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 無人録音調査 /2019

本会(日本野鳥の会筑豊支部)では、フィールドにICレコーダーを設置し、無人で自動録音する調査方法「無人録音調査」により、夜間や早朝、昼間等、音による定点観察調査を実施しています。場所や時間等の設定が自由となるため、これまで困難とされていた各所フィールドの詳細な観察が、音声の証拠とともに可能となりました。2017年5月に開始され、これまで驚異的な成果を挙げています。

※本文中 @503x-xxxxのように記されたコードは[標準地域メッシュまっぷ]により取得した3次メッシュ・コード/世界測地系(@)(地域を一意的に特定するため、日本全国を約1km四方の碁盤目に区分し、8ケタでコード化。コード先頭の識別子@は当サイトのローカル・ルール)です。

無人録音調査 | 2017年 | 2018年

2019年調査一覧 | 『目で見る』野鳥の声講座 | 今季のオオコノハズク | 「コノハズクの交尾声?」補足
超至近距離のオオアカゲラ? | あまりにも見事な...二題 | コノハズクの交尾声?

2019年調査一覧

広塚忠夫 2019-04-27/

無人録音調査は、主に福岡県・大分県の県境に位置する英彦山山系にて実施されました。

凡例:

  • [回]:一連のレコーダー設置回数
  • [id]:録音の音源に付したid。idのプリフィクス[h]は、録音機設置者(著作権者):広塚忠夫を意味する。
  • [月日]:レコーダー設置日
  • [開始]:録音開始時刻
  • [場所名]:レコーダー設置場所
  • [メッシュ]:レコーダー設置場所を含む3次メッシュコード。日本全国を一辺約1kmの格子状に区切り、各マスに8ケタのコード番号を付けたJIS規格(世界測地系)。地名より確かな地域の位置情報。
  • [解析者]:録音内容を聴取し種を識別した者。録音は参考のため音源より当該部分を抜き出した。
  • [音源/解析結果]:録音全音源(mp3)を収容/識別結果のリストとコメント。(
    ボタン配下のコンテンツは、検索サイトには収集されない。)
id年月日開始場所名メッシュ解析者音源/解析結果
1h0012019-04-2719:00経読林道@5030-1797渋田朗
h0022019-04-2819:00経読林道@5030-1797渋田朗
h0052019-04-2804:00経読林道@5030-1797渋田朗
h0092019-04-2804:00経読林道@5030-1797渋田朗
h0102019-04-2904:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0112019-04-3004:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0172019-04-2719:00経読林道B5030-2707田中良介
h0212019-04-2804:00経読林道B5030-2707田中良介
h0222019-04-2904:00経読林道B5030-2707田中良介
h0232019-04-3004:00経読林道B5030-2707田中良介
h0242019-05-0104:00経読林道B5030-2707田中良介
2h0252019-05-2304:00薬師林道@5030-1775渋田朗
h0262019-05-2404:00薬師林道@5030-1775田中良介
h0272019-05-2504:00薬師林道@5030-1775渋田朗
h0282019-05-2219:00薬師林道@5030-1775田中良介
h0292019-05-2219:00薬師林道A5030-1775渋田朗
h0302019-05-2319:00薬師林道A5030-1775田中良介
h0312019-05-2219:00国道500号トンネル付近B5030-1785渋田朗
h0322019-05-2319:00国道200号高巣トンネル5030-1785田中良介
h0332019-05-2419:00国道500号トンネル付近B5030-1785渋田朗
h0342019-05-2304:00国道200号高巣トンネル5030-1785田中良介
h0352019-05-2404:00国道500号トンネル付近B5030-1785渋田朗
h0362019-05-2504:00国道200号高巣トンネル5030-1785田中良介
3h0372019-05-3004:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0382019-05-2004:00経読林道A5030-1797田中良介
h0392019-06-0104:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0402019-06-0204:00経読林道A5030-1797田中良介
h0412019-05-2919:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0422019-05-3019:00経読林道A5030-1797田中良介
h0432019-05-3119:00経読林道A5030-1797渋田朗
h0442019-06-0119:00経読林道A5030-1797田中良介
h0452019-05-3004:00経読林道B5030-2707渋田朗
h0462019-05-3104:00経読林道B5030-2707田中良介
h0472019-06-0104:00経読林道B5030-2707渋田朗
h0482019-06-0204:00経読林道B5030-2707田中良介
h0492019-05-2919:00経読林道B5030-2707渋田朗
h0502019-05-3019:00経読林道B5030-2707田中良介
h0512019-05-3119:00経読林道B5030-2707渋田朗
h0522019-06-0119:00経読林道B5030-2707田中良介
4h0532019-06-0604:00薬師林道@5030-1775渋田朗
h0552019-06-0604:00薬師林道@5030-1775渋田朗
h0572019-06-0619:00薬師林道@5030-1775渋田朗
h0592019-06-0519:00薬師林道A5030-1775渋田朗
h0612019-06-0619:00薬師林道A5030-1775渋田朗
5h0672019-06-1204:00斫石峠5030-1649田中良介
h0682019-06-1019:00斫石峠5030-1649渋田朗
h0692019-06-1119:00斫石峠5030-1649田中良介
h0702019-06-1019:00斫石峠5030-1649渋田朗
h0722019-06-1104:00籠水峠ルート中間点5030-1763渋田朗
h0732019-06-1204:00籠水峠ルート中間点5030-1763田中良介
h0742019-06-1304:00籠水峠ルート中間点5030-1763渋田朗
h0762019-06-1019:00籠水峠ルート中間点5030-1763渋田朗
h0772019-06-1119:00籠水峠ルート中間点5030-1763田中良介
h0782019-06-1219:00籠水峠ルート中間点5030-1763渋田朗
h0792019-06-1104:00籠水峠下5030-1754田中良介
h0802019-06-1204:00籠水峠下5030-1754渋田朗
h0812019-06-1304:00籠水峠下5030-1754田中良介
h0832019-06-1019:00籠水峠下5030-1754田中良介
h0852019-06-1219:00籠水峠下5030-1754田中良介
6h0862019-06-1719:00深倉峡@5030-1751梶原剛二
h0872019-06-1819:00深倉峡@5030-1751三浦博嗣
h0902019-06-1904:00深倉峡@5030-1751有働孝士
h0912019-06-2019:00深倉峡@5030-1751森永光直
h0922019-06-1704:00深倉峡A5030-1751佐藤久恵
h0932019-06-1819:00深倉峡A5030-1751宮本秀美
h0942019-06-1804:00深倉峡A5030-1751阿部哲也
h0952019-06-1904:00深倉峡A5030-1751野村芳宏
h0962019-06-1804:00深倉峡B5030-1751河野藤孝
h0972019-06-1904:00深倉峡B5030-1751岡田徹
h0982019-06-2004:00深倉峡B5030-1751土谷光憲
h0992019-06-1719:00深倉峡B5030-1751林孝
h1002019-06-1819:00深倉峡B5030-1751田代省二
h1012019-06-1919:00深倉峡B5030-1751冨永誠
h1102019-06-24?籠水峠下?野村芳宏

