波多野邦彦
総目次
第62回 Japanese Quail <ウズラ>
1995年4月 ウズラ雄成鳥夏羽
小倉南区曽根新田 Field Noteから転記
1998年1月 ウズラ雄成鳥冬羽(後ろは雌)
保護色が効いていてちょこちょこと啄ばむ程度なので、遠方から肉眼で動きを捉えるのはかなり困難。双眼鏡で丁寧に探すしかないが、たいへんな作業。冬期早朝のアシ原で「ビョッビョー、ビョッビョー・・・」と長い時間鳴き続けているのを聞いたことがある。
中津今津干拓 Field Noteから転記
田園地帯をいつものように車で流していると、「ビャッビャラビャー!ビャッビャラビャー!」ととても奇妙な声が聞こえてきました。「これは鳥の鳴き声!?それとも、何か他の生き物?」声のする方に目を向けると、車窓直下、ウズラの雄がこちらには全く無関心な様子で一生懸命声を張り上げています。
顔、喉、上胸はやや薄いチョコレートブラウン。頭頂は焦げ茶色。からだには細かな白斑が散らばり、非常に複雑な色彩に見えます。雨上がり、鮮やかな若草色の草地にこの色彩がよく映えていました。現在はもう見られなくなってしまいましたが、90年代中ごろまでは曽根でも、稀に姿を見かけることがありました。図鑑の記述では以下の通り。「夏鳥として本州中部以北の平地から山地の草原や原野、農耕地で繁殖し、本州中部以南で越冬する。」全国的に減少傾向にあります。
日本人にとって古くから最も身近な野鳥のひとつでありながら、親も卵も食したことのある人はたくさんいるにもかかわらず、さらに自宅で飼っている人もいるのに、野生の生きた姿を見ることはほとんど無くなってしまいました。今や大珍鳥のひとつです。意識的に探そうとしても見つけることはかなり困難です。
イラストは越冬個体。刈田の隅の方、2羽でごそごそと地面の餌をついばんでいました。動きがごく小さく、体の色彩や模様が枯れた稲穂と保護色になっているために肉眼では存在に気づくことがかなり難しいと思われます。冬期、刈田の畔を歩いていると、突然足元から「プルルルルッ」と派手な羽音を立てて飛び立ち、初めてその存在に気づかされることが多いようです。
■終わりに
■参考文献
注)本識別講座において過去の記録を検証して意見を述べる場合がありますが、あくまで個人的見解であり、当該記録を否定するものではありません。誤解のないようにお願いいたします。
(2018-04-24掲載)
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