(公財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリレンジャー
中村 聡
総目次
63: 目覚めの春
我がふるさと筑豊は、すでに桜の花が終わり、新緑の頃でしょうか。こちらも、このところ暖かく穏やかな日が続き、ようやく春を感じるようになりました。越冬していた生きものが地中から這い出てくるという「啓蟄の日」は、今年は3月6日だったようですが、北海道は今まさに、この啓蟄を迎えています。
先日、ウトナイ湖周辺の自然観察路を歩いていると、少し先の地面に茶色い物体が。近づいてよく見ると、それはエゾアカガエルでした。普通ならすぐにピョンと跳ねて姿を消すのに、じっとしたままです。指でつんつんしても動じず、このままでは踏まれてしまうと思い、そっと手で持って横の草むらに放しました。(何と!それでも動かなかった)。冬眠明けで、寝ぼけていたのかも知れません。
また別の日は、すぐ横の木の根元に、ひょっこりと(エゾ)シマリスが現れました。僕がじっとしていると、向こうもじっと見つめています。僕の方がしびれを切らし、少し動いたところ、向こうも急にハッとしたように、そそくさと逃げ去ってしまいました。
目覚めの春。これから先しばらくは、動き始めた生きものたちとの出会いが楽しみな季節です。
2019-04-18掲載
ご意見・ご質問は、本ページのURLやタイトルを添えてこちらへ
Copyright (C) 日本野鳥の会筑豊支部 All Rights Reserved. (著作権者でない者による無断転載禁止)
本ウェブサイトは無断で自由にリンクまたはディープ・リンクができます(画像、動画、録音への直リンクは禁止)。
本ウェブサイトに記載の会社名、システム名、ブランド名、サービス名、製品名は各社の登録商標または商標です。
本文および図表、画像中では必ずしも®、™を表記しておりません。