クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№7)

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野村芳宏

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3.カメラの初期基本設定

(1)バッテリーについて

Highslide JSアカハラダカ (クリックで拡大/縮小)

カメラの設定をするためには、バッテリーが入っていないと操作ができない。デジタルカメラはバッテリーで動くため、もし、バッテリーがなければ何もできない状態になる。それだけ、電源確保は大事なことである。

デジタルカメラを購入すると、必ずバッテリーが付いている。とりあえずこれで間に合うのだが、やはり予備バッテリーは必ずいる物である。デジタルカメラを購入すると同時に予備バッテリーを買うようにしたい。できれば予備バッテリーは、2個あった方が良い。撮影中にバッテリーが切れたとする。予備バッテリーを入れることになるが、そのバッテリーが切れていることもある。その場合予備バッテリーが2個あれば対応できる。また、バッテリーを自宅で充電していたとすると、予備バッテリーをカメラに入れて撮影に出かけることになる。その場合、もう1個予備バッテリーがあれば、そのバッテリーを持って出られるので安心である。このように予備バッテリーが2個あればバッテリー切れで撮影できない事態は避けられる。

さて、デジタル一眼レフに使用されているバッテリーは、現在ほとんどがリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、自己放電が少なく寒さにも強い。大きさの割には十分電圧もあり、デジタル一眼レフには最適である。

ところが、数年に渡ってこのバッテリーを使用していて問題が分かってきた。それは、バッテリーの性能ではないが、カメラの機種が変わればバッテリーの形が変わってしまうことである。同じメーカーのデジタル一眼レフを3台持っていたとすると、3台ともバッテリーの形が違っていれば、3種類のバッテリーがいるし、予備バッテリーも3種類いることになる。しかも、バッテリーには充電器が必要で、その充電器が3種類いることになる。バッテリーだけでも大変煩雑になってしまう。

私は、現在ニコンD200・ニコンD300・ニコンD700の3台を所有しているが、この3機種は同じバッテリーが使える。だから、バッテリーの煩雑さはないので良いシステムである。ただし、安全性の問題からリチウムイオン電池の法改正が2011年からあり、今後新しく作られるカメラには、新しい規格のリチウムイオン電池が出荷されるため、以前の電池は流用できなくなる。メーカーには、長期を見据え同じバッテリーで他機種に対応できるようにして頂きたい。

バッテリーには必ず充電器が必要である。その充電器にはコードが付いている物と付いていない物がある。コードが付いていない物は、コンセントに直接差し込めるようになっている。意外とこのコードがじゃまである。このコードは輸出する場合、国によって電気の規格が違い、コードを取り替えることによって対応している。少しでもコストを下げる方法である。だが、コードが付いてない方がすっきりして使いやすい。

リチウムイオン電池以外に、デジタル一眼レフに使用できる電池には、ニッケル水素電池(充電式)がある。この電池は温度が高くなるほど放電してしまう欠点があった。そのため、デジタル一眼レフにはほとんど使い物にならなかった。ところが、2009年サンヨーからこの欠点を改善した電池が、エネループという商品名で売り出された。白い電池である。エネループは、自己放電が極力抑えられ、充電していて日数がたっても、充電し直さずに直ぐに使える。優秀な電池なので現在私は愛用している。

デジタル一眼レフには、バッテリーパックが別売りされている。このバッテリーパックに縦位置グリップが装備されているが、このバッテリーパックにエネループを使用すれば、長期間電池がもてる。エネループを8本入れるのだが、北海道に撮影に行ったときは、 一週間もてた。二週間の撮影行だったので、途中1回バッテリーを入れ替えるだけで、 一度も充電せずにすんだ。

最近、高容量化されたエネループプロが発売された。エネループは、単三形なのでストロボにも使え便利である。他にもLEDミニライトや携帯ラジオにも使え、凡庸性が高い。

この電池で気を付けなければならないのは、単三形を8本使用するため全ての電池の 電圧をそろえておかなければならないことである。1本でも電圧が低下しておけば、その1本に全ての電池がその電圧にそろってしまうからである。だから、充電する時に8本とも十分に充電しておくことが大切である。

この電池には、もう一つ欠点がある。それは重いことである。8本をバッテリーパックに入れると、かなりずっしりくる。サンヨーはパナソニックに吸収されてしまったが、軽いニッケル水素電池(充電式)の開発をお願いしたい。

最初に書いたように、電源の確保はデジタルカメラにとっては重要なことなので、その対応を十分とるべきである。

次回は、「3.カメラの初期基本設定」\「(2)メモリーカード」について書く。

(「野鳥だより・筑豊」2012年4月号通巻410号より転載)


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