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くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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広塚忠夫 2006

2006年目次

ズグロカモメの故郷を訪れて | 奄美大島『オオトラツグミ調査』に参加して

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英彦山を中心に犬ヶ岳から岳滅鬼山・釈迦ケ岳の英彦山山系ルートの野鳥生息調査を主目的に継続し、併せて植物や生き物観察を愉しみながら、英彦山山系の四季の観察データと画像を記録します。

[英彦山の四季へ]

サイト注:2006年の古い記録を掲載しました。お手持ちの古い記録が忘れられてしまうま前に、「くまたか」に掲載することで危険を回避できます。本会会員の方はいつでもお寄せください。ただし、あくまで観察記録ですので、@観察年月日、A場所(市区町村名、可能なら3次メッシュコードも)、B和名、C観察者(個人名)の4条件は必須です。

ヒガラ

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ズグロカモメの故郷を訪れて

広塚忠夫 2006-06-10/15

  • 年月日:2006年6月10日から15日の6日間
  • 参加者(7名):岡田徹、岡田貞美、森本嘉人、麻島武、麻島京子、川崎実、広塚忠夫
  • 確認種:72種

「中国還寧省盤錦市:盤錦湿地のズグロカモメの繁殖地」を昨年に続き観察しました。約80,OOOha「還寧双台河口国家級自然保護区」の壮大な河口干潟に盤錦市内からマイクロバスでカーレースのごとく爆走して1時間30分位で干潟の入□に現着となります。地平線の彼方までヨシ原が延々と続く風景に、昨年と同じように元気の良いオオヨシキリがヨシや電線にとまっているものや飛んでいる姿が次々見られてヨシ原の主人公の貫禄で鳴き叫んでいました。岡田さんが番のテリトリー距離からの単純計算では20万から30万羽が予測されると言っておられた。そのオオヨシキリに托卵を狙うカッコウが、オオヨシキリに追われているものをはじめ、これでもかこれでもかと観察されました。
アジサシ類は8種が確認され、普通に見られたのはクロハラアジサシで、それに極少数のハジロクロハラアジサシが混じっていました。今年は気候の関係からか繁殖期が遅く運よくクロハラアジサシの7個の営巣を撮影できました。広大なアシ原の池の上を低空で大型のアジサシが現れ、これがハシボソガラスより大きいあの瞳が赤い「オニアジサシ」であり、近距離でのシャッターチャンスを活かせて大満足でした。その他はハシブトアジサシ、アジサシ、アカアシアジサシ、コアジサシを確認しました。
訪問の目的であるズグロカモメ繁殖地は、約5000羽がカウントされていて、観察していると糞を飛ばしたり警戒の鳴き声を一斉に発し防衛体制をとっていました。広大なアシ原と湿地の中に防風林が小さな点と存在している場所があり希望して訪れると、まず、コウライキジが樹間から現れ、下車して歩きだすとコウライウグイスが飛び交い約7個体が確認され、続いてアカアシチョウゲンボウ、ブッポウソウ、アカゲラ、オウチュウ、ヒガラ、キジバトとの出会いがあり、点として狭い林を利用して繁殖している様で観察効率が高い場所でラッキーでした。
また、アシ原を移動して展望台からの観察で川崎さんがタンチョウを見つけてくれて、アシ原での初記録となりました。更に、アシ原の観察ドライブを続けて直ぐに番のタンチョウがやや近い距離で現れ続記録となりました。チュウヒはハイイロチュウヒ、マダラチュウヒ、チュウヒの三種とも記録していましたが、今回はマダラチュウヒの雄が近くのアシ原をゆっくりと飛翔サービスで上面の黒いいかり模様もしっかり写せました。
14日は朝から瀋陽市に移動して「06年世界園芸博覧会」を鑑賞することとなり入園するとシジュウカラが現れ、世界の花博はそっちのけで森の中に足を進めるとオナガ、カラアカハラ、ミヤマカケス、コウライウグイス、ヤツガシラ、シマアカモズが現れ、特に、カラアカハラとコウライウグイスのさえずりが印象に残りました。せっかくだからと、烏から花に移行することとなり、観賞車利用組と徒歩組に別れて、私と川崎さんが歩きながら花や世界の庭園を回り、中央入口でダルマエナガのファミリーを直近で充分観察しました。野烏は歩きながらの観察者に幸を運んでくれることを教えてくれた1日でした。今年も中国のスタッフの皆さんから保護区の案内と連日の昼夜の親睦乾杯を受けての熱烈歓迎の6日間でした。王所長の歓迎挨拶によると、「遠寧双台河口国家級自然保護区」は04年にラムサール湿地として登録がされ、更に、06年6月18日に「ズグロカモメの郷」として保護活動が中国の中央政府から表彰を受けることとなったと嬉しい報告ありました。
ズグロカモメの世界最大繁殖地である当保護区も大規模干拓、油田開発推進、そしてエビ養殖場の拡大で繁殖に必要な塩性湿地の減少が心配されている時期の表彰であり、将来に向けたズグロカモメの保護活動に中国政府による国家的な人及び財政面の支援拡大を期待したいところです。世界的に烏の減少が報告されている時の朗報であり、今後も日中の民間及び国家間レベルでの保護活動の具体的な前進を可能とする情報に乾杯しましょう。

