英彦山(福岡県添田町|大分県中津市)を中心に犬ヶ岳から岳滅鬼山・釈迦ヶ岳の英彦山山系ルートの野鳥生息調査を主目的に継続し、併せて植物や生き物観察を愉しみながら、英彦山山系の四季の観察データと画像を記録します。
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広塚忠夫 2022-10-20
元気バリバリで食欲旺盛な山ガールの皆さんの呼びかけに、ご一緒させて頂いた。休息毎におやつをバリバリモグモグ、昼食も豪勢の山ガールの胃袋は凄いの一言です。
本日は快晴の最高の英彦山登山日和で、鳥や花との出逢いを確信してスタートしました。
前回、15日はガスの中の山頂でしたが、打って変わって最高の青空で久住連山もクリーンに遠望できました。
ところが、観察結果はアトリ1000羽超の大群も今回はガスと共にどこかに飛び去り、約30羽と寂しい鳥相でした。鳥さんは、ほんなごつ、気まぐれで人間の希望に合わせて呉れません。
山は紅葉が始っていましたが、葉っぱんの傷みが多く見られていることから、低調な紅葉の年になるかもしれないと心配です。しかし、最高でなくても、それなりに英彦山の紅葉は魅せてくれますので、訪れる価値ありです。
(2022-10-22掲載)
広塚忠夫 2022-10-15
急遽、前日に個人主催行事の呼び掛けであったが、三人態勢が出来お二人さまに感謝しました。当日は英彦山の野鳥生息調査を兼ねて、メインルートの一つ豊前坊から北西尾根を完歩することができ、ありがたく思っています。
ルート上での出逢いの花は、ジンジソウ(人字草)ユキノシタ科の大群落とダイモンジソウ(大文字草、変種)の小さい群落が主役で、山頂付近では紅葉の始まりを観賞できました。
鳥相は、アトリ一色と言って良いほど、あちらこちらで出現してくれました。最初は高住神社の裏側でした。次は一本杉で休息中に、次々に凄い群れが頭上を飛翔して行き、続くは北岳手前で樹幹を移動していきました。中岳山頂に登頂しベンチで昼食のときに、白いガスに覆われている対面に鳥が見えて、何だろうとガスの中の鳥を撮影すると、アトリの群れでした。北西尾根ルートの梯子下りでも、濃いガス状況のため不用心な間近で撮影出来た鳥が、またまたアトリでした。しかし、ガスが邪魔して鮮明な画像は生れませんでした。でも、なんとアトリ観察総計は1000羽を超えた大記録でした。
(2022-10-18掲載)
広塚忠夫 2022-09-10
コッコッコッと極小さな声を探すと、ヤマドリ雄がどどどと凄い羽音を立てて上の方へ去っ行き、少し距離を置いて雌が急斜面の土石を足で蹴落とし慌てて走って行った。繁殖期でないのにこの雄雌行動は何だろう。
昨年とほぼ同じ場所では、カケスがジェージェーと鳴くと言われているが、ここではギャーギャーと数羽が警戒音と思われる鳴き声と羽ばたく音の中に、クロツグミのキョッキョッキョッと鋭い地鳴きが混じっていた。カメラを向けるとクロツグミ7+がばたばたと飛び去った。一羽の記録写真は撮れたが、昨年も茶系の雌ばかりであった。この時期の雄は群れから離れて単独行動なのだろうか、図鑑等で調べたが記載がないので、今後の観察課題とした。
帰路の深倉園地の上の駐車場から下の駐車にかけてヒタキ科の鳥が、フライングキャッチを繰り返し採餌していた。多勢で警戒心も薄い様でしばらくの間、サービス満点だった。この仲間3種はよく似ていて、一見して識別は難しいので、モニターや写真判定で識別が必須の鳥たちで、胸から脇腹の白い地色に明瞭な縦斑紋からエゾビタキと識別した。
今の時期は鳥・花は期待しなくフィールドの歩きを目的に深倉を訪れたが、期待以上の成果だった。花々は果実の時期に移行していた。
(2022-09-11掲載)
広塚忠夫 2022-08-04
山ガールのお誘いに飛び乗りご一緒させて頂きました。異常気象の暑い下界は34℃前後でしょうか、一方英彦山は24℃前後で10℃程度低く快適感がありました。でも、風がない登りルートや森の中では、さすがに、じっくりと汗が滲む夏日でした。風が迎えてくれる稜線上ではうわー!涼しいと別世界でした。この北岳のブナ林で豪華な混群に出合いました。一般的には冬枯れの森や大雪の後に大きな混群を観察されますが、真夏のど真中でこれほどの多種多様な小鳥に出逢い、じっくり観察を楽しみできるとはラッキーでした。なんと識別できたのは「コゲラ・コガラ・ヤマガラ・ヒガラ・シジュウカラ・エナガ・ゴジュウカラ・コサメビタキ・ホオジロ」でした。
