本会(日本野鳥の会筑豊支部)では、フィールドにICレコーダーを設置し、無人で自動録音する調査方法「無人録音調査」により、夜間や早朝、昼間等、音による定点観察調査を実施しています。場所や時間等の設定が自由となるため、これまで困難とされていた各所フィールドの詳細な観察が、音声の証拠とともに可能となりました。2017年5月に開始され、驚異的な成果をあげています。
※本文中 @503x-xxxxのように記されたコードは地域メッシュにより取得した3次メッシュ・コード/世界測地系(地域を一意的に同定するため、日本全国を約1km四方の碁盤目に区分し、8ケタでコード化されたJIS規格。コード先頭の識別子@は世界測地系3次メッシュ・コードを意味する当サイトのローカル・ルール)。
※声(地鳴き、さえずり)の記述は、「フィールドガイド 日本の野鳥」によります。参考:くまたか/さえずる野鳥リスト
調査研究部・真鍋直嗣
2025-05
プロジェクトM2025\英彦山山系録音調査報告\英彦山神宮地区報告
【余談】今年はスリッパを多用した。履くのではなく、立てて使用する。足先入れる部分にICレコーダーのマイクを入れて置き、雨除けにして枝や幹に固定する。スリッパは100円ショップで購入し利用した。ただ、万全ではない。強い風を伴う雨、長い時間降る雨には歯が立たない。この場所では、お社の屋根をお借りすればよかったと重々反省する。ここでの雨の日は5/17に48ミリ降ってICレコーダーの調子が狂い始め、5/21に45ミリ、5/,22に12.5ミリ、5/24は何と63ミリも、5/25も15mmと雨の日が続いた。スリッパの「先っちょ雨除け」も頑張ったのだが、5/24以降5/31までの録音は不調で記録はゼロであった。
【くやみごとU】深倉地区報告でも悔やんだが、この英彦山神宮地区でも、㋑と㋩で設定確認ミスがあった。特に㋩銅の鳥居では、5月13日から26日の録音が出来ていなかった。そして設定元がFMとなっていたのは今年購入のICレコーダーだった。
その時、現地での確認をしなくても、SDカードを回収した日に録音一部でも音源のチェックをしていたら、その次回交換日、又は次の日に現地に出向いて修正すれば録音は出来たはずだ。自業自得と自分を責めてみても後の祭りだが、貴重なデーターが録れたかもしれない。何とも悔しい。
録音:
01 | イノシシ?の鼻息など | 2025-05-14 | ㋑ | 上仏来山分岐1 | |
02 | ヨタカ | 2025-05-19 | ㋑ | 上仏来山分岐 | |
03 | アオバズク | 2025-05-05 | ㋺ | 旧亀石坊 | |
04 | フクロウ | 2025-05-08 | ㋩ | 銅の鳥居 | |
05 | アカショウビン | 2025-05-28 | ㋩ | 銅の鳥居 | |
06 | ミゾゴイと犬 | 2025-05-31 | ㋩ | 銅の鳥居 | |
07 | トラツグミ | 2025-05-20 | ㋥ | 菩提樹付近 |
調査研究部・真鍋直嗣
2025-04,05
プロジェクトM2025\英彦山山系録音調査\青年の家地区報告(録音あり)
設置場所Ⓐ:英彦山青年の家・南演習林上部 @5030-1783
調査時間:18時50分〜20時00分(70分)
調査期間と確認種:
【備考】去年(2024年)初めて調査を行った場所で、1日(6/7)だけであったがコノハズクが鳴いた場所でもある。去年の録音開始が6月5日だったので、そのコノハズを期待して今年は4月25日から調査を始めた。そしてプロジェクトMの調査対象種は5種を記録した。結果として今年、コノハズクは記録なしとなった。
〇ヨタカは(5/26)のみ。
〇ミゾゴイは4月(4/26、27、30)と鳴いていたが、5月に入ると途切れ、6月の最終日(6/6)に鳴いた。この1カ月の空白は何だろう。
〇アオバズクは5/14と5/27。
〇オオコノハズは5/2に1日だけであったが、猫鳴きを約9分間続けた(ほかの調査区でも今年は猫鳴きが多く聞かれている)。
〇トラツグミは4/26、5月は5/27、29、6月は6/1、3、4、5、6と連日鳴いていた。
