クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2017-11-21

野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№11)

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野村芳宏

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3.カメラの初期設定

(5)ホワイトバランスの設定

Highslide JSオバシギ (クリックで拡大/縮小)

ホワイトバランスの設定には、オート(AWB)・電球・蛍光灯・フラッシュ(ストロボ)・晴天・曇天・晴天日陰・色温度設定・プリセット(白セット)の9項目がある。蛍光灯はさらに細かな設定ができるようになっている。その中からどれを選択すればよいだろうか。

デジタル一眼レフを購入し、誰でもが最初につまづくのがホワイトバランスの設定である。私もその一人である。なぜなら、フィルムを使用していた時には、あまり聞かない言葉であった。本当はフィルムにもホワイトバランスというものはあったが、ほとんど意識することなく使用していた。デジタル一眼レフになり、ホワイトバランスという言葉は頻繁に出てくるようになった。

一体、ホワイトバランスとは何か。それは、撮影する光源に合わせて白い被写体が白く写るように色を調整することである。

フィルムを使用して撮影する場合を説明していきたい。お祭りの露店の照明には、電球が使用されている。夜、露店で金魚すくいをする子どもを撮影した。出来上がった写真は、赤っぽくなっている。また夜、自宅で家族そろっての記念写真を蛍光灯の下で撮影した。出来上がった写真は、緑色ぽっくなっている。

これは、光源によって光の色が違っているために起こる。光の色の違いを温度で表すことができ、色温度と言う。色温度は数値で表し、単位はケルビン(K)を使う。電球の色温度は3000K、蛍光灯(昼白色)の色温度は5000Kである。色温度が低くなれば赤味が強くなり、反対に高くなれば青みが強くなる。

フィルムは昼光色用のものがほとんどで、多くの人がこれを使用していた。太陽光の下で、晴天の昼間に使用すると正しく発色するというものである。人物や風景を晴天の昼間、屋外で撮ると見た目に近い発色で撮影できる。昼光色用のフィルムの色温度は、5200Kに設定されている。太陽光の下、晴天の昼間屋外でこのフィルムを使用すると白が白として写る。つまり、色温度5200Kでホワイトバランスをとっているフィルムを使用していたのである。このフィルムを使って、電球の下での被写体を撮ると色温度が低くなっているため赤っぽく写ってしまうのである。蛍光灯の場合は、蛍光管の中の発光体の影響で、緑色で覆われたように写ってしまう。

話をデジタル一眼レフに戻したい。

先に述べた夜店での子どもの撮影であるが、光源が電球なのでホワイトバランスの設定で電球を選択し撮影すると、白が白として写され、見た目に近い色で写真が撮れる。蛍光灯の下での家族記念写真も上と同じで、ホワイトバランスの設定で蛍光灯を選択し、撮影すると白が白として写され見た目に近い色で写真が撮れる。つまり、光源によってホワイトバランスを選択していけば、白が白として写され、見た目に近い色で撮れる。デジタル一眼レフでは、どんな光源でもホワイトバランスをとることができる。ここがデジタル一眼レフの凄いところである。

以下、光源の違いによる色温度を記載する。

電球3000K・蛍光灯(昼白色)5000K・蛍光灯(水銀灯)7200K・晴天5200K・フラッシュ(ストロボ)5400K・曇天6000K・晴天日陰8000K

ここで気づいた方もおられると思うが、同じ太陽でも状況に応じて色温度が違っている。これは、注意しなくてはいけない点である。

先に述べたように、光源によってホワイトバランスを選択していけば、白が白として写され、見た目に近い色で写真が撮れる。ところが、撮影するたびにホワイトバランスの設定を選ぶのは大変だからオートホワイトバランス(AWB)というものが考え出された。このオートホワイトバランスに設定しておけば、光源が変わってもカメラが自動的にその光源にあったホワイトバランスを設定する。その結果、電球あるいは蛍光灯あるいは晴天であっても、見た目に近い色で写真が撮れる。したがって、デジタル一眼レフにあまり慣れていない方は、オート(AWB)がお奨めである。初期設定ではほとんどのカメラがオートになっている。

これで全てが解決したかのようであるが、実はそうではない。ここから話は少しややこしくなる。オートホワイトバランスには弱点がある

デジタル一眼レフでホワイトバランスをオート(AWB)に設定し、夕焼けの風景を撮る。出来上がった写真は、夕焼けの美しい赤色が薄くなり、ぱっとしないものになる。撮った時の感動が水の泡のごとく消えてしまう。これは、日没後の太陽の色温度が約2000Kであるために、オートに設定しておくと、カメラが自動的にホワイトバランスを2000Kに設定してしまうことで起こる。2000Kで白が白として写るようになり、その結果、夕焼けの赤い色が出ずに白っぽくなってしまうのである。オートであるために見た目の通りの色が出ないことが起こってしまう。これが、オートホワイトバランスの弱点である。

どうすれば、夕焼けの鮮やかな赤色が撮れるのか。それは、ホワイトバランスを晴天に設定し撮影することである。ホワイトバランスを晴天に設定すると、色温度は5200Kに設定される。これより色温度が低い光源で撮影すれば赤みが強くなる。日没後の太陽光の色温度は約2000Kなので赤く写り、見た目の通りの夕焼けの色が出、感動が表現されることになる。

朝焼けや日の出、日の入りの撮影も上記と同じである。

ここでは、ホワイトバランスを晴天にした方が良い例を挙げてみた。

デジタル一眼レフに慣れた方は、ホワイトバランスを晴天にすることを是非奨めたい。こうすれば、フィルムで撮っていた時と同じ感覚で写真が撮れる。

さらに、話はややこしくなる。

室内の窓際で子どもの写真を撮るとしょう。この場合、窓際だから太陽光が入ってきている。そして、室内だから蛍光灯がついている。つまり、光源が太陽光と蛍光灯とが混ざったミックス光になっている。この場合、ホワイトバランスは何に設定すれば良いだろうか。光源が何種類か混ざっている場合、色温度を判断するのが難しい。この場合、オート(AWB)を選択すれば良い。カメラが色温度を測定し、自動的にホワイトバランスをとることによって、見た目に近い色で撮影できる。

これとよく似た状況で、室内でフラッシュ(ストロボ)をたいて撮影する場合も、ミックス光になっていることが多い。室内だから蛍光灯、カメラのフラッシュ(ストロボ光)、窓際だと太陽光である。これは3種類のミックス光になっている。上記と同じように色温度を判断するのが難しい状況である。この場合もオート(AWB)で撮れば良い。

ここでは、ホワイトバランスをオート(AWB)に設定した方が良い例を挙げてみた。

ホワイトバランスの設定には、オールマイティーに使える設定はない。その状況に応じて設定を変えるのが最善の方法である。そのためには、ホワイトバランスについて十分に理解しておくことが大切である。

野鳥撮影におけるホワイトバランスの設定は、通常、晴天に設定しておき、状況に応じてオート(AWB)に設定を変更することを奨めたい。

次回は、「3.カメラの基本初期設定」\「(6)画質モード」について書く。

(「野鳥だより・筑豊」2012年8月号通巻414号より転載)


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