昼食予定を繰り下げて、この混群地点に座り込み昼食しました。混群を気にしながら頂きましたが、大混群はどこかに移動していました。
本日のメインのイワタバコ(岩煙草)は、星形をした紅紫の花を下向きに咲かせるは控えめな小さな花ですが、望雲台登り口周りの岩場の全面に群落して賑やかに見せて呉れました。その他期待種のタマガワホトトギス(玉川杜鵑草)やフガクスズムシソウ(富岳鈴虫草)ラン科は、既に、花から稔り時期に進んでいました。
新聞やサイト情報では、“話題の英彦山上宮修復工事7月から工事着工の予定で、上宮参拝道の通行止めは業者と協議し、決めていく予定です。" と報道されています。このやり方は主権者の国民(登山者・修験者等)との協議が抜け落ちていませんか。国税投入の上宮修復工事は賛成ですが、英彦山全体の自然環境は国民の共有財産です。登山者・修験者・市民などと知恵を出し合い、中岳休憩所・広場・バイオトイレ利用を可能とした工事案を工夫すべきだと提案していますが、反応は何もありません。
この情報によるのか、他の登山者との出会いはありませんでした。バイオトイレ点検では、両機とも正常運転中でした。このトイレも国税投入で、県・町・英彦山神宮・各山の会・環境保護団体等で喧々諤々と議論して設置されたトイレです。このトイレを4年間も放置し無駄にする当案には大いに疑問ありです。
(2022-08-06掲載)
広塚忠夫 2022-07-17
三連休のど真中に英彦山へ向う。多分、多くの登山者や参拝客で混雑が想定されるので、早めに現着したが、既に8台が駐車していた。
今の時期の英彦山はイワタバコ(岩煙草)・タマガワホトトギス(玉川杜鵑草)・ヤマブキショウマ(山吹升麻)が期待の花々であるが、期待通り充分に喜ばせてくれた。
望雲台に登るクサリ場の岩壁にはイワタバコ(岩煙草)が、紫紅色で5裂した星形の小さな花が開花していたが、今から開花する白い蕾の方が多くみられ、7月下旬から全盛期を迎えるでしょう。タマガワホトトギスは見頃を迎えて数ヶ所の岩場で小さな群ややや大きな群落が、控えめな魅力で惹きつけていました。
(2022-07-19掲載)
広塚忠夫 2022-06-28
山ガールの登山企画にご一緒させて頂きました。驚異的な短い梅雨明けで、気温も高い条件下の山行でしたが、やや強い中風に助けられた英彦山観察でした。
衣が池に向う登りで、ジュウイチのトケン類で唯一の鳴き声が届き、一本杉でアカショウビン(赤翡翠)キョロロロローと尻下がりの鳴き声が二回だけと寂しい鳥相を、シマヘビ(縞蛇)の3回の出現で賑わいました。望雲台の寄り道コースの岩壁でウチョウラン(羽蝶蘭)が、まさに絶壁で盗採から免れていました。最後の一輪の淡い紅紫色が、風に揺らて孤独の輝きを発していました。だが、何とはなしに淋しい光でした。その花の魅力を撮影しようと、命知らずの女性たちが岩壁からの撮影に挑んでいましたが、離れた処から見ていて、こちらの方が恐怖を感じました。
英彦山の縦走コースを探索し、南岳・中岳・北岳の急登のクサリ場や傾斜の急な下りを歩き通して、長く長く感じましたが、記録は僅か6q超を示していました。頑張り疲れた感覚とは、全く比例してないと実感しましたが、これが現実でした。帰路の国道沿いのヒナラン(雛蘭)は終焉していましたが、クスノキ(樟)の大木にはフウラン(風蘭)ラン科の純白の花は、後ろに突き出た距(きょ)の特徴が観察できました。
皆さんからの差し入れの南岳での昼食時の話題に“90歳まで英彦山に登ろう”との目標は、とりあえず80歳に勘弁願いたいとの心境でした。
【注】植物採取禁止:英彦山は特別保護区が設定されており、すべての植物は、採取すると自然公園法くまたか外部サイトにより6ヶ月の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。(同法第83条)
