クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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*風のたより

日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリくまたか外部サイトレンジャー
中村 聡

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10: みんな、冬を越す

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12月16日。薄氷が張り、手前にオオハクチョウとオナガガモ、奥にマガンの群れが見える。

(2009-12-16撮影)

ちょっと前まで赤や黄色に染まっていた周辺の林。あっという間に木々の葉はすべて落ち、がらんとした空間を冷たい風が吹き抜ける寒い季節となった。僕も車のタイヤを換えたり、厚手のセーターを引っぱり出したりと、厳しい冬を過ごす準備を着々と進めつつある。

生きものたちもさまざまな方法で冬を越す。北の地方で子育てをした鳥たちは、食べものを求めてより暖かい南へと渡る。ウトナイ湖にやってきたオオハクチョウもそうだ。飛んで移動することのできない植物は、かたい冬芽だけを枝先に残したり、葉っぱを地面にぴったりとくっつけたりして風や寒さをしのぐ。昆虫もクジャクチョウなどは成虫のまま、落ち葉のかげでじっとして長い冬を耐え抜く。

そういえば「冬を越す」という言葉、これまで自然界の生きものたちだけに使われるものとばかり思っていた。南極越冬隊とは聞くが、ふつう人間にもあまり使わないのではないか。ところがある日、妙なところでこの言葉を目にした。それはスーパーマーケット。壁に大きく「越冬野菜」と書いてあった。下の箱には袋づめされたタマネギが並んでいる。

はて?これって越冬用の野菜?越冬用って?人間が?越冬する?まさか越冬する野菜?職場で話を聞いたり調べてみると、「寒い時期用の冬を越させる野菜」であることがわかった。大根やキャベツなどを屋外の室(むろ)に埋めて貯蔵し、必要な時に掘り出して使う。こうすればみずみずしさが保てるという。これまで住んだ地方にはなかった新たな習慣だ。

このほか白菜などは漬物にもして食べるそうだ。越冬という言葉を生きもの以外に使うことにも驚いたが、野菜が不足しがちな北国ならではの、冬の暮らし方を知ったのだった。

(原文は「苫小牧民報」2007年11月26日掲載)

ウトナイなう: 03

今年、僕が部屋に暖房を入れたのは11月3日。最低気温がマイナスになることも珍しくなくなりました。初雪は見たものの、まだ積もってはいません。湖は水鳥の渡りが続いており、マガンは1000羽を越す数が現在も滞在中です。全面結氷する12月中旬まで見られるでしょう。

参考「ウトナイ日記外部リンク

※(公財)日本野鳥の会直営のバードサンクチュアリである北海道苫小牧市ウトナイ湖サンクチュアリの“今”をご紹介しています。

(2014-11-24)

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