クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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modify:2018-05-24

独断と偏見の識別講座Ⅱ

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波多野邦彦

総目次

第62回 Japanese Quail <ウズラ>

1995年4月 ウズラ雄成鳥夏羽

小倉南区曽根新田 Field Noteから転記

1998年1月 ウズラ雄成鳥冬羽(後ろは雌)
保護色が効いていてちょこちょこと啄ばむ程度なので、遠方から肉眼で動きを捉えるのはかなり困難。双眼鏡で丁寧に探すしかないが、たいへんな作業。冬期早朝のアシ原で「ビョッビョー、ビョッビョー・・・」と長い時間鳴き続けているのを聞いたことがある。

中津今津干拓 Field Noteから転記

田園地帯をいつものように車で流していると、「ビャッビャラビャー!ビャッビャラビャー!」ととても奇妙な声が聞こえてきました。「これは鳥の鳴き声!?それとも、何か他の生き物?」声のする方に目を向けると、車窓直下、ウズラの雄がこちらには全く無関心な様子で一生懸命声を張り上げています。
顔、喉、上胸はやや薄いチョコレートブラウン。頭頂は焦げ茶色。からだには細かな白斑が散らばり、非常に複雑な色彩に見えます。雨上がり、鮮やかな若草色の草地にこの色彩がよく映えていました。現在はもう見られなくなってしまいましたが、90年代中ごろまでは曽根でも、稀に姿を見かけることがありました。図鑑の記述では以下の通り。「夏鳥として本州中部以北の平地から山地の草原や原野、農耕地で繁殖し、本州中部以南で越冬する。」全国的に減少傾向にあります。

日本人にとって古くから最も身近な野鳥のひとつでありながら、親も卵も食したことのある人はたくさんいるにもかかわらず、さらに自宅で飼っている人もいるのに、野生の生きた姿を見ることはほとんど無くなってしまいました。今や大珍鳥のひとつです。意識的に探そうとしても見つけることはかなり困難です。
イラストは越冬個体。刈田の隅の方、2羽でごそごそと地面の餌をついばんでいました。動きがごく小さく、体の色彩や模様が枯れた稲穂と保護色になっているために肉眼では存在に気づくことがかなり難しいと思われます。冬期、刈田の畔を歩いていると、突然足元から「プルルルルッ」と派手な羽音を立てて飛び立ち、初めてその存在に気づかされることが多いようです。

■終わりに

  1. 巻頭で雄の鳴き声を「ビャッビャラビャー」と書きましたが、図鑑等によって表現がかなり違います。フィールドガイド日本の野鳥「グワックルルル」、決定版日本の野鳥650「ジュッピッピッー」、ウズラ調査マニュアル・環境省自然環境局「ゴキッチョー」「アジャパー」、Collins BIRD GUIDEヨーロッパウズラ「’wet-my-lips’」(何となく素敵な表現)等々。自分の耳がおかしくなったのではないかと疑うほど表記がバラバラです。いったいどれが本当でしょうか?ぜひご自分で確認していただきたいと思います。
  2. 現在のMFである福津市・津屋崎地域でも数年前までウズラを観察できました。今やその生息地だった広大な荒地には太陽光発電パネルがひしめくように並んでいます。空き地、草原、原野、荒地、最近は丘陵地や溜池を埋め立ててまで次々に開発されていきます。ウズラが住処を失っていくのもわかるような気がします。歓迎すべき無公害な自然エネルギー利用ですが、広大な土地を必要とする以上、失われるものも少なからずあるようです。

■参考文献

  • BIRDS OF EAST ASIA: PRINCETON UNIVERSITY PRESS PRINCETON AND OXFORD
  • Collins BIRD GUIDE The Most Complete Field Guide To The Birds of Britain and Europe: Harper Collins Publishers Ltd.
  • A Guide to the Birds of Southeast Asia CRAIG ROBSON: PRINCETON UNIVERSITY PRESS PRINCETON, New Jersey
  • 決定版日本の野鳥650 真木広造 大西敏一 五百澤日丸 (株)平凡社
  • フィールド図鑑 日本の野鳥 文一総合出版
  • フィールドガイド 日本の野鳥 高野伸二著 1988年5月10日 初版第10刷発行 財)日本野鳥の会
  • ウズラ調査マニュアル(PDF) 2014年3月 環境省自然環境局

注)本識別講座において過去の記録を検証して意見を述べる場合がありますが、あくまで個人的見解であり、当該記録を否定するものではありません。誤解のないようにお願いいたします。

(2018-04-24掲載)

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