(2022-06-30掲載)
広塚忠夫 2022-05-31
本日のルート上の花々は、ドウダンツツジ(満天星躑躅)とカマツカが見頃を迎え、大歓迎でした。
早朝の豊前坊高住神社で、オオルリ♀を撮影しました。タイミングよく、日本野鳥の会の野鳥誌5・6月号の合併号に、オオルリの研究記述が掲載されていました。それによると、“オオルリ♀は動きが遅くて、一度止まった場所や枝でじっとしていることが多い”との記述です。
今年は、笠城ダム公園探鳥会と本日早朝の豊前坊でオオルリの♀を撮影しました。保護色の暗い場所にもかかわらず、記録画像を残せました。笠城ダム公園探鳥会のオオルリ♀は多くの皆さんが撮影されていたことから、この研究が実証されました。
次の記述は、オオルリの育雛期には♂♀ともに鳴く姿が見られる。但し、♀が鳴くときは求愛やテリトリー宣言でなく、危険を知らせる警戒音であり観察に注意が必要になるとのことです。
それを実証する記録、当会サイト「くまたか」の次の投稿記録がありますので、鳴き声の確認をして頂ければ幸です。「オオルリ♀の囀り古処山(動画)」2019-05-31(金)・古処山(朝倉市秋月)。その日、古処山の観察では登山道を挟んで番が間近で鳴いていたので、♀も鳴くのだと感動の記録を残しています。記録投稿は貴重で、時にお役にたちます。有働孝士部長に、当会サイト「くまたか」の更新と運営に感謝致します。
(2022-06-01掲載)
広塚忠夫 2022-05-29
深倉園地は渓流釣りの先着様が一人いた。見渡すと新緑とコントラストして白い塊の花が惹きつけた。カメラでズームアップするとヤマイバラ(山薔薇)と判った。個々は大型の白花でひと際目立っていった。その先から常連のオオルリが二ヶ所から囀っていた。探しながら進むとオオルリが懸命に囀りながら動画撮影に応じて呉れて感謝した。
アカショウビンもキョロロロローを繰り返し聴かせてくれるので、屏風橋から渓流沿いに登り探索したが、姿は発見できなかった。草木ヶ垰でも大南林道側からアカショウビンのキョロロロローの鳴き声が届いた。
帰路は、往路でアカショウビンが囀っていた望彦橋付近で、朝食をとりながら1時間程出現を待つが、なんと鳴き声一つしない冷たさだった。あれだけ鳴いていたのに、鳴き声の時間帯を設定しているのだろうか?
屏風橋からの帰路ルートは、渓流沿いの獣道を進んだ。凄く長い一枚岩や清流を上から眺めながらの探索結果は、キビタキの囀りだけで、難路の歩きのご褒美としては寂しかった。
(2022-05-30掲載)
広塚忠夫 2022-05-24
夜明け前のドーンコーラスを聴きたいと計画していましたが、出発が遅く、既に経読林道は明るくなっていて聞けませんでした。ドーンコーラスを聴くには現地で前泊するか、自宅を3時出発が前提条件になります。
経読林道も薬師林道も鳴き声記録ばかりでしたが、薬師林道でトラツグミとコサメビタキが撮影サービスを提供してくれて、記録画像を残せました。鳴き声はアカショウビン・クロツグミ・アオバト・ミソサザイの記録でした。
記録場所:経読林道
(2022-05-27掲載)
広塚忠夫 2022-05-19
英彦山の夏鳥観察のリクエストに応じて鬼杉・猫の丸尾ルートを散策した。
先週の探索では、アカショウビン(赤翡翠)ブッポウソウ目カワセミ科が鬼杉で鳴き声を披露してくれたが、本日は籠水峠を過ぎて、やっとキョロロロローの鳴き声が聴こえてきた。
見晴らしの良い猫の丸尾山頂で休憩し猛禽類の出現を待っていると、歩いた来た稜線のヒノキ林からセグロカッコウのカッカッカッコウの鳴き声が高鳴りし近づいて来た。すると突然に我々に向って低空を飛んできた。その時は沖縄黒糖の饅頭を口に咥えていたので、慌ててカメラを取り出し撮影の準備をしたが、千載一遇のチャンスを逃してしまった。残念、だが4人全員ともセグロカッコウが羽ばたきながら南側の山に飛び去る姿をしっかり目に焼き付け興奮した。
やったね!と高揚感が続いている中で、なんと、山下哲郎氏が一眼レフカメラで撮影に成功していた。本人は不鮮明画像で満足されていないようだが、当支部で初めての証拠写真であり、歴史的な大成果ですよ!と喜びあった。
