クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2017-09-21

野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№14)

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野村芳宏

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3.カメラの初期基本設定

(8)測光モードの設定

Highslide JSカワガラス (クリックで拡大/縮小)

露出(絞りとシャッタースピード)を決めるには、ファインダー内の明るさを測らなくてはならない。明るさを測る場所と範囲によって、①マルチパターン測光、②中央部重点測光、③スポット測光の三つの測光モードがある。各メーカーで言い方の違いはあるが、基本的にはこの3つのモードである。

一番目のマルチパターン測光とは、画面を数分割し、分割した画面ごとに明るさを測光し、カメラの中に仕組まれたプログラムによって、露出を決定するものである。マルチパターン測光と露出モードのプログラムオートを組み合わせれば、露出は気にせずに撮影することができる。この測光方法も進化し続けているので、かなり高い確率で適正露出が得られる。

二番目の中央部重点測光は、画面の中央部直径8ミリ程度を測光するものである。フィルム時代のAE自動露出カメラからある測光方法である。カメラに内臓された反射式露出計によって、露出を割り出す。

三番目のスポット測光は、中央部重点測光よりも狭い直径3.5ミリ程度の範囲で測光するものである。中央部重点測光と同じように、カメラに内蔵された反射式露出計によって露出を割り出す。AFのフォーカスポイントと連動しているため、測光する場所を撮影者が移動させることができる。

以上3つのモードのうち、デジタル一眼レフにあまり慣れていない方は、マルチパターン測光がお薦めである。露出モードのプログラムオートと組み合わせることで、露出のことは全てカメラ任せにすることができる。

デジタル一眼レフに使い慣れた方は、二番目の中央部重点測光がお薦めである。私は、このモードに設定している。

その理由をいくつか挙げてみたい。

野鳥撮影の場合、画面の中央に被写体を捉えることが多いので、中央部を測光すれば、野鳥に露出があった写真を撮ることができる。さらに、中央部重点測光は露出の予測がつきやすい。明るさを測るための反射式露出計は、プログラムから割り出す方法よりも単純なため、測定値を予測し易い。また、中央部重点測光と露出モードの絞り優先モードを組み合わせることにより、絞りとシャッタースピードを自分の意志で決定することができる。

作品作りにおいて、絞りは背景のボケ方をコントロールする重要な要素であるし、シャッタースピードは野鳥の動きを止めて写す重要な要素である。したがって、絞りをどのくらいにするのか、シャッタースピードはどのくらいで切るのか、これを自分の意志で決めることが大切である。晴天でISO感度200では、絞りを5.6にするとシャッタースピードは1/1000が切れると予測ができる。絞りとシャッタースピードの予測がつくと、作品のイメージ作りに役に立つ。正確に露出を決定するためには、テスト撮影をし、データを見て調整すれば良い。

一方マルチパターン測光は、どのくらいの露出になるのか予測がつきにくい。明るさを測ったデータをもとに、カメラに内蔵されているプログラムによって露出が決定される。どのような数値がはじき出されるのか、プログラムによって数値が違ってくるので、予測がつきにくい。以上のことから、中央部重点測光に設定することを薦めたい。

スポット測光について詳しく述べてみたい。スポット測光は、非常に狭い範囲を測光するため、動く野鳥を撮影する場合は不向きである。被写体が飛んだり動いたりすると、測光範囲から外れてしまい、撮りたい物の明るさを測れなくなるからである。

スポット測光は、動かない被写体である花や風景等を撮影する場合は有効である。スポット測光で気を付けなくてはいけないのは、測光する場所によって大きな差がでることである。明暗が混じっている場合、明るい部分を測るのと、暗い部分を測るのでは大きな差がでる。どちらの結果をとるのか、それとも平均値をとるのか、撮影者の作画の意図にもよるし、適正な露出で撮るには経験も必要になってくる。

スポット測光は、正確に明るさを測ることができる反面、露出に失敗する可能性も大きくなる。

露出については、いずれ詳しく書こうと思う。

今回で「3.カメラの初期基本設定」は終了し、次回は、「4.作品作りのためのカメラ設定」\「(1)JPEGかRAWか」について書く予定である。

(「野鳥だより・筑豊」2012年11月号通巻417号より転載)


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