◇ヤイロチョウ(国、県の絶滅危惧TB類)が1日(5/23)だけ鳴いた。通過しただけかも知れないが貴重な記録がとれた。
録音:
01 | オオアカゲラ、ドラミングの余韻 | 2025-04-26 | 青年の家 |
02 | ミゾゴイ | 2025-04-26 | 青年の家 |
03 | オオコノハズク猫鳴き | 2025-05-02 | 青年の家 |
04 | ツツドリの面白い鳴き方 | 2025-05-13 | 青年の家 |
05 | アオバズク | 2025-05-14 | 青年の家 |
06 | 不明、カエルかな | 2025-05-14 | 青年の家 |
07 | ヤイロチョウ | 2025-05-23 | 青年の家 |
08 | ヨタカ遠い | 2025-05-26 | 青年の家 |
09 | トラツグミ | 2025-05-27 | 青年の家 |
10 | トラツグミの低音、高音 | 2025-06-06 | 青年の家 |
設置場所Ⓑ:英彦山野営場・最上部 @5030-1783
調査期間と確認種:
【備考】この場所Ⓑは初めての調査地、英彦山野営場の最上部近くにICレコーダーを設置した。Ⓐの場所からは西方に約800mの位置。調査対象種の中ではミゾゴイ、アオバズクの2種とオオコノハズク?の鳴き声が入っていた。
〇ミゾゴイは、青年の家Ⓐで鳴いた日と野営場Ⓑで鳴いた日が重なっていたので(4/26、30)、鳴いていた時間帯で比較をしてみた。時間帯が重なったのは4月30日、Ⓑでは19時35分22秒から鳴き始め、途中で途切れることはあっても19時56分11秒迄鳴いていた。一方、Ⓐでは19時45分22秒から鳴いた。Ⓐの鳴き始めは完全にⒷで鳴いている時間帯に重なった。ⒶとⒷのミゾゴイは別個体といえる。今回、この2箇所間の距離が約800mというのが大事で、ミゾゴイのテリトリーの広さを推察するデータの一つになるのではないかと思っている。
〇アオバズクは4/25の初日のみ1回、かなり遠くで鳴いていて3回目の聞き直しで気が付きリストに入れた。
◇4/28のオオコノハズクの木魚鳴き?(録音012)は最初スペクトグラムの画面パターンを見てオオコノハズクと思った。が、鳴き声が違っていた。何かに紐をつけ、振り回して風を切るような音の様であったが、多様な鳴き声を持つオオコノハズクの鳴き声の一つかとも思った(根拠なし!)。何度も繰り返し聞いていると、その声(音)のバックにあの超低音のボ、ボ、ボという鳴き声が微かにあるようにも…。結局、オオコノハズク?とした。
録音:
11 | アオバズク遠い | 2025-04-25 | 野営場 |
12 | オオコノハズクの木魚鳴きでは | 2025-04-28 | 野営場 |
13 | ミゾゴイ | 2025-04-30 | 野営場 |
14 | ミゾゴイ | 2025-05-05 | 野営場 |
調査研究部・真鍋直嗣 2025-04,05
01 | オオコノハズク、犬と猫鳴き重なる | 2025-04-23 | 深倉1.mp3 |
02 | ミゾゴイ | 2025-05-06 | 深倉2.mp3 |
03 | ミゾゴイ2羽鳴き合い、アオバズク、ヨタカ | 2025-05-07 | 深倉2.mp3 |
04 | トラツグミ、オオコノハズク微妙、羽打ちも入る | 2025-05-08 | 深倉2.mp3 |
05 | オオコノハズク木魚鳴き、アオゲラも | 2025-05-20 | 深倉4.mp3 |
06 | ジュウイチ | 2025-05-15 | 深倉3.mp3 |
【備考】全確認種数は14種となり、プロジェクトMの調査対象種は4種であった。ここ深倉の谷の夜は素晴らしい。その4種全てが稀少種である(国、県の絶滅危惧種TA類、TB類、U類の何れか)。ヨタカは県TB類、ミゾゴイは国、県共にU類、アオバズクは県U類、オオコノハズクは県TB類に指定されている。福岡県のRDBは去年(2024年)改訂され、オオコノハズクは今回「絶滅危惧種TB類」となった。前回のRDB(2011年)では「情報不足」とされていた。今回オオコノハズクが選定された理由の解説文に「英彦山山地ではICレコーダーを用いた調査により、生息状況の解明が進んでいる」と記されており、筑豊支部が行ってきた夜間調査が評価されたのだなと嬉しくなった。この夜間調査に参加してきた方々(個人的調査を行っている私を含み)にとって大きなご褒美であり、またこれからの「良き糧」となった。