やったね!とよいしょしながら最低鞍部に到着して昼食に掛かると、先のセグロカッコウ・ジュウイチ・ツツドリがテリトリー争いのように交互に鳴きかわしてくれた。再度の飛翔を期待して鳴き声録音を皆さんが試みていらしたが、結果は如何だったか。
ここからはエスケープルートで下りばかりの山道をオオルリの囀り姿を二ヶ所で撮影して、無事、大南林道経由で鬼杉登山口に現着した。
本日も楽しく観察できたこと、英彦山に感謝した。
22今年初鳴きのジュウイチと後方のセグロカッコウ
(2022-05-20掲載)
広塚忠夫 2022-05-08
英彦山は夏鳥の揃い踏みで野鳥観察の一番良い季節が到来です。過去にも数度の個人記録はあるが、夜でなく早朝に、だいぶ遠くからコノハズクの“ブッキョッコー、ブッキョッコー”の鳴き声が届いた時は、久し振りで最高に幸せでした。録音の声は、手前のソウシチョウやミソサザイの声に圧倒されて聴き辛いかと思われますが、現地では“ブッキョッコー”の声が心地よく聞き取れました。セグロカッコウは間近で“カッカッカッコウ”鳴き声を鮮明に何度も聴かせてもらった。が、姿までは確認できなかった。アカショウビンの“キョロロロロー”は真上の大木の上から聴こえて来た。だが、こちらを警戒した声の様で、いつもの綺麗な声ではなかった。
猫の丸尾山頂付近では、シコクスミレ(四国菫)と今年初のコミヤマスミレ(小深山菫)の出逢いがありラッキーでした。車で大南林道を下っていると、高校生の登山競技会?が行われているようで、多くの高校生の登山部の皆さんとお会いしました。林道出口のしゃくなげ荘は、すっかり建物は取り壊されて更地に変わり果てて寂しさを感じました。
野鳥や花々が迎えてくれる英彦山に足を運び、楽しみながら記録した観察情報を、当会サイト「くまたか」に投稿し自己記録を積み上げましょう。
(2022-05-09掲載)
広塚忠夫 2022-05-03
“キョロロロロー・キョロロロロー”と北岳ブナ林の谷間から聞こえてきた。わぁ!アカショウビン(赤翡翠)だ!今年初のキョロロロローと尻下がりの鳴き声に惹きこまれ、至福の英彦山で鳥類生息調査を行った。
スタート地点の高住神社の森からキビタキが“ピョロロン・チョットコイ・チッチリリ”など早朝から様々な物まねを交えた囀りの声を、周りの建物や岩場からはミソサザイ(三十三歳)の絶頂期の鳴き声が、林からはツツドリの”ポポ・ポポ”と竹筒を叩く鳴き声、樹幹からは“フィ、フィ、フィ”とゴジュウカラが良く通る歌声を聴かせてくれた。シオジの林ではオオアカゲラ・アオゲラの鳴き声とドラミングも時折聴こえて来て、流石、野鳥の宝庫を満喫した。
並行して花観察は、コミヤマカタバミ (小深山傍食)・ワチガイソウ(輪違草)・ヒナウチワカエデ(雛団扇楓)の小さな花を撮影して、北西尾根コースではツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)が紅色の蕾と満開の優しいピンク、濃い紅色が混じった優雅な花がびっしりと魅せてくれて、一番良い時期に巡り合ったと喜んだ。小さな群落のウスノキ(臼の木)の花、珍しいブナに着生するヤシャビシャク(夜叉柄杓)の淡緑白色の花弁は上品だった。新緑に映える赤系の花のコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)も次々に観られて感嘆の声が続いた。
いつものことであるが、鳥を見て花を楽しんで、花の名前を思いだすのに頭脳を働かせて、楽しみと刺激でボケる暇がないのが贅沢な悩みだと褒めあい、良い趣味を持ったものだと。
(2022-05-05掲載)
広塚忠夫 2022-04-23
スタート地点の雲行きが怪しく、やや急ぎ足で進み草木ヶ垰には早々と8時12分に着き、帰路も早くて深倉園地に9時21分到着した。幸いにも到着するやいなや雨が降り出した。しかし、自宅に着いてもまだ雨は降ってなかったことから、山沿いの林道の方が雨足が速いのだろう。
