クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№15)

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野村芳宏

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4.作品作りのためのカメラ設定

(1)JPEGかRAWか 〜その1〜

Highslide JSオシドリ (クリックで拡大/縮小)

「野鳥だより・筑豊」2012年9月号(№12)に、“写真の撮り方としては、RAWは簡単でJPEGは難しい”と書いた。

それで、JPEGが難しい理由を述べたい。

JPEGとRAWとの違いは、色々とあるが最も大きな違いは、ホワイトバランスが、JPEGでは変更できなく、RAWでは変更できることである。これは、あくまでもパソコンを使って処理をする時のことである。RAWはパソコンで現像する時にホワイトバランスを変更できる。JPEGは、カメラ内で絵作りをした後に、圧縮をかけてメモリーカードに完成された画像として保存される。そのため、ホワイトバランスの変更ができない。ホワイトバランスが変更できないのもJPEGと言う記録方式の一つの特徴でもある。

JPEGで撮影する場合、後でホワイトバランスの変更ができないので、撮る前に正確なホワイトバランスを設定しておく必要がある。太陽光の下で撮る場合、晴天と曇りでは色温度が違うためにホワイトバランスを天候に合わせて設定しなければならない。また同じ曇りでも、薄曇りもあれば今にも雨が降りそうな暗い曇りもあり色温度が違っている。それらを判断して、ホワイトバランスを設定するのは難しいし手間もかかる。ならば、オートにしておけば良いのではと思われるのだが、オートホワイトバランスには弱点がある。このことについては、2012年8月号(№11)に書いたので重複は避ける。オートホワイトバランスで夕方に野鳥を撮ると、夕方の感じは失われてしまう。後で、パソコンで夕方の感じを出したいと思うのだが、JPEGで撮影しているとホワイトバランスの変更はできない。JPEGで撮る場合、撮影する前に作品の仕上がりを想定しておいて、シャッターを切らなければならない。この点がJPEGは難しいと言う理由である。

さらに、明るさ(露出)も撮影する前に正確に測定し、シャッターを切らなくてはならない。これはJPEGが不可逆圧縮ファイルのためである。不可逆圧縮というのは、圧縮して保存した場合、保存する前の状態に戻らないことを意味する。メモリーカードに保存したJPEGの画像が暗いので、パソコンのソフトを使って明るくして保存する。それは、暗い画像の上に明るい画像のデータが書き加えられ、圧縮してパソコンに保存されたことになる。したがって、作業をすればするほど元のデータに書き加えられることになり画質が低下していくことになる。これは、明るさの調整にとどまらず、色合いの調整、シャープネスの調整等すべての作業に言えることである。

JPEGで撮影して、パソコンで明るさ・色合い・シャープネスを調整する場合、できる限り操作回数を減らすのが上手なレタッチ方法である。したがって、明るさ・色合い・シャープネス等後でパソコン処理をできるだけ調整しないように撮影する必要がある。このことがJPEGでの撮影の難しさである。また、前述したようにシャッターを切る前に、仕上がりを想定したカメラの設定を行わなければならない。

さらに被写体に応じてカメラの設定も変わってくる。

野鳥を撮る場合、鳥に露出を合わせるのか、それとも画面全体の雰囲気を生かした露出にするのか、撮影者の狙い方によって同じ鳥を撮るにしても露出が変わってくる。

風景を撮る場合、露出はできるだけきりつめた(アンダー側へ)方が、色はよく出る。だから、露出はややアンダーぎみにした方が良い。また、彩度はやや鮮やかにしたいところである。

人物を撮る場合、露出は明るめにした方が印象が良くなる。そのため、露出はやや明るめに設定した方が良い。また、シャープネスはかけすぎない方が良い。

このように、被写体に応じたカメラの設定が必要になってくる。

以上がJPEGは難しいという理由である。

RAWが簡単だという理由は次回、「野鳥撮影におけるデジタル一眼レフの使い方(16)」\「4.作品作りのためのカメラ設定」\「(1)JPEGかRAWか〜 その2〜」で書く予定である。

(「野鳥だより・筑豊」2012年12月号通巻418号より転載)


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