『目で見る』野鳥の声講座

渋田朗 2019-07-15

事務局より急遽依頼を受けまして、7月13日の鷹研プラスのテーマとして、首記講座を開催させていただきました。
無人録音調査の分析について、もっと多くの方に興味を持っていただこうというのが主な目的で、予告時はそのまんま『無人録音調査の分析方法』というマニアックなお題でした。果たして来てくださる方がどれほどいるのか不安でしたが、蓋を開けてみると、総勢19名と全くの杞憂に終わりました。
当日は、Raven Liteというソフトで『何ができるのか?』をお伝えしたいと考えました。そのために冒頭で、まるで理科の授業のような話から入ることになり、従来の鷹研や筑豊支部のイメージとはあまりにかけ離れていた事で、皆さんの間に戸惑いの空気も感じました。
ただ、『実際の鳥の声が画面上でどう見えるか?』をご紹介した後半は、英彦山でおなじみの鳥を集めた甲斐あって、興味をもっていただけたのではないかと思います。質問も多数いただき、充実した講座になったと思います。
この日の説明に使用したプレゼンテーションのファイル「『目で見る』野鳥の鳴き声講座_1」を公開します。当日には十分説明できなかった、Raven Liteの簡単な操作手順も記載しておりますので、初めて使う際には参照いただければと思います。
インストールなど少々ハードルが高いですが、一人でも多くの方に触れていただき、野鳥の声を分析する楽しさを味わっていただけたら幸いです。
最後になりましたが、準備期間が限られていたこともあり、不備も多々あったことをお詫び申し上げます。主催の梶原様や事務局の広塚様、スピーカを準備していただいた虎尾様はじめ、講座にご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。

(参考:第16回鷹研プラス:『目で見る』野鳥の声講座 2019-07-13開催)