深倉林道はポポ・ポポとツツドリの鳴き声に迎えられウキウキしてきた。が、托卵相手のセンダイムシクイは何故か観察できなかった。
加えてクロツグミ・キビタキ・オオルリの夏鳥達の囀りを聴きながら、優しい新緑の森を堪能し一人占めの贅沢な観察会となった。
(2022-04-24掲載)
広塚忠夫 2022-04-19
早朝6時過ぎに現着すると、ソウシチョウ・ヒヨドリの鳴き声に混ざり「ポポ・ポポ」とツツドリの声が聴こえルンルンの夏鳥の世界に惹きこまれた。太陽が眩しい道端には逆光で見え辛いが、クロツグミが落ち葉の下の餌探しをしていた。逆光の条件下であるが記録撮影ができラッキーだった。早起きは確かに幸運をもたらす。
高住神社の石段を歩くと、ヒトリシズカ(一人静)・サバノオ (鯖の尾)・コガネネコノメソウ(黄金猫の目草)・ハルトラノオ(春虎の尾)の花々が楽しませてくれた。ほん最近まで、可憐な春の妖精(スプリング・エフェメラル)ミスミソウ・セリバオウレン・ホソバナコバイモの時期であったが、既に春爛漫の英彦山の季節に入りつつあった。でも、どの時期にもそれぞれの魅力をもたらせてくれる。シオジ林周辺はワチガイソウ(輪違草)が観られ岩の上には珍しいシコクスミレ(四国菫)とコミヤマカタバミ (小深山傍食)が花開いていた。
ケルンの谷の下りコースにもコミヤマカタバミ(小深山傍食)を発見し、サバノオ (鯖の尾)の群落を博嗣さんに教えて頂き、逆戻りで大群落を撮影した。沢沿いの谷間にもあるかと判断して探したが、全然なかった。何故か判らないが、不思議だ。
裏彦コースの春の目玉のヤマシャクヤク(山芍薬)はまだ開花は早いだろうとポイントに近づくと、美代ちゃんが“緑の葉っぱに白花が咲いているわ!"と喜びの声が響いた。ワクワクしながらじっくり観察し撮影した。時期としては蕾と花が混じって一番綺麗な状態だと感じた。
山頂稜線上から裏彦ルートでは暗紅色の鐘形の樹木の花を、なんだろうと落ち葉で伸子さんが確認してカジカエデ(梶楓)の花と識別して合意できた。図鑑の中で理解するより現場での納得感は、記憶に残り重要である。
豊前坊の帰還の最後の場面ではシロバナネコノメソウ(白花猫の目草)の群落に出逢い、無事に帰着できた。しかし、ほんま疲れた!足が棒の様になりヨレヨレ歩きになったが、満足感がそれを遥かに上回っていて、はたまた近いうちに登る気持ちになっていた。
(2022-04-20掲載)
広塚忠夫 2022-03-27
腰痛と喘息コンビでは、山頂を目指すのは無理で英彦山の裾野をドライブしました。
お迎えは小さなタチツボスミレの花から始まり、続いてミソサザイ(三十三歳)でした。既に繁殖期に入っているようで、盛んに囀っていてこちらに向かいツリリリと警戒音を発しながら、邪魔だからどこかに行きなさいと訴えられているようでした。
渓谷では、3月6日に訪れた時の早春の花ミスミソウ(三角草)は、葉っぱばかりでしたが、本日は数輪がツクシショウジョウバカマ(筑紫猩々袴)と共生しているように魅せて呉れました。ただ、最盛期は過ぎているようでした。
次の目標のホソバナコバイモ(細花小貝母)とセリバオウレン(芹葉黄連)にも出逢えました。しかし、この少しの歩きにも疲れてしまい家路に向いました。
各駐車場は登山者と花見客で満車状態を通り越し、道端にも車が溢れ日曜日の春を満喫しておられた。今から春本番の野鳥、花、生き物の観察フィールドでのワクワク感の一場面でも、投稿する楽しみも味わって頂ければ助かります。幸いにも、当会サイト「くまたか」への投稿受け入れ体制は、無償の専従者のごとく有働孝士部長が、毎日サイト更新をされており感謝いたします。この様な贅沢な受入れ環境があるのは、この筑豊支部を置いて他にはありません。活用し観察情報を楽しく共有しましょう。
(2022-03-29掲載)
広塚忠夫 2022-03-06
シロハラの鳴き声も姿も見られなかったし、冬鳥との出逢いは全くなかった。冬鳥の北帰行が始まっているのだろうか、既に冬鳥と夏鳥の入れ替わりの端境期になっているようです。
観察種が少ない成果のない日も貴重な記録となり、渡り鳥の変化のデータとして投稿しています。
