題の山頂までの登山ルートは一ヶ所で土砂崩れが見られた。
一本杉を過ぎて直ぐのクサリ場の直登が、樹木共々根こそぎ崩落していて、登り上がっての狭いトラバース道が、更に狭くなって危険増大だ。冬場の積雪期は、雪でルートが隠れる恐れがあり、転落する危険が想定されルート変更・改善が急がれる。
夏鳥はカッコウ・ツツドリ・ホトトギス・クロツグミ・オオルリ、それにアカショウビンまでも鳴き声を愉しませてくれた。
夏の花では、紫色の妖しいイワタバコ(岩煙草)が数輪開花して今からが見頃で、ヤマブキショウマ(山吹升麻)・シコクママコナ((四国飯子菜)・ヤマホトトギス(山杜鵑草)など夏本番の花見の季節到来だ。
(2018-07-19掲載)
広塚忠夫 2018-07-11
先週の西日本豪雨被害調査を兼ねて深倉峡を散策した。
民家を過ぎて小さな橋の横に全面通行止めの看板があったが、横を通り抜けてSカーブを登って行くと大量土砂が道を塞いでいた。パワーショベル1台とダンプカー3台が土砂を取り除く作業をされていた。
福岡県環境保全指導員の腕章を見せ、豪雨被害調査の為に草木ヶ垰まで調査を行う事を告げて通過了解をもらった。しかし、土砂がどろどろで深く埋もるので一旦山側に登り通り抜けた。
本日の調査による深倉峡の西日本豪雨被害は、幸いにもここ1ヶ所だけだった。森林組合看板地点から深倉園地経由の草木ヶ垰までのルートは、昨年の九州北部豪雨被害の状況がほぼそのままで、新たに目立った被害は認められなかった。今年も500mm超雨量で心配したが、杞憂に終わり安堵した。
往路はアオゲラが何度も現れて撮影サービスをしてくれて、帰路の谷間からはアカショウビン(赤翡翠)の鳴き声が響き渡り清涼感に包まれた。通行止めが良い方向に影響したのか、土壁にはイチヤクソウ(一薬草)が盗採から免れて小さな群落を形成していた。大岩壁にはタカネマンネングサ(高嶺万年草)の大群落が見頃を迎え、暗い岩場ではアカショウマ(赤升麻)の白い花が光り輝いて惹きつけられた。
(2018-07-14掲載)
広塚忠夫 2018-06-22
英彦山山頂を目指して登るのは、久しぶりである。最近は無人録音調査の為、英彦山周辺の林道や渓谷を散策するのが通常のコースとなっているので、久しぶり山頂までのコースを歩き通す。
気温はそんなに高くはないが、蒸し暑いコンディションである。だが、コースの大半を稜線上を歩くので爽やかな冷たい風が谷間から吹き上げてきて、なんとも言えない快適な歩きとなった。そこで思うのは苦しい登山に対しての心地よい風のプレゼントだと。この健康的な趣味は止められませんね!と皆さんも同じ言葉を発した。
野鳥は、カッコウを始めアカショウビンの鳴き交わしを十二分に拝聴しながらキビタキ・オオルリなど夏鳥の囀りも楽しんだ。
北岳を過ぎて昼食しながら最後の定点調査を開始したが、全く声も姿も見られないので雑談に夢中なっていたら、目の前のブナ大木にゴジュウカラが飛来して、しばらくの間採餌を繰り返す撮影サービスを与えてくれた。
花は期待のオオヤマレンゲ(大山蓮華)がまだまだ天女の花を魅せてくれて、それに小さい白いバイカツツジ(梅花躑躅)が葉に隠れていたのを見つけ、続いて蕾ではあるが、ウチョウラン(羽蝶蘭)との出逢いも300回到達を祝ってくれた。
野鳥や花々を観賞し撮影し満足していた登山投稿スタイルに対して、有働孝士氏(サイト担当者)から野鳥の生息状況や花々の記録を積み上げる大切さを教えられ、三次メッシュに質を高めた投稿記録が300回に到達した。健康的で愉しみながら後世に有益な記録を残すため次の400回を目指して行きたい。因みに第一回は2011-01-05である。
(2018-06-24掲載)
広塚忠夫 2018-06-14
最近英彦山に足繁く訪れているのは、無人録音調査のICレコーダー設置・回収を繰り返し、その機会を活用して夜間散策も行っているためです。
今回も急遽、前日に暗闇の観察会を行いますと、お誘いメールを飛ばしていたところ、毎日が日曜日で野鳥観察がお仕事の虎尾俊二氏の参道は想定内だが、前日遅くまで仕事でくたくたと思われる宮本秀美氏まで集合場所豊前坊に早朝4時に現れるとは、やはり、鳥に憑かれているようです。
魅力のドーンコーラス(暁の合唱)は5月から6月初旬が最盛期のようで、テリトリーを確保して繁殖に入って行くと徐々に囀りも鳴き声も下り坂だが、結果は凄くて素晴らしい体験だったとの感想を頂いた。
下記の記録は、便利なスマホ(ボイスレコーダー)を活用した時系列記録です。
(2018-06-20掲載)
広塚忠夫 2018-06-10
勝手ながら私の恋人と呼んでいる英彦山に向かうのは、気候の良い時期に野鳥の囀りを聴いたり飛翔する姿を堪能し、また白・黄・紅など色とりどりの花々が新緑の樹林のなかで織りなす英彦山に遊んで頂くためでもある。
ある季節は厳しい氷点下10℃の白銀の世界に、シベリヤ方面から渡って来るツグミ類やハギマシコのご帰還により再会した時は心が躍る。
今年は、昨年から無人録音調査にICレコーダーを活用して、夜の野鳥鳴き声記録の集積も始めた。その記録には、想像を超えてオオコノハズクの木魚鳴きなど驚きと感動を持たらせてくれた。初めて木魚鳴きを拝聴した時はオオコノハズクに畏敬の念を覚えた。
この感動の鳴き声をICレコーダーによる記録だけに終わらせないで、夜の鳴き声を生で聴きたくてICレコーダー設置・回収を安全な昼間でなく、わざわざ超早朝や真夜中の林道を歩くことも開始した。
粋狂と言われようが、機械任せの鳴き声だけでなく生の野鳥の鳴き声も賞味したい。この体験を通して後でICレコーダーの鳴き声を聴いた時には、より神秘的な鳴き声に聴こえてくるので不思議だ。
今回も暗闇の野鳥観察記録(鳴き声・姿)は便利なスマホ(ボイスレコーダー)を活用した。内容は、野鳥記録だけでなく山の雰囲気も呼び込めるので重宝しています。皆さんにもお勧めのツールです。
(2018-06-12掲載)
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