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くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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*風のたより

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中村 聡

総目次

20: 音で知る秋のおとずれ

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水鳥の渡来を待つ、秋のウトナイ湖

(2015-09-17撮影)

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チョウセンゴミシの実。周辺の林では実りの秋を迎えた

(2015-09-17撮影)

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秋の野を彩るエゾリンドウ。今が見頃

(2015-09-17撮影)

秋を感じさせるものといえば、さて皆さんは何を思い浮かべるだろう。空、紅葉、栗、秋刀魚、きのこ・・・「見る」「食べる」はきっとたくさん挙がると思うが、そのほかに僕は、音を「聞く」ことで季節の移り変わりに気づくことも多い。ここで少し紹介しよう。

まずは鳥。水辺で見られるシギの声だ。種によってその「音色」が異なるが、中でもアオアシシギの「キョーキョーキョー」という透明感のある甲高い声は物悲しく、まだ暑い晩夏でも、聞けば一瞬にしてあたりに秋の気配が漂う。夕暮れ時だとなおさら色濃くなる。
シギの仲間の多くは日本で繁殖せず、春と秋にのみ立ち寄る旅鳥だ。声に小鳥たちのさえずりのような華やかさはないが、この時期は特に、爽やかな風が吹く中で聞くとたいへん心地よい。夜も鳴きながら飛んで渡るため、星空から涼しげな音が降ってくることもある。

次に虫の鳴き声。といっても喉を震わせるのではなく、翅(はね)をこすり合わせて音を出す。コオロギの仲間がその代表だが、残念ながら童謡「虫の声」の歌詞にある松虫の「ちんちろりん」や鈴虫の「りーんりん」は、北海道では聞くことができない。よく耳にするのは「るるる・・」と長く続くカンタンだ。暑さが一段落すると急に聞かれるようになる。
この虫はちょっとした草むらがあれば、街中でも葉や茎の上で、まさに「秋の夜長を鳴き通して」いる。昼間も聞こえる声を頼りにぜひ姿を探してほしい。ただ、体長が2センチほどと小さく淡い緑色なので、見つけるのは名ほどカンタンにいかないかも知れない。

これから一気に深まりゆく秋。見たり食べたりする以外にも、時には耳を澄ませてその到来を楽しんでみては、いかがだろうか。

(原文は苫小牧民報「2007年9月17日」掲載)

ウトナイなう: 13

最低気温が10℃を下回るようになり、秋の深まりが感じられるこの頃。水鳥の渡りはすでに始まっているようで、湖面にはポツポツとカモ類の姿があります。ガン類は本日(9月17日)現在、まだ確認していません。ヒシクイは昨年の初認日が9月11日だったので、今年はちょっぴり遅いようです。いつ渡って来るんだろうと、その到着を心待ちにしています。

参考「ウトナイ日記外部リンク

※(公財)日本野鳥の会直営のバードサンクチュアリである北海道苫小牧市ウトナイ湖サンクチュアリの“今”をご紹介しています。

(2015-09-18)

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