このルートは早春の花「ミスミソウ(三角草)」が3月には見られるのでポイントに行くと葉っぱばかりでした。それでも遠方の福岡・熊本ナンバーの女性花ファンが深倉を訪れていましたので、花情報交換を行いました。
(2022-03-09掲載)
広塚忠夫 2022-02-23
Wの滝の氷瀑の見学希望があり、お二人さんにご一緒させて頂いた。
最近はヤマップやサイト上でWの滝の呼ばれているが、飯塚六四会の「英彦山パーフェクトガイド」(榎隆成・數代著/平成23年12月発行)によると「産霊(むすび)の滝」と命名されているので、とりあえず産霊の滝/Wの滝と併記しておこう。
個人的にも現在のように人気の滝になる相当前に、行者堂南西沢コースA(飯塚六四会命名)は2回登っているが、四王寺の滝が忘れられたように産霊の滝へ、これほど沢山な登山者を惹きつけるとは想像していなかった。祭日の今日は猫も杓子もこの滝を目指して来山されているようだった。完璧に凍り付いている滝コースは傾斜もある危険なコースを、外見上からこの方大丈夫かな?、と思える登山者もいて心配だった。冬季以外は見向きもされないこの滝は、冬季は見違えるように大きな氷柱と氷瀑に変身し惹きつけていた。
(2022-02-25掲載)
広塚忠夫 2022-02-06
バリバリ稼いでおられる?現役のお二人さまからのリクエストは「白銀の英彦山」でした。今回は前日の雪の天気予報で、急遽、翌日決行の日程調整ができワクワク気分で英彦山へ。
豊前坊までの道中はアイスバーンで危険が一杯の超スロー走行となり、登行開始後のシオジ林の前後は、小雪が舞い気温も氷点下が続き、手が痺れてカメラシャッターを押すのにも難儀しました。
この天候状態から豪華な樹氷を期待して登りましたが、極小さな樹氷しか見せて呉れませんでした。が、それはそれで魅力的な樹氷でした。
ルート途中の鳴き声の識別で、繁殖期のヤブサメに加えて本日はカラ類にもハンディが生じたようで、お二人さんには聴こえ私には聴こえない聴力の衰えを数回実感しました。
北岳から中岳の稜線ルートは寒い強風が吹きつてきたが、頭・顔の防寒をしっかりしていたので、そこは難なく通り過ごせましたことから、準備の大切さを再認識しました。
山頂は、日曜日のためか約50人の登山者で防寒場所の休憩所は、満タンになっており大半は寒い外で昼食をとられていました。
帰路の北西尾根コースの下り状況は、アイゼン装着でも転倒の危険な箇所があり、恐る恐るストックを使いを通過し、イヌシデ林ではウソ・コガラ・ゴジュウカラ・シジュウカラ・ヤマガラの混群が観察できましたが、逆光と枝被りの悪い撮影条件下で撮影は満足できませんでした。
また、樹木識別は常緑樹は葉っぱで何とかできますが、落葉樹は樹肌と変色した落ち葉を参考とするので、信頼性に疑問があり、樹肌識別レベルのアップの課題を残しました。
振り返り結果は、無事に帰還でき満足感と裏返しに疲れはじっくり感じていますが、またのチャレンジの気力は残っていました。
(2022-02-07掲載)
広塚忠夫 2022-01-31
標高が上がると、道中は断続的にアイスバーン道になっていたので、カーブは恐る恐る低速で走った。前回の英彦山の成果を期待して経読林道を探索した。経読林道は積雪は浅いが、凍り付いて危険な歩き箇所が多々あった。
出会いは留鳥ばかりで、冬鳥との出会いは全くなかった。哀れな今年の冬鳥の帰還状況だ。何が起こったのか神様に訊いてみたい。あちこちに、たわわに実っている房状のイイギリ(飯桐)の姿は美しいが、野鳥の姿はない。
かたや人気のヤマハゼ(山櫨)の実を採餌する小鳥と出逢った。冬鳥を期待したが、シジュウカラとヤマガラだった。でも、美味しそうに何度も森から出たり入ったりを繰り返し、力関係はシジュウカラ(四十雀)が勝っていたようだ。又、冬鳥を期待して出直しだ。
(2022-02-02掲載)
広塚忠夫 2022-01-28
お二人様から雪山登山のリクエストがあっていたが、現役さまは休日登山に限定されるので、天候条件は後付けになってしまうのは仕方がない。本日の道路状態は平常であったが、念のためアイゼンを携帯して登った。
