クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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*風のたより

(公財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリくまたか外部サイトレンジャー
中村 聡

総目次

57: 秋のふわふわ

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マガンの群れ。ウトナイ湖が渡りの中継地であることを実感する

(2018-10-14撮影)

我がふるさと筑豊は、ジョウビタキの寂しげな声が聞かれる頃でしょうか。こちら北海道は水鳥の渡りシーズンを迎え、ウトナイ湖もコハクチョウやマガンなどの群れで賑わっています。
さて、今回は夏(初夏のふわふわ)に続く「ふわふわ」のお話。10月の、雨が降っていないある日。以前に紹介したドロノキの綿毛よりもずっと小さく、白いモノが突然、時におびただしい数となり、林の周辺や草はらを舞います。これが「雪虫」。出現して間もなく、初雪を迎えることから、北海道ではこう呼ばれるそうです。つまり、雪虫を見たので、もうすぐ雪が降る、と。

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雪虫をそっと手にとり、葉の上にのせた

(2018-10-15撮影)

雪虫の正体は「トドノネオオワタムシ(椴根大綿虫)」。アブラムシの仲間で、体に白い綿毛を付け、それがまるで雪のようにも見えます。生態は非常に興味深く、北海道に多く見られるトドマツとヤチダモという2種の樹木が関わっているのですが、生活史の詳細を説明すると長くなるので、ここでは割愛します。

昨日の北海道は、前線が通過して寒気が入ったということで、山間部では初冠雪となりました。僕はここ数日、立て続けに雪虫と遭遇し、云われどおりであれば、じきに平地でも初雪となることでしょう。近づく長い冬の足音が聞こえます。

2018-10-18掲載

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