クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2017-09-21

野鳥撮影における
デジタル一眼レフの使い方(№19)

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野村芳宏

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4.作品作りのためのカメラ設定

(5)露出補正量について

Highslide JSハチクマ (クリックで拡大/縮小)

なぜ露出補正が必要なのかということについては、理解していただけたと思う。では、どのくらい補正をするのかという疑問が出てくる。今回は、この疑問に答えてみたい。

前回と同じようにテスト撮影をするので、以下の準備と設定をお願いしたい。

  • ①準備する物
    • 反射率18%のグレーカード
    • A4の黄色、青色、赤色の画用紙
  • ②カメラの設定
    • 露出設定ステップ幅: 1/2段
    • 露出モード(撮影モード): マニュアル <測光インジケーターの表示>
    • 測光モード: スポット測光
    • 絞り値: F5.6
    • ISO感度: 400
    • ホワイトバランス: オート
    • 露出補正量: ±0
  • ③レンズ及び撮影条件
    • レンズ: 標準ズームレンズ 及び60ミリ前後のマクロレンズ
    • 撮影場所: 窓際の明るい場所(直射日光は避ける)
    • 天候: 曇天
  1. 露出補正基準の調整
    • カメラによっては露出を正確に測定していないものがあるので、まず、その調整を行う。絞りはF5.6にし、18%のグレーカードをファインダーいっぱいに入れ、シャッターボタンを半押しにし、露出を測定する。露出補正量を示す測光インジケーターで中央に目印がくるように、シャッタースピードを調整する。そうすると、シャッタースピードは1/60秒程度になる。シャッターボタンをさらに押し込み、グレーカードを撮る。再生をし、ヒストグラムを表示する。そのカメラが正しく露出を測定しているならば、ヒストグラムの尖った山がちょうど中央にきているはずである。 もし、中央ではなく右側に尖った山がきているならば、そのカメラは正しく露出を測定していないことになり、露出補正基準の調整が必要である。この場合は、露出を明るめに測定しているので、マイナス側に調整する。私が使っているニコンD7000は、右に尖った山がきていた。そこで、露出補正基準を調整し、尖った山が中央にくるようにした。ニコンD7000は、-3/6調整した。
    • ヒストグラムは、左端が明るさ0、右端が明るさ255である。中央は177.5になり、グレーカードはここと一致する。
  2. 黄色の画用紙の露出補正量を測る
    • グレーカードと黄色の画用紙をくっつけて並べる。シャッターボタンを半押しにし、グレーカードを測光する。そうすると先ほどと同じく絞りがF5.6、シャッタースピードが1/60秒、露出補正量は±0、インジケーターの目印は中央になる。
    • 次に、横に並べている黄色の画用紙の露出を測光する。ファインダーいっぱいに黄色の画用紙を入れ、シャッターボタンを半押しにする。そうすると、絞りはF5.6 シャッタースピードは1/60秒、露出補正量を示すインジケーターの目印は、+1.5になる。そして、シャッターボタンを押し込み、黄色の画用紙を撮る。液晶画面に再生すると、鮮やかな黄色になる。ヒストグラムを表示すると、尖った山が中央よりも右側にきている。つまり黄色の露出補正量は+1.5である。
  3. 青色の画用紙の露出補正量を測定する

    方法は上と全く同じである。結果は以下のようになる。
    • グレーカード F5.6 シャッタースピード1/60秒 露出補正量±0
    • 青色の画用紙 F5.6 シャッタースピード1/60秒 露出補正量±0
    • つまり青色の露出補正量は±0である。
  4. 赤色の画用紙の露出補正量を測定する
    • グレーカード F5.6 シャッタースピード1/60秒 露出補正量±0
    • 赤色の画用紙 F5.6 シャッタースピード1/60秒 露出補正量-0.5
    • つまり赤色の露出補正量は-0.5である。
  5. その他の色の露出補正量

    上と同じ方法で、私が測定した結果を挙げておくので参考にして欲しい。
    • 黄緑 +1.0
    • 明るい水色 +1.0
    • ピンク +2.0
    • 紫 -0.5
    • 茶色 ±0
    • 肌色+2.0

◎まとめ

実際の撮影の場合は、グレーカードは使わないことが多い。そこで、色による露出補正量を記憶しておき、その補正量で撮影すれば良い。

例えば、青色の空を写す場合は露出補正量は±0、黄色い花を写す場合は露出補正量は+1.5、赤い花を写す場合は-0.5、白い花や白い雪を写す場合は+2.0、という具合である。この場合あくまで被写体をスポット測光したときの測定値である(露出モード マニュアル)。

もし、グレーカードを持参しておけば、被写体の横にグレーカードを置き、マニュアル(露出モード) スポット測光 露出補正量±0にし、そのまま被写体を撮影すれば、正確な露出で撮影できる。

このように、色によって露出補正量は決まっている。色には色固有の明るさ(輝度)がり、それによって露出補正量が決まってくる。グレーカードと色の明るさ(輝度)を比較し明るければ+補正、暗ければ-補正、同じであれば±0の補正なしということになる。

人物撮影においても、スポット測光+インジケーターによる露出補正の方法は適用できる。人物を撮影する場合、人物の肌をスポット測光をする。インジケーターを使って+1.5の露出補正をし、撮影する。そうすれば適正な露出で人物撮影ができる。

自然界には黄色でも様々な黄色がある。色画用紙の黄色よりも明るければ+2.0の露出補正をすれば良い。色画用紙の黄色よりも暗ければ+1.0の露出補正をすれば良い。

以上のように、露出補正量の基準になっているものは、反射率18%のグレーカードである。だからグレーカードと比較して、どのくらい明るいかで露出補正量が決まってくる。経験を積めばすぐに把握できる。露出補正の原理さえ理解すれば、露出補正は難しいものではない。

スポット測光+インジケーターによる露出の決定方法は、花の接写・風景・人物の撮影においては大変有効な方法であるが、野鳥撮影では不向きな方法である。それは、被写体が激しく動くため、スポット測光すること自体ができないからである。

次回は、「野鳥撮影におけるデジタル一眼レフの使い方(20)」\「4.作品作りのためのカメラ設定」\「(6)野鳥撮影における露出」について書く予定である。

(「野鳥だより・筑豊」2013年4月号通巻422号より転載)


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