目的の四王寺の滝の氷瀑は見ることが出来なかった。南岳から下るルートで凍結があり、更に、北西尾根の帰路の梯子地点の前後で滑る状態のアイスバーン道であったが、ほんの短い部分と甘く判断してアイゼン装着なしで通り抜けた。事故はなかったものの、面倒でも安全優先でアイゼン装着をしなければならなかったと、振り返り深く反省した。
奉幣殿を過ぎての森林で、混群に出逢いベレー帽の希少種コガラが混じっていたので、嬉しくてこの仲間では一番小さいコガラです。と説明したところ、伸子さんから図鑑を開き「シジュウカラ14.5cm・ヤマガラ14cm・ヒガラ11cm・コガラ12.5cmの全長」について、ありがたいご指摘を頂きました。名前からコガラ(小雀)が一番小さいと思い込んでいたところ、ヒガラ(日雀)の方が最小だった。美代ちゃんも同じ思い込みをしていたと言われていたので、意外と多くの方も思い込まれているかもしれません。(失礼)
風景で目立つイイギリ(飯桐)を撮影していると、野鳥に敬遠されているその果実の枝からシロハラ2羽が飛び立った。ヒヨドリの採餌の目撃例はあるが、シロハラのイイギリ採餌の可能性がある貴重な初観察例であった。だが、撮影記録は残せなかった。
滝の上に登りきると、ウソの鳴き声が届き、北西尾根コースではオオアカゲラ2・アオゲラ1、それに今年のアカウソ(亜種)5羽姿の初記録で熱くなった。リョウブ(令法)の実を採餌中であるが上手く撮影ができず記録画像に終わった。だが、本日は初物づくしで成果大であった。
(2022-01-29掲載)
広塚忠夫 2022-01-19
野鳥の生息調査、とりわけ猛禽類を目的とした調査の必要が生じて雁股山を訪れた。しかし、猛禽どころか、冬鳥の渡り状況も寂しく不満足でした。
雁股山に向かう500m地点からの急登の途中で、左右からキョッキョッキョッとアオゲラの地鳴きが聴こえ、カメラを構え、右だ左だと翻弄されたのが、小さな手応えでした。
英彦山から犬ヶ岳・経読岳を経て雁股山に至るコースは、九州自然歩道となっていて、ここも英彦山山系と位置づけて投稿しています。更に、この雁股山から東へ瓦岳を経て大平山へ9.2kmの道標があり、体力が残っているうちに縦走にチャレンジしたくなりました。
カメラについて、ソニーDSC-RX10M4のズーム機能が故障していて、現在はキヤノンSX60HSを使用していますが、思うように撮影出来ていません。1ヶ月半の修理期間の辛抱です。
(2022-01-20掲載)
広塚忠夫 2022-01-12
リビングから遠景の雪の英彦山が、誘っているように見えたので気持ちよく英彦山に向うと、街道は平常走行だったが、標高が上るに連れてアイスバーンで危険が一杯の状態に変わった。
高住神社のF譲に挨拶しシオジ林へ。-6℃の気温であるが、風が弱く寒さはそれ程感じない。むしろ、登山向きのコンディションで積雪は10cm〜20cmと浅いが、雪の下が凍結しているのでアイゼンの刃が良く掴んで呉れて安全行となる。
一本杉から北岳経由の稜線上は風が吹き抜けるが風は弱く、ルート全域は、白い雪と樹氷の華の世界が惹きつけて、撮影を繰り返し楽しんだ。が、東北地方のニュースが頭を過ぎり複雑な気分になった。登山者は常連の植田氏と5人の女性グループと挨拶を交わした。帰路は山頂から北西尾根に進むと、太陽が顔を出し一段と樹氷が輝き堪能した。更に下りイヌシデ林に入るとシキミ(樒)の侵出に脅威を感じた。この樹林には殆ど樹氷は見られなかった。
振り返ると、稜線上の樹氷の歓迎には満足したが、野鳥は極端に少なく年末のアトリの群れにも会えなく、今年は冬鳥の大群の南下はどうなるのだろうか。
鳥屋は樹氷の華だけでは満足感が半減するのは、バーダーの宿命か。しかし、まだ期待して待っている。
帰路は大ヶ原で、先客の2名とベニマシコを撮影した。雄雌3羽が現れたが、雌のみ撮影した。
(2022-01-13掲載)
広塚忠夫 2022-01-07
やや遅いが、快晴のウキウキする朝に深倉園地に向いました。深倉園地は0℃で気温は低いが、微風で寒さはそれ程感じなく観察日和でした。観察は単独も良し、仲良しグループ探索もよし、本日は一人旅でした。