記録の記載では、対象種には録音された全ての日付を記した。他の地区との対比が出来るようにして、渡来時期の比較や同一個体でない根拠としたい。
[悔みごと] 今年はこの時期しては雨の日が多く、多量の雨、強風も吹き等々でICレコーダーに不具合が出た。電池とSDカードはその都度交換するが、本体はそのまま置きっぱなしとなり、ダメージが蓄積した。この深倉地区でも5月21日、22日、24日、25日が雨となっていた。そして、5月25日以降の録音は無かった(作動していなかった)。来年度は録音期間に雨が重なった場合はICレコーダー自体も交換し、そのICレコーダーは最低1週間以上乾燥容器に入れ機能の回復を確認して使用することとしたい。ネットで購入した中古品ばかりだが、ICレコーダーは現在15個あるので、6地区での交換録音は可能である。
(2025-06-24掲載)
真鍋直嗣 2025-04,05
録音場所:豊前市沓川・沓川神社 @5031-3141
録音1 | サンコウチョウ? | 2025-05-12 | |
録音2 | トラツグミ | 2025-05-13 | |
録音3 | アオサギ | 2025-05-17 | |
録音4 | キアシシギ | 2025-05-20 | |
録音5 | トビ | 2025-05-23 |
(2025-06-12掲載)
真鍋直嗣(調査研究部) 2025-04/05
備考: 調査目的の「主に夜に活動する野鳥」が3種も記録された(プロジェクトMの調査対象種はフクロウの仲間と、ヨタカ、ミゾゴイ、トラツグミ等としている)。過去にミゾゴイの記録はあって、私も山伏谷他で目撃している。加えて、オオコノハズクとフクロウの2種である。日付を記すとミゾゴイ(4/19)、オオコノハズク(5/8)と1日限定であったが、フクロウは(4/16〜18、4/20〜22)と鶯谷ではほぼ毎日鳴き、雨の日(4/20,22)でも鳴いていた。オオコノハズクは色々な鳴き方があるが、この日は「木魚鳴き」であった。福岡県のRDBも昨年(2024年)に改訂され、ミゾゴイ(国U類、県U類)、オオコノハズク(県TB類)となっている。更にRDBで加えるなら、山伏谷では(5/7)にサシバ(RDB:国U類、県U類)の声が19時過ぎに録音されていた。
(2025-06-09掲載)
調査研究部・真鍋直嗣(鍋爺)
2025-04,05
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(05)2025-05-07 @5030-4673 フクロウ福智中社
(06)2025-05-13 @5030-4662 アオバズク皿山の森
(07)2025-05-20 @5030-4662 サンコウチョウ皿山の森
調査地 B @5030-4662、@5030-4673
調査地Bは焼き物の里で有名な福智町上野にある。勿論、県指定上野鳥獣保護区内にICレコーダを設置した。4月20日に上野へ行った。そこで事件が発生(この時は自覚なし)していた。昨年もあったが、設定ミスを今年もやらかしてしまった。ここで使用したICレコーダは、今年ネットで購入したもの。中古品(パナソニック製は製造を中止しているので中古品しかない)だが、私は信頼を置く、そのスイッチを入れて、メニューを開き、タイマー録音を選択、設定:ON、繰り返し:毎日を選択、開始時間18:50、終了時間20:10と数字を入れ、最後に動作:録音とし、そして完了ボタンを押した。去年も使ったICレコーダだったらこれで良かった。
