クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2017-11-21

野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№12)

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野村芳宏

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3.カメラの初期基本設定

(6)画質モードと画像サイズの設定

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画質モードには、大きく分けてRAW(ロ―)、TIFF(ティフ)、JPEG(ジェイペグ)の3つがある。3つの画質モードについて大まかに説明をしたい。

1つ目のRAWとは、イメージセンサーによって光が電気信号に変えられ、得られたデータのことを言う。「野鳥だより・筑豊」の2011年11月号(№2)の“デジタル一眼レフの仕組み”をもう一度思い出してもらいたい。RAWとは生(なま)という意味で、加工される以前のデータのことである。イメージセンサーから得られたデータに、明るさ・色合い・彩度・シャープネス等の加工を施し、圧縮をかけてメモリーカードに保存されたのがJPEGである。カメラの内部に入っているRAWデータは、基本的には直接見たり、取り出したりすることができない。RAWデータを見るためには、カメラメーカーの専用のソフトが必要である。ニコンのカメラで撮影したRAW画像を見るためには、ニコンのソフト、ニコンView NX2がいる。キヤノンのカメラで撮影したRAW画像を見るためには、キヤノンのソフト、DPPソフトがいる。ニコンのカメラで撮影したRAW画像をキヤノンのソフトDPPで見ることはできない。その反対も同じである。他社のカメラも同じことが言え、そのメーカーの専用ソフトが必要である。

つまりRAWデータには互換性はない。 RAWは、パソコンで画像処理することを前提とした画質モードである。このように書くとなんだがRAWは扱いにくく難しいそうだと言う印象を与えてしまうが、写真の撮り方としては、RAWは簡単でJPEGは難しい。意外に思われるかもしれない。このことについては、“JPEGかRAWか”と言うテーマを設け、後日の「野鳥だより・筑豊」に詳しく書くことにする。

2つ目のTIFFとは、イメージセンサーから得られたデータを加工し、圧縮をかけずにメモリーカードに保存したデータである。圧縮をかけていないために、データの容量は大変大きなものになる。ただし、画質は良好である。ニコンD300(1200万画素)の場合、TIFF(ラージ)で36.5MB、JPEG(ラージ)で5.8MBなので、JPEGの約6.3倍ものデータ容量になってしまう。メモリーカードに記録できる枚数も少なくなるし、連写速度も遅くなってしまう。したがって、野鳥撮影には不向きな画質モードである。また、一般的にもほとんど使われてなく、特殊な目的のみに使われている。

3つ目のJPEGとは、イメージセンサーから得られたデータを加工し、圧縮をかけてメモリーカードに保存したデータである。圧縮のかけ具合によって、FINE、NORMAL、BASICがある。圧縮率が低いのがFINEで、圧縮率が高いのがBASICで、その中間がNORMALである。データの容量の大きい順は、FINE、NORMAL、BASIC になる。画質ついても同じ順である。さらにJPEGは、画像の大きさが用意されている。画像サイズの大きさの順は、L(ラージ) M(ミドル) S(スモール)である。ニコンD300の場合の画像容量を挙げると、JPEG FINE Lは5.8MB、 JPEG FINE Mは3.3MB、JPEG FINE Sは1.5MBになる。画像サイズの違いによって容量は大きな差になる。

デジタルカメラを購入してしばらくの間、もしくはパソコンの扱いに慣れていない方は、画質モードはJPEGのFINE、画像サイズはLがお奨めである。

JPEGの中でも画質が良く、大きなサイズの画像であれば、A4サイズのプリントには余裕のあるデータ量である。もし、メールで野鳥仲間に画像を送る場合は、画像サイズをパソコンで小さくして送れば良い。これとは反対に、小さなサイズを設定していて、A4プリントで綺麗に仕上げたいと思っても、パソコン上でサイズを大きくしても解像度が不足し綺麗なプリントはできない。だから、最も高画質で大きなサイズに設定しておいて、必要に応じて画像を小さくする方法が良い。

メモリーカードに保存されたJPEG画像は、いろいろなことに使用することができる。例えば、パソコンがなくてもプリンターにメモリーカードを挿入すればプリントができる。また、カメラ店にデータを持ち込んでプリントが注文できる。さらにテレビで画像を見ることもできる。パソコンが使えれば、用途はさらに広がる。WEB上のブログに写真をアップできる。パワーポイントに取り込んでプレゼンテーションができる。DVDに焼き付けてスライドショーができる。動画編集に取り込んでビデオムービーが作れる。後の用途を考えればJPEGは良い画質モードである。

野鳥撮影においても、画質モードをJPEG FINE、画像サイズをLにすれば、連写もきくし、メモリーカードに多くの枚数を記録できるので、良いモードである。

次回は、「3.カメラの初期基本設定」\「(7)AF(オートフォーカス)の設定」について書く。

(「野鳥だより・筑豊」2012年9月号通巻415号より転載)


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