フィールドが楽しいのは、野鳥との偶然の出逢いを求めるからなのでしょうか。予約の出逢いはできませんが、期待の出逢いはあるし、それに当たると高揚感は昇りつめます。
でも、本日の期待の出逢いの冬鳥は、ルリビタキとシロハラと寂しい鳥相でした。ルリビタキは♂♀とも鳴いてくれてましたが、警戒心から撮影は枝被りでした。一番のサービスはミソサザイさんでした。
鳥に代わって、花はルート全域でイイギリ(飯桐)の房状の液果が、輝いていて惹きつけらました。
(2022-01-08掲載)
広塚忠夫 2021-12-17
山頂の休憩所は3人だけで、剥離骨折の美代ちゃんの快復祝いが執り行われ、私も食べる役に頑張りました。
特記は、今冬の英彦山初樹氷の記録です。まだ小さな幼児クラスの樹氷でしたが、強風の氷点下で観察できたので、尚更美しい光景でした。そこは、ガスが漂い霙交じりの小雪が舞う厳寒の北西ルートで、太陽の光が射し込んできた瞬間、“うわー太陽だ!あそこに樹氷が、綺麗ね!"太陽と初樹氷の世界がガスの中から現れ、彼女らの喜びは最高でした。
ここまではゴーゴーと上空を吠えていた強風が、北岳稜線上では、お構えなく3人を吹き飛ばすように襲ってきました。why、予報されていたのに好んで山に挑戦するのでしょうか。
予期しない出逢いや期待の鳥の出現を想像すると、厳しさや危険度を上回る喜びが、山に向かわせる山キチ体質が出来上がっているのでしょうか。
その期待が、小雪が舞うシオジ林からキョ・キョと鳴き声が聴こえ、即断でオオアカゲラ(大赤啄木鳥)と判った。どこにいるのか、すぐに伸子さんが指を射した方向に、頭頂が赤く目立つ雄が、大木の側面を採餌しながら上へ上へ移動して次の大木に移動した。そこに雌も飛来してきたので、ワクワクしながら悴んだ手でシャッター押した。
ピンは甘く記録画像であるが、これで本日は充分でした。あとは、エナガの群れとの二度出逢いがあり、無事にゴールに到着しました。当然ですが、こんな天気予報に登山する人はいなく、駐車場にはマイカー1台だけでした。ずっしりと足にきて疲れていてはいますが、達成感から又来ようと頭中は決めているようです。
(2021-12-18掲載)
広塚忠夫 2021-12-10
筑豊山の会代表から、12月9日(木)トイレ清掃協力団体に、「2022年7月から4年間の英彦山上宮社殿修復工事計画」の説明がありました。
上宮社殿修復については賛成です。しかし、工事のやり方に納得がいきません。
今回の提案「来年2022年7月より工事終了までの4年間、当工事に伴い、社殿・中岳休憩所周囲の平地が、全て資材置き場となり、中岳休憩所(バイオトイレ)を含む場所が工事関係者以外進入禁止になります。」大半を国税を使って行われる工事に、登山者・修験者・国民を中岳山頂から排除されています。
英彦山全体の自然環境は、福岡県民及び国民の共有財産です。従って、多くの登山者や市民及び環境保護団体と意見交換して、ベストな英彦山上宮社殿修復整備工事の方法を導く必要があります。今回の提案は、登山者・修験者・市民などと意見交換なしの工事提示であるので、白紙に戻して、中岳休憩所・広場・バイオトイレ利用を可能とした工事案を工夫すべきだと提案します。
少しの非効率な作業が生まれるかも知れませんが、「資材置き場は、広さから判断しても、北西尾根側の笹原を活用すれば解決すると判断されます。」
多くの関係者の知恵だしで、中岳広場・休憩所・バイオトイレを利用前提の工事案を創造し、皆さんが合点いく意見交換の場の設定を、福岡県環境部に要望します。
本日の山行は、裏彦登山口から探索しました。初めてウソの鳴き声が届き、その他冬鳥はルリビタキ・ツグミ・マヒワの小さな群れ、それにアトリの大きな群れに感動し、撮影も楽しめました。
全ルートは既に冬の装いで、すっかり樹木は落葉しており、一部は果実を残し冬鳥の採餌を待って野鳥による種子散布を期待している樹木群も見られました。
来週の17日(金)も天候が良ければ英彦山山行を予定していますので、ご一緒希望者は一報をお待ちしています。
(2021-12-13掲載)
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