が、このICレコーダは他人が使用していたもの、録音元の設定が違っていた。録音元がMICではなく「FM」となっていたのだ。まぁ世間一般的には、タイマー設定で録音するのは大体がラジオ(FM)である。MICとするのは探偵、スパイしかいない、それともう一つ野鳥録音調査者くらいであろう。そう、設定録音先がFMとなっていたので、「ザァーザァー」という音しか入っていなかったのだ(それも、FMを受信するにはアンテナの役割をするイヤホンの接続が必要で、そうFM電波さえ受信していなかったのだ)。1回目のSDカードを交換し、回収したSDカードを帰宅後直ぐに開いてみれば、2回目(4/26〜5/1)の失敗はなかった。この時期は12個のICレコーダを設置する為、各録音地へ出掛けるのに忙しかった(家業もちゃんとやって)。12日×80分の記録が「ザァーザァー」とは悲しかった。
それでも、1回目@5030-4673(5/2〜8)、2回目@5030-4662(5/9〜14)の録音では、アオバズク(5/7、5/10、5/12)、フクロウ(5/7、5/14)が鳴いていたし、3回目@5030-4662はヤイロチョウ(去年の記録では6月1日)を目当てに早朝録音(4:50〜6:20)に切りかえてみたら、早速サンコウチョウ(5/16〜)が記録されていた。録音調査は梅雨入るまで続けていくので、果たして今年もヤイロチョウは渡りの途中、上野焼きの里で一服を楽しんで(鳴いて)くれるだろうか…。
(2025-06-06掲載)
調査研究部・真鍋直嗣(鍋爺)
2025-04,05
(04)2025.4.19 アオゲラ3種、八木山鶯谷
(05)2025.5.7.サシバ、八木山山伏谷
調査地 A @5030-3457
調査地Aは県指定の八木山鳥獣保護区(飯塚市)である。以前、八木山付近の地図を見ていて鶯谷、山伏谷という名に興味をそそられ、何度かこの二つの谷を訪れたことがある。そして、八木山といえば貝原益軒を外すことは出来ない。「養生訓」や「大和本草」の著作で名を残した福岡藩の儒学者であるが、8歳から11歳までこの地で育ったそうだ。「大和本草」の源は少年時代を過ごしたこの八木山の自然にあるかもしれない。本村の里は勿論、この鶯谷、山伏谷ともに益軒少年が日々遊び、大自然に興味を持つきっかけになったのでは、と思いは馳せる。野草の観察も活動の柱としている当支部が、毎年地元の八木山小学校に野鳥観察の指導に行くのも何かのご縁であろう。
さて、山伏谷は旧国道201号線から軽自動車がすれすれ通る脇道に入り込み、山道を進む。二輪駆動の軽自動車で限界すれすれの斜度を進んでいく。5年前までは、この先の池河内という所まで行くことが出来た。が、今回は道が荒れに荒れていて先へ進めず途中で諦め、引き返した。その5年前、池河内ではサシバの雄(多分)が杉の木に天辺で待ち受ける雌(多分)に運んでいた。また、私が人生初めてミゾゴイを見たのもこの山伏谷であったが、今回もミゾゴイは鳴いていた。一方、鶯谷の奥は現在行き止まりとなっているが、以前は山伏谷と同じく渓流公園へと抜ける道もあったそうだ。土砂崩れ等で通行不可能との看板があり、何年たっても復旧はされていない。
今回、ICレコーダの設置はこの二つの谷で行った。ICレコーダ設置の為、県委託調査の渡り期(春)調査を終えて駆けつけた鶯谷の上空で、サシバが舞い、鳴いていたが(2025.4.16)、まさか山伏谷でも録音にその声が入っているとは…。
(2025-06-03掲載)
調査研究部・真鍋直嗣(鍋爺)
2025-05-18,27
調査地D @5030-1772
調査地Dは九大農学部付属彦山生物学実験施設(研究所?)の横を通り過ぎ、上仏来山へ至るコース周辺に設けている。上仏来山への道は急な斜面もあり、中々の難所であるが、この道は上仏来山へ向かわず真っすぐ抜けると玉屋神社(般若窟)へも続く道、古くは重要な道の一つであったと思われる。
一方、上仏来山は戦国時代に豊後の大友宗麟が英彦山に攻め込んできた時、迎え撃つ神社勢が本陣を置いた場所、そして大友勢は汐井川を挟んだ黒岩山に本陣を張った(1581年)。この戦は残念ながら、神社は大友勢に屈し、山中の多くの住居や建物、宗教施設が焼き討ちされ、破壊された。其の大友勢との合戦から444年後、今年も私はその戦場跡で野鳥の録音調査を行っている。戦(いくさ)のない英彦山、現代の現場があればこそである。この状況を諸々の英彦山の神に感謝申し上げる。