(2022-03-14掲載)

奄美大島『オオトラツグミ調査』に参加して

広塚忠夫
2006-03-18/21

2021年7月26日「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録が決定したことを受けて、約15年前のオオトラツグミ調査について報告します。

  • 調査:「オオトラツグミ一斉調査」NPO法人 奄美野鳥の会(主催)
  • 年月日:2006年3月18日(土)〜21日(火)
  • 場所:鹿児島県奄美市名瀬
  • 参加者:岡田徹・岡田貞美・鈴木紀久子(北九州支部)、河野藤孝・広塚忠夫(筑豊支部)
  • 確認種(38 種内 2 亜種):カルガモ・カラスバト・キジバト・ズアカアオバト・ウミウ・チュウサギ・ヒメアマツバメ・コチドリ・アマミヤマシギ・ツルシギ・イソシギ・ツミ・サシバ・ノスリ・リュウキュウコノハズク・ヤツガシラ・コゲラ・(オーストンオオアカゲラ)・ルリカケス・ハシブトガラス・キクイタダキ・ヤマガラ・シジュウカラ・イワツバメ・ヒヨドリ・ウグイス・ヤブサメ・メジロ・(オオトラツグミ)・シロハラ・アカヒゲ・ジョウビタキ・イソヒヨドリ・スズメ・キセキレイ・ハクセキレイ・ホオジロ・アオジ ( )内亜種

奄美野鳥の会(NPO法人)主催のオオトラツグミ一斉調査に参加しました。奄美大島は沖縄・佐渡島についで三番目に大きな島であり、森林面積が80%を超え奄美大島の固有種のルリカケス、オオトラツグミ、オーストンオオアカゲラが生息する魅力的な島であり原生林をはじめ緑の山々が連なっている風景は山登りの衝動に駆られます。イタジイの新緑が目立つ一方で、3月中旬には既にエゴノキの花が一部を残し散っていたのには季節の違いを感じさせました。
オオトラツグミ(絶滅危槙種:国の天然記念物)の調査は1994年から毎年3月に実施され13回目をむかえています。調査には朝3時前に起床してマングローブパークに集まり説明を受け、そこから赤土山の調査地に車で約30分走りました。私が指定されたNO-33地点は全ルートの一番奥であり、往復4kmの行程を1時間の速さで、オオトラツグミの囀りとオーストンオオアカゲラのドラミングや鳴き声を記録しながら真っ暗な水溜りや−部ぬかるんだ登り下りの道を、ヘッドランプと懐中電灯を照らして「ハブ」にも気をつけてのハードな調査を完了しました。
オオトラツグミの出現の確率の高いエリアを担当させて頂いたが、オーストンオオアカゲラ3ヶ所のみでオオトラの方は空振りでした。ちなみに、河野藤孝さんはオオトラを3ヶ所で聴き取りができてニコニコの満足顔でした。調査コースにはホウロクイチゴが生い茂りこれがアマミノクロウサギの好物だと森林管理所の藤本氏から教わりました。
この調査の凄さは、105名のボランティアの参加で成り立っており、半数以上が一般の方であり原則2人一組により総延長42kmを調査しました。その準備のマニュアル、500m毎の標識作成、事前事後の連続調査それに100分人以上の朝食、その後の中間集計会議。夜は交流会の開催等の一連の行事を事故もなく実行された奄美野鳥の会のスタッフの指導力と管理能力や協力体制に頭が下がりました。この一般の方を含めた調査の質の高さは私の記録紙の聞き取りを受けた感触からも窺い知る事ができます。
調査過程は観察と行動の厳しさを伴いますが、実質はお客さん扱いで夜の原生林の魅力にわくわくしながらの愉しい一斉調査で過ごせたのが本音です。奄美の中央林道42kmの調査結果は、「47羽」が確認され、これはオオトラツグミ等の保護に生かされ世界遺産登録にも連動すると確信いたします。調査の後、森林管理所の藤本氏から幻の花「アマミセイシカ」(奄美聖紫花)や世界一の「藻玉ツル」の繁殖地の案内サービスを受け感謝の至りです。
その日の夜は、事務局長の川口氏による赤土山のナイトウォッチングに出発して早々からアマミノクロウサギやアマミヤマシギの出現に胸を躍らせトキメキの夜を満喫しました。成果は、アマミノクロウサギ13頭、アマミヤマシギ14羽の出現とリュウキュウコノハズクの鳴き声の約25羽に出逢えての4時間半を過ごしました。今までの記憶では、よく出るナイトウォッチング日でも7〜8頭でありその倍近くの13頭は、記録的な出現数と言われ感激がまた増しました。20日と21日の自由時間は、撮影ウオッチングに出かけ、ゲット鳥は「ルリカケス・ヤツガシラ・ズアカアオバト・ツルシギ・キンムクドリ」が撮影でき、全行程の案内と運転を岡田さんにお世話になり感謝申し上げます。また来年2007年、調査に貢献ができてこの奄美でしか見られない烏たちに逢うため、ぜひとも参加しようと思っています。

(2022-02-18掲載、「野鳥だより・筑豊」2022年3月号掲載)

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