波多野邦彦
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第2回 Emberiza <エンベリザ>
シマノジコ♂ 1年目冬羽
2001年10月27日 福岡県内
ホオジロ科の小鳥をその属名を使いEmberizaエンベリザと呼ぶことがあります。探鳥会などで皆さんも一度は聞いたことがあることと思います。
「あっ!」「エンベリ」通訳すると→「あっ!(何か飛んだ!)」「エンベリ(ホオジロ科の小鳥だと思う)」こういった使い方になります。最後の「ザ」をとって、エンベリと略して使う場合もあります。
ここでツメナガホオジロ、ユキホオジロ、その他クサチヒメドリ(サバンナシトド)、ミヤマシトド、キガシラシトドなどの北米産ホオジロ類はエンベリザに含まれません。エンベリザといったときにこれらの種類は暗黙の了解として通常は除外されているので注意してください。<図鑑で確認してください>
ホオジロ科の小鳥は身近で、見た目も愛らしく、声も良いと三拍子揃っていて人気の高い種類です。
中でもホオジロは日本国内では一年中みられる最も身近な種類です。また、長崎県対馬ではミヤマホオジロが留鳥として繁殖しています。九州ではコジュリンが夏鳥として阿蘇山周辺で繁殖しており、また漂鳥のホオアカも繁殖しています。冬鳥としてはミヤマホオジロ、カシラダカ、アオジ、クロジ、オオジュリン、キアオジ、シラガホオジロなど、春秋の旅鳥としてコホオアカ、ノジコ、キマユホオジロ、シロハラホオジロ、シマノジコ、シマアオジ、シベリアジュリン、ズグロチャキンチョウ、チャキンチョウなどがいます。
ホオジロ科の鳥の外見上の基本的な特徴は、①丸味のある頭、②三角形の嘴、③丸っこいからだ、④長い尾羽根などがあげられます。尾の両側の羽根二対に通常白斑が見られるのも特徴のひとつです。
それでは皆さんはどこを見てホオジロ科の仲間を識別しているでしょうか?
おそらく皆さんはまず顔を見ようとしているのではないかと思います。特に雄の特徴あるきれいな顔を頭に浮かべているはずです。確かに雄成鳥個体であれば、それ程苦労はしません。ではそれ以外の場合、雌や幼鳥、1年目冬羽など秋季によく見られる個体の場合はどのように同定すればいいのでしょうか?それではまず、ホオジロ科全般の識別についてお話したいと思います。
ホオジロ科の鳥を識別する場合、もちろん顔の模様が一番の識別ポイントですが、それ以外で重要な識別ポイントとしては、①胸・脇腹の模様と色彩。地色と斑の色・形状。②腰の模様と色彩。③尾の白斑などに注目します。(下記 図1参照)
■雌または1年目冬羽個体比較表(図1)
種 類 | ①胸・脇腹の地色 | 同左斑の色・形状 | ②腰の色彩・模様 | ③尾両側の白斑 |
ホオジロ | 一様にベージュ色 | 無斑・幼鳥胸縦斑 | 赤褐色 | あり |
アオジ | 薄い黄色 | 黒褐色・太く明瞭 | 緑灰褐色・暗色斑 | あり |
ノジコ | 黄緑色味強い | 脇のみ褐色斑少数 | 緑灰色・無斑 | あり |
ミヤマホオジロ | 薄いバフ色 | 濃い赤茶・普通斑 | 灰褐色・黒褐色斑 | あり |
カシラダカ | 白地 | 赤茶・太く明瞭 | 赤褐色地・ベージュ のウロコ模様 | あり |
クロジ | 灰褐色 | 暗色斑・太い | 赤褐色・無斑 | 無し |
ホオアカ | 薄い黄褐色 | 黒褐色・細い斑 | ベージュ地褐色斑 | あり |
※太字は他の種類に無い特徴的なポイント
種類ごとに特徴のある部位ですので他の種類についても確認をお願いします。
■まとめ
■終わりに
識別講座もお蔭様でなんとか第2回目を迎えることができました。
一口に識別といっても対象によって見るべきポイントが違います。見方も当然変わってきます。その辺りの感触を少しでも感じていただければと思います。
私の原稿は写真が無いため必然的に文字数が多くなります。読み易くするため、今回は初回の半分にしてみました。量的にはいかがだったでしょうか? 今後もいろいろと工夫していきたいと考えています。それでは次回をお楽しみに・・・。
■参考
(2013-06-24掲載)
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