去年のこの場所での録音調査は機具設定不備、レコーダの不調などが重なってデータは4/27〜29の三日間分しか録れなかった。一昨年(2023年)に鳴いていたミゾゴイ、コノハズク、アオバズクの記録はなしだった。さて、今年はどうだろうと期待を込めた調査地でもある。
(2025-05-28掲載)
調査研究部 真鍋直嗣(鍋爺)
2025-05-13,18
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【調査地/I @5030-1774】
調査地/Iは北岳登山道に沿いに設置ポイントを設けた区域(全て@5030-1774)。数ヶ所設置場所は替えていく。
望雲台はその一つ、そこに立つと足元の絶壁は落差100m位か、眺望は良いが足がすくむ。また、ここに至るには鎖を頼りにVの字の溝に這いつくばって、垂直に近い岩壁を登らなければならない。去年ここでコノハズクが鳴いたので、頑張って今年も登ってきた。岩壁より伸びている木の幹に、ICレコーダーにスリッパを履かせてゴムバンドを巻き付ける。スリッパは垂直にして、雨合羽の帽子の代わりに使用している(生活?の知恵)。ここは登るのも難儀だが、下るのは更にしんどく、また怖ろしく、時間をかけて慎重に下る。
シオジの森、望雲台には3度設置したので、4度目はシオジの森に設置しようとやってきた。大きな倒木が私を迎えてくれた(写真04)。この森でコノハズクを待つ。
さて、望雲台での録音を聞いた(4/25〜5/17)がコノハズクはまだやってきていないようだ。ただ、アオバズク、オオコノハズクの声は録れていた。また、今年はハヤブサも戻ってきていてツツドリとアオバズクとの三重奏は素晴らしい録音だと自画(音)自賛した。
(005.2025.5.13.ツツドリ、ハヤブサ、アオバズク三重奏、望雲台3)
オオコノハズク、今年は猫鳴きばかりが聞こえていて、犬鳴きや木魚鳴きはまだ録れていない。4回目(5/18〜)からはシオジの森ではどうであろうか、楽しみである。
(2025-05-22掲載)
調査研究部・真鍋直嗣(鍋爺)
2025-04-29
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【調査地/E @5030-1762】
調査地/E(@5030-1762)は玉屋神社及びその周辺地。ここは録音調査を行うのは初めての場所である。
玉屋神社は「般若窟」という洞にお社を設けてある。ここは彦山の開祖が修行した洞と云われがあり、英彦山にとって重要なお社の一つと聞いている。
「そうだときっと、何かあるに違いない。何故?今まで録音調査地にしなかったのだろうか」などと考えながら、旧しゃくなげ荘先の駐車場を出発。20分位で、林道横の苔むした鳥居の前に到着。扁額の文字は欠けた部分もあって詠みづらかったが、「大山祇神社」とある。ここが玉屋神社入り口で、その鳥居の正面を流れるのは汐井川(彦山川支流)。ここは私がまだ中学生だった頃は橋が架かっていて(今も橋桁の跡はある)、障子ヶ岳と黒岩山の谷間に木材を搬出するための木道跡(馬そり用の)が残っていた。その木道跡を辿って岳滅鬼峠へ登ったものだ。現在は、その木道の形跡は微塵もないが、今でもここを通り岳滅鬼峠を目指す登山者は多い。直ぐ目の前にある鋭く高い断崖は息をのみ込むほどの迫力がある。
1回目の録音(4月21日開始)はこの近辺で行うことにした。そして、4月29日に1回目のSDカードを回収、電池と合わせ交換を行った。既に、プロジェクトM2025の速報(4月30日)に於いて報告はしているが、何と、コノハズクが4月25日に録音されていた。4月21日の録音開始から5日目の事だった。前日まではその声は入っていないので、この日に到来したのだろうか、27日、28日もその声は録音されていたが、その声は遠のいているのか、日々小さくなっていた。
