クモの巣と紫外線の関係が面白いのですが、クモの巣の真ん中に見られる白いジグザグ模様(カクレ帯)は紫外線を反射するそうです(その他の部分はほとんど反射しない)。
花びらも同様に紫外線を反射しています。虫がクモの巣のカクレ帯を花と誤認し、寄っていっても無理はありません。うまい具合になっているものです。ところで、野鳥も実は紫外線が見えます(人には見えません)。だから、チョウなどの昆虫は花と誤認して引き寄せられ、野鳥は障害物として避けられるという訳です。とはいえ、セミなんかが捕われていたりするので、やはり見えにくいというのは有利に働くのかもしれません。
窓ガラスへの白昼バードストライク。野鳥はよくぶつかっています。紫外線をあまり反射しない性質(透過率は50〜70%)のためでしょうか。最近の窓には、家具類の退色を防ぐためUV(紫外線)カットのガラスが使われ、これは紫外線をほとんど吸収するので、野鳥は何も無いと誤解し衝突する可能性がさらに高くなります。そこで、ある頭のいい人が「鳥にやさしいガラス」を考案しました。よく衝突よけに使われるけど効果が不明なバードセイバーというシールでは、猛禽類とかの写実性にこだわるより、本当はこういう理に叶った仕掛けが必要なんじゃないかと思います。
ところで、そんなクモの巣でも、野鳥はひっかかることがあるようです。だいぶ昔のことですが、野鳥がクモの巣に、しっかりからまっているのを見たことがあります。巣立ちして間のない感じの幼いツバメでしたが、大きめのクモの巣はメチャメチャに壊されて巣の主はどこかに逃げていました。ツバメからクモの糸をすっか取り除いて、放してあげましたが、手元にカメラがなかったのは残念でした。この幼いツバメはきっと世間知らずだったに違いありません。
日本では巣を張るクモにあまり大きなものはいないようですが、外国にはやはりというか、当然のごとく居ます。のみならず、野鳥を捕らえる猛者も。
クモが空を飛ぶというと、意外に思われるでしょうか。
じつは子グモのときに、バルーニングと言われる飛行を行う種がいます。私も一度だけ遠賀川の河川敷で遭遇したことがあります。天気のよい朝などに上昇気流に向かって糸を吐き、十分長くなると気流に乗って遠くに飛んでいきます。どのくらい遠くまで行くかは風まかせ。はるか外国に到達するものもいるといいます。「クモの子を散らす」とたとえにあるように、卵から一斉に孵化すると、素早く散らばっていきます。一ヶ所に固まっていると捕食の危険があり、また互いの競争となって種の存続に不利となるためでしょうか。持ち前のクモの糸を効果的に活用し、バルーニングで散開するというのは、まさに“天晴”にしてなかなかスマートな方法です。
クモの糸をうまい具合に利用する野鳥もおり、エナガやメジロの例は、割とよく知られています。しかし、天然自然の利用にかけては霊長類たるヒトも負けてはいません。クモはグロいと敬遠するヒトには、100万匹のクモからつむぎだされた美しい織物をご紹介して、ムダ話をおしまいにしましょう。
などと言いつつ...新しい情報を得たので、蛇足をちょこっと。
紫外線と野鳥の話です。
モンシロチョウの雌雄は、ヒトが見た目に違いはほとんど無いのですが、実は、モンシロチョウ同士では、メスは紫外線を反射して明るく見え、オスは吸収するので暗く見えるそうです。これが鳥だとどうなるか?という疑問に、NHKが答えています。カラスでは、雌雄に違いが...。
(2011-02-14)
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