クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2017-11-21

野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№17)

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野村芳宏

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4.作品作りのためのカメラの設定

(3)JPEGかRAWか 〜その3〜

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RAWでの撮影を薦める理由を述べたい。

1つ目の理由は、高画質なプリントが期待できるからである。高画質とは、質感・立体感・透明感のある画像で、見た時の感動がそのまま伝わってくる写真である。野鳥の写真であるなら、野鳥の羽の質感がリアルに表現され臨場感が伝わるものである。このようなプリントを仕上げるためには、諧調が豊かであることが大切である。そのため、画像のデータ量が多い方が有利である。ニコンD7000 / 1600万画素のJPEGとRAWのデータ量を比較してみる。JPEG FINE Lで約7.8MBである。RAW(ロスレス圧縮/14ビット)19.4MBである。RAWはJPEGの約2.49倍のデータ量で、圧倒的にRAWの方が多い。

2つ目の理由は、前回でも書いた可逆圧縮ファイルだからである。作品を仕上げるとき、ホワイトバランス・明るさ・コントラストなどを調整しながらしていかなければならない。そのとき、いくら調整してもデータは劣化しないため高品質なプリントが期待できる。前回述べたことと重複するので詳しいことはここでは避けたい。

以上が、画質モードでRAWに設定することを薦める理由である。

野鳥撮影をしている方で、JPEGに設定している人は、私の経験では7割〜8割である。そのほとんどの理由は、後の処理が簡単であることを挙げている。確かにRAWは、パソコンで現像という処理をする手間がかかる。しかし、よく考えてみよう。毎日、何百枚という画像をRAW現像しなくてはならない場合は、それなりの手間と時間がかかってしまう。しかし、我々アマチュアがそれほどRAW現像する枚数が多いことはほとんどない。

昨年の8月にロンドンオリンピックがあったが、その取材で1日に何千枚と撮影し、翌日の朝刊の1面を飾らなければいけないスポーツカメラマンなら、JPEGで撮らなければ後の処理が間に合わないということはあるだろう。もし、RAWで撮影していたならば大変なことになってしまう。私は、ほぼ毎日ブログをアップしているが、RAW現像をするのは1枚のみである。JPEGで撮影してJPEGでアップするのと、RAWで撮影しRAW現像してJPEGに変換して、アップするのとそれほど手間の時間に差があるとは思えない。

プリントアウトについても同じことが言えるのではないだろうか。1年にどれほどの枚数をプリントアウトするだろうか。

また、JPEGで撮影されている方で、RAWは保存するのに時間がかかると言われることがある。確かに、JPEGに比べRAWはデータ量が多いので、保存するのに時間はかかる。しかし、最新のデスクトップ形のパソコンを使えば、なんらストレスを感じることなく保存や現像はできる。

最後に前回RAW画像の特性を生かした設定があると書いた。このことについて述べてみたい。多少ややこしいところがあるので、明るさの設定のみに限って述べる。RAWは、後でパソコン処理することを前提とした撮影である。そのため、後でパソコン処理しやすいように撮るのが良いと考える。明るさに限って述べると、適正露出よりも-0.5〜-1.0で撮ることを薦めたい。露出補正量を-0.5〜-1.0にするということである。それには、2つの理由がある。

1つ目は、明るさをパソコンで調整する場合、暗い所から明るい方へと調整した方がしやすいからである。明るい画像から暗くしながら適正露出にしていくのはしにくい。それよりも、暗い画像をだんだん明るくしていった方が適正露出に導き易いことによる。これは、人間の目の感じ方によるものである。そのため、露出を少し暗めにして撮影する。

2つ目の理由は、白とびを防ぐことである。デジタルカメラは、ハイライトの質感を出すことを苦手としている。この苦手なことを避けるために、最初から-0.5〜-1.0で撮るというものである。白とびを起こさないように最初からアンダーで撮る。そして、後のパソコンの処理で、明るさを微調整すれば良いのである。

次回は、「野鳥撮影におけるデジタル一眼レフの使い方(18)」\「4.作品作りのためのカメラ設定」\「(4)なぜ露出補正が必要か」について書く予定である。

(「野鳥だより・筑豊」2013年2月号通巻420号より転載)


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