2回目の録音設置場所は鳥居をくぐり、沢沿いに20分、玉屋神社(般若窟)へと登り、20m位先にICレコーダを設置し(4月29日)、3回目の設置場所は彦山権現社近くの林に設置した(5月8日)。その都度SDカードは回収、交換を行った。後日、その2回目の録音を聞いてみると、何と! ミゾゴイ、ヨタカ、オオコノハズク、コノハズクとプロジェクトMの調査対象種の大半が鳴いていたのである。そう、誠に玉屋神社は霊験あらたかそのものだった。
そして、この玉屋神社からの景色は絶景であった。萌え出た新緑に包まれ、その若葉を揺らす風に包まれ、神社の神聖さと相まって、心も体も多いに癒された。
調査は4回目以降、梅雨入りまでは続けるつもりである。
(2025-05-17掲載)
真鍋直嗣 2025-04-25
プロジェクトM2025で今年初めてのコノハズクの記録です。
(音源が遠く、低音の背景ノイズが大きい)
録音場所:調査地区F メッシュコード:@5030-1762
録音日時:2025-04-25(2025-04-27も録音有り)
調査地Fの場所:添田町大字英彦山
調査研究部\真鍋直嗣
2025-04-25撮影
【画像の見方】小画像をクリックで拡大・縮小、拡大画像は複数同時重ね表示・ドラッグで移動可能、スペースまたは矢印キーで連続閲覧
調査地J (@5030-1783)
調査地Jは鷹ノ巣山一ノ岳北東斜面。この斜面は広葉樹林、針葉樹林或いは混合っていたりしている場所である。装置設置には国道500号から斜面を登って行くのだが、この国道500号に沿った場所は5月に入ると、この数年写真を撮る人が多く集結する場所となっている。繁殖期の写真撮影はそこに生息する野鳥達には十分に注意を払う必要がある。私も同様だ、無人録音調査といっても録音装置(ICレコーダ)の電池やSDカードを交換は欠かせない。カメラのレンズとは逆方向だが、同じ樹林帯を登る。その際、滞在時間は最少にと心がけている。最初の装置の設置は繁殖期前だが、電池とカードの交換時に巣が近くにあった場合は装置を撤収し、場所を替える。
調査地H (@5030-1785)
調査地Hは去年初めて訪れた場所。英彦山青年の家近くの尾根斜面で、杉林(旧田川農林高校演習林?)を抜けると斜面が始まり広葉樹が現れる。地面の岩石には苔類がびっしりついており、この写真を撮った時は4月下旬では葉も芽吹き初めた頃、まだ太陽光も地面まで届いているが、5月中旬頃になると新緑が樹林を覆い太陽光もあまり地表に届かなくなる。すると苔の勢いが増し、一帯は苔庭園の如くなる。
炭焼き窯の跡もあり、この広葉樹林から木を伐り出しこの窯で炭を焼いていたのはいつ頃であろう、昭和20年代位であろうか。演習林の杉が育ち広葉樹林を隠し、参道からも離れているのでこの風景を知っている人はまずいないと思う。去年、この付近でコノハズクが鳴いていた。
(2025-04-27掲載)
調査研究部\真鍋直嗣
さあ4月末、5月と、また今年も無人録音調査を実施する時期がやってきました。その名はプロジェクトM2025の立ち上げです。
ICレコーダーもメルカリやAmazon、ヤフオクなどで中古品を集め、現在合計10個となりました。まあ、購入しても、タイマー録音が付いていない等の失敗も幾つかありましたが、パナソニック製が8台、ヤマハ製が2台と揃えました。
ヤマハ製の2台は使用乾電池が単三で乾電池の消耗も少なかったので(事前に実験)長期間の調査に、設置場所は自宅から距離が一番遠く、登山道も急斜面のある求菩提山保護区の犬ヶ岳山麓(何回も登れないので)を考えています。4月下旬に設置し30日間置きっぱなしにする調査となります。
一方、単四のパナソニック製は8台あるので、上野保護区、田川保護区、八木山保護区、八屋保護区に1台ずつ、残り4台は鷹ノ巣山と英彦山山麓各所の調査に使用します。県委託調査を今年行う八木山と八屋の両保護区は渡り期(春)調査の時に設置し、繁殖期1回目の時に回収する予定、これも置きっぱなし、途中電池が消耗してしまえばその日までとなります。その分、田川市郡での調査は1週間程度のサイクルで回収、場所移転など行っていきます。
乞うご期待!!!
(2025-04-13掲載)
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