(公財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリレンジャー
中村 聡
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62: 春の田畑に降りる水鳥
わがふるさと筑豊は、そろそろ桜の開花宣言の頃でしょうか。こちら苫小牧は、2月の厳しい寒さから一転、春の足取りは例年より早く、あっという間に周辺の雪や湖の氷はなくなってしまいました。
水面が徐々に広がるにつれ、湖に水鳥の姿が増えていくのがはっきりと分かります。多くは本州以南で冬を越し、繁殖地へ向かう途中のこの時期に立ち寄ったもの。ウトナイ湖では、いわばガン・カモ類やハクチョウ類が春の訪れを告げる鳥なのです。
春の渡りで滞在している期間は、水鳥の種によって湖を利用する時間帯が異なり、例えばマガンは、主に夜を湖で過ごすため、日中はほとんど姿が見られません。どこで何をしているかというと、周辺の田畑で落ちた米や飼料用コーンを食べています。そして、夕方になるとねぐらの湖に戻り、翌日、日の出とともに採食に出かけるのです。
コハクチョウやオオハクチョウも、マガンと同じような1日を送ります。時に1枚の田んぼに数百羽が降りて、雪が残っているように見えることも。顔を泥だらけにしてついばむ様子は、湖面を優雅に泳ぐ姿とは全く違う印象を受けます。
2019-03-23掲載
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