ソフトウェア(ダウンロード)説明(全て無料)
『目で見る』野鳥の鳴き声講座_1「『目で見る』野鳥の声講座」プレゼンテーション(ppt)ファイルを「くまたか」からダウンロード。パワーポイントまたは本欄で説明の互換ソフトImpressで視聴する。
OpenOffice.org 3.3.0 日本語版「『目で見る』野鳥の鳴き声講座_1」を視聴するときに必要なソフトを含むオフィススイート。無料。すでにマイクロソフト社などのオフィススイート中Microsoft PowerPointがインストール済みなら不要。ワードやエクセル互換の6種類のアプリケーションが同時にインストールされるが、視聴に必要なアプリはパワーポイント互換のOpenOffice Impress。
RAVEN LITE 2.0野鳥の音声をグラフ化するソフト。無料。「『目で見る』野鳥の鳴き声講座_1」を視聴するだけならインストールは不要。ダウンロード画面は英語で、個人情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス)を要登録。野外録音を解析するときは極めて便利。講座でも使用の筆者推奨ソフト。

(2019-07-15掲載)

今季のオオコノハズク

渋田朗 2019-06-11,12,13

今季調査の前半戦では、私の担当分ではオオコノハズクのヒット率が良くなく、やきもきさせられたのですが、後半に入っていい成果が上がっています。
交尾時の声も録音されていますが、この時期に交尾というのは、初回繁殖に失敗して二回目の挑戦なのでしょうか。かなり遅い時期まで調査継続する必要がありそうです。

  1. オオコノハズク猫鳴き&木魚鳴き

    [id:h72] 2019-06-11 04:00 籠水峠

    『みゃー』という『猫鳴き』で頻繁に鳴いてくれるのでわかりやすいです。バックで雄の囀りにあたる『木魚鳴き』も、まずまずの音量で録音されています。
  2. オオコノハズク猫鳴き&木魚鳴き&交尾声

    [id:h72] 2019-06-11 04:20 籠水峠

    上記1の約20分後の録音。相変わらず『猫鳴き』が続き、『木魚鳴き』がかなり近距離で入ったあとに『キュリリリ』という交尾声が入っています。後半にはアオバズクの声も入っています。
  3. オオコノハズク猫鳴き&交尾声

    [id:h78] 2019-06-12 19:41 籠水峠

    翌12日夕方の録音で、『木魚鳴き』は聴こえませんが、『猫鳴き』と『キュリリリ』の交尾声。
  4. オオコノハズク猫鳴き&木魚鳴き

    [id:h78] 2019-06-12 19:48 籠水峠

    上記3.の7分後の録音で、こちらでは『木魚鳴き』も明瞭に録音されています。
  5. オオコノハズク猫鳴き&木魚鳴き

    [id:h74] 2019-06-13 04:30 籠水峠

    これも『猫鳴き』と、『木魚鳴き』も小さく聴こえているのが、ファイルの中盤で数秒間だけ異様に大きな音で入っています。もともと小さな声なのですが、近くを通過したのか、あるいは向いている方向だけでこれほどの音量差になるのか。

(2019-06-30掲載)

「コノハズクの交尾声?」補足

渋田朗 2019-06-27

鈴木様のご紹介で、この録音「コノハズクの交尾声?」を、コノハズクに詳しい東京の山口孝氏にも聞いていただいたところ、以下のような趣旨のコメントをいただきました。

  • 今回の録音は、典型的なペアの鳴き交わし〜交尾の声
  • 雌も雄と同様に『ブッ ポウ ソウ』と鳴く
  • この録音のように、声の高さが違うペアの鳴き交わしがしばしば聞かれる。
  • コノハズクの交尾を観察できたときには、声の高いほうが雌だった。ただし必ず雌の方が高い声を出すかは不明(証明はかなり困難)。

先の投稿で「2羽のオス個体がメスを争って鳴き交わし、その決着がついたシーンなのでしょうか?」などと書きましたが、そうではなくペアの鳴き交わしだったようです。
鈴木様、山口様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。

なお、2018年の調査で録音していた鳴き交わしも、やはり声の高さが異なります(『無人録音調査のトピックス音声・その3』)

また余談ですが、欧州で有名なCollins Bird Guide(1999 Lars Svensson and Peter J. Grant)によれば、『ヨーロッパコノハズク Otus scops は、雌の方が雄よりやや高いピッチで鳴く』とされています。日本のコノハズクも、日本鳥類目録第6版まではヨーロッパコノハズクの亜種扱いだった(第7版では独立種 Otus sunia となった)事を考えると、興味深い記述です。

(2019-06-28掲載)

超至近距離のオオアカゲラ?

渋田朗 2019-06-26

5月30日の朝6時前、経読林道での録音ですが、なかなか迫力ある音が録れていました。

  1. 大型キツツキの『叩き交わし』[id:h45] 2019-05-30 05:31 経読林道
    2羽の大型キツツキが、まずまずの距離でドラミングの『叩き交わし』です。有働孝士氏の考察(注)によれば、オオアカゲラのドラミングでしょうか?

    オオアカゲラ?叩き交わし(2019-05-30 05:31)
  2. 超至近距離の大型キツツキ[id:h45] 2019-05-30 05:46 経読林道
    上記から15分後くらいですが、今度は超至近距離で迫力のある録音です。地鳴きや羽音のほか、リズミカルなドラミングでなく、採餌とか巣穴彫りのような感じでゴンゴンと木を叩く音。レコーダをしかけた、まさにその木を叩いているような迫力です。途中に交じるドラミングからは、こちちもオオアカゲラ?

    オオアカゲラ?至近距離(2019-05-30 05:46)
    詳細はわかりませんが、地鳴きの声もいつもと違う感じで、ちょっと営巣を連想させる録音でした。

(注)参考:「野鳥だより・筑豊」2018年8月号『ドラミングからキツツキ類を識別可能か』有働孝士(記事アクセスにはアカウント取得が必要)

(2019-06-27掲載)

あまりにも見事な...二題

渋田朗 2019-06-01

  1. アオバトのコーラス [id:h36] 2019-06-01 05:22 経読林道 (mp3)
    2羽のアオバトのコーラスですが、見事にシンクロしています。どんな情景なのか見てみたいものです。ファイル終盤に入っているのは、もしかしてアオバトの地鳴きでしょうか?

    アオバト_見事なコーラス (2019-06-01 05:22)

  2. クロツグミ(ヤイロチョウのマネ) [id:h36] 2019-06-01 04:46 経読林道 (mp3)
    昨年も『クロツグミ・ヤイロチョウの鳴き真似』と報告しましたが、このときに「惜しい!」などと評されたためか、今年はグレードアップしたようです(笑)。クロツグミの囀りの流れの中で交じる声ですが、ここだけ切り出すとそっくり。声紋もよく似ていてお見事です。たまに失敗してクロツグミっぽい声になってしまうのが可愛いですね。
    英彦山で、たくさんの声の中に混じってヤイロチョウの声が聞こえてきたときには、一応注意しましょう。

    クロツグミ_ヤイロチョウのマネ (2019-06-01 04:46)

    クロツグミ_ヤイロチョウのマネ切り出し
    (2019-06-01 04:46)

    ヤイロチョウ切り出し(比較用) (2019-05-24 05:59)

(2019-06-20掲載)

コノハズクの交尾声?

渋田朗 2019-06-17

コノハズク鳴き交わし
「キュリリー」
(2019-06-06 20:09)

(左図クリックで拡大・縮小)


今年も英彦山無人録音調査が始まり、その分析に追われてファイルの整理が間に合っていないのですが、印象に残ったものから順次報告します。
まずは、今年も順調に鳴き声が確認できているコノハズクについて、6月6日夕方の薬師林道で面白い声が録音されていました。
録音ファイル(MP3)は2羽のコノハズクが、おなじみ『仏法僧』の声で鳴き交わしている音声です(うち1羽の声は通常よりやや高い声で、どこかコミカルに聞こえます。また途中でアカショウビンも参戦してますね)。1分あまりの録音の終盤に『キュリリー』という声が入り、そこでコノハズクの鳴き交わしがピタリと止まっています。
この『キュリリー』は、昨年のオオコノハズクでも報告(「オオコノハズクの交尾時の声?」)したように、フクロウの仲間が交尾の際に出す声とされています。オオコノハズクの場合は2.5kHzあたりでしたが、今回の声の声紋を取ってみると、もっと高い6kHzあたりが中心の声です。
ただ6月6日では、交尾時期には遅すぎでは?とも考え、この分野に詳しい東京の鈴木浩克氏に照会したところ、おそらくコノハズクの交尾声ではないかとのコメントをいただきました。時期については、最初の繁殖が失敗して再繁殖を試みるケースで、このような時期にも交尾が行われる事があるとのこと(オオコノハズク繁殖の詳細調査で6/12まで交尾声を確認されています)。
今回の場合、2羽のオス個体がメスを争って鳴き交わし、その決着がついたシーンなのでしょうか? ところで、ふと疑問...コノハズクのメスって、どんな声をだすのでしょうね??
録音調査はいろんなことが判明しますが、課題も次々と生み出しますね。

※声紋の画像はRaven Pro(Mac OS X、TheCornellLab of Ornithology)により作成

(2019-06-17掲載)

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