クマタカ
くまたか (日本野鳥の会筑豊支部)
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セイタカシギ 渋田朗の 地元鳥見ノススメ

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どこであれ、それぞれのマイフィールドこそサンクチュアリ。マメに回れば、自然はいろんな姿を見せてくれる。

諫早探鳥(準ホームグラウンド) | ビロードキンクロ | シロカモメ | ディジタル・フィールドノート

久々のコミミズク | シロチドリ繁殖 | 亜種サンショウクイと亜種リュウキュウサンショウクイの鳴き声分析

キビタキ雌の囀り?? | ホオアカ繁殖 | お溝にハマってさぁ大変

ウグイスの変わった声 | はい並んで並んで〜♪ | 秋の気配 | ヤマシギの採餌 | カラフトムシクイ飛来

ウソのつぶやき | アカエリカイツブリ | 暖冬に響く囀り | リラックスしたキジ親子

眼中に無し!のホトトギス | メボソムシクイ囀りにまたバリエーション | ようやく | 冬鳥の囀り

出張鳥見ノススメ・台湾編 | シマアジ群れ | 眼中になし!のマミジロ&マミチャジナイ | シノリガモ

地元にオオワシ出現! | 落ち着いて食べさせてよ... | そこまでやらなくても...

秋のルリビタキデー | 目の前にカラスバト! | ドイツ・ベルギー出張 | メボソムシクイ近縁種の囀り

コチョウゲンボウ vs ハイイロチュウヒ動画 | 秋のメボソムシクイ近縁種の渡り

油木ダム探鳥 | カツオドリ | 実は力持ち | チョウセンウグイス・謎の行動

地元で見た季節外れの鳥達 | コムシクイの飛来を確認 〜 第3のメボソムシクイ 〜

おませなウグイス | 一日限りのヤイロチョウ | 眼中になし!のマミジロ | ヒガラも当たり年

ハチジョウツグミ当たり年 | おっとっと | 虫喰いヒレンジャク | 真冬のノビタキ

[2022] [2021] [2020] [2019] [2017-18] [地元鳥見ノススメ]

諫早探鳥(準ホームグラウンド)

渋田 朗 2016-12-24

2016年の12月24日クリスマスイブは、波多野邦彦氏と私たち夫婦で、長崎県諫早の干拓地で探鳥してきました。
またページコンセプトから外れてる? いえいえ、諫早は私のお気に入りで、年に数回(2016年は3回)は必ず訪れる『準ホームグラウンド』なのです。冬季に探鳥するには、九州内ではベストスポットの一つだと思います。筑豊のツアーもいかがですか(笑)? 比較的農道が広い中央干拓だけでも、十分楽しめると思います。
今回の探鳥リストは合計70種。かなりのんびり探鳥しましたが、あえてリストを増やすように行動していれば更に伸びたはずです。
今回はオオハクチョウの群れが飛来していて、遠目ながら7羽が観察できました。地元の方によればコハクチョウも来ているそうですが、今回は見つけられず。カモ類にはなかなか目が行きませんが、ミコアイサなどはかなりの個体数です。
すっかり諫早の名物となったナベコウは、電柱の上にとまっている成鳥二羽が見られました。こうなると非常に発見しやすいですが、狭い水路に入ることもあって運次第といったところです。
ツルはもちろん出水の万羽鶴には遠く及びませんが、それでもマナヅルは19羽、ナベヅルは約120羽と非常に多いです。諫早でも十分にその姿を楽しむことができます。
農地ではタゲリやミヤマガラス(今回探してませんがコクマルガラスも混じる)があちこちで見られます。ツメナガセキレイやマミジロタヒバリが普通に越冬しているのも、諫早の魅力でしょう。地元ではほぼ渡りの時期のみなので、羨ましい環境です。
猛禽ではチュウヒやハイイロチュウヒは、九州では最も個体数が多いのではないかと思います。葦原の低い場所をヒラヒラと飛んだり、遠目には木にとまっている姿も常に確認できます。今回もハイイロチュウヒ雄成鳥の美しい姿が見られましたが、写真は撮れませんでした。その他ハヤブサ・チョウゲンボウ・コチョウゲンボウ、ノスリやハイタカ、今回は見られませんでしたがオオタカも頻繁に見られます。今季はコミミズクも越冬しているそうで、張り込んでいるカメラマンの姿もありました。
広大な葦原ではオオジュリンやツリスガラ、ホオジロにホオアカなどが主役ですが、アリスイや、ベニマシコ(今回二桁の個体数)もあちこちで鳴いていますし、今回は聞けませんでしたがムジセッカの声もしばしば聞かれます。あと今回は、サンカノゴイが飛ぶ姿も3個体見られました。

ビロードキンクロ

渋田 朗 2016-12-31

大晦日に今年最後の地元探鳥をしているときに、波多野邦彦氏からの情報で現場へ急行。宗像市の海岸から、沖合に浮かぶビロードキンクロ5羽を見ることができました。福岡では志賀島に毎年の様に飛来しているようですが、地元で見るのは初めての鳥です。
5羽はバラバラに、スコープで何とか確認できる距離に浮いている個体が多い中、比較的距離が近かった二羽は光線条件にも助けられ、なんとか証拠写真を残すことができました。
この日は別の海岸で、これまた地元では初めてのミミカイツブリも観察でき(撮影は断念)、素晴らしい一年の締めくくりになりました。

  • 撮影日時:2016年12月31日 11:45〜
  • 撮影場所:宗像市 e6418+3327
  • 観察者:渋田 朗

シロカモメ

渋田 朗 2016-12-25

クリスマスの朝、いつもの地元海岸を覗いてみると、気になる大型カモメが飛び去る姿。ん?今のはもしや...双眼鏡で行き先を見極め、車で追ってみると、幸運にも数百メートル離れた場所の海上で、他の大型カモメに混じって浮いている姿を再発見できました。
思った通り、シロカモメ第一回冬羽です。時期が早い事もあり、同種にしてはやや色が濃い個体でそれほど白く見えないのですが、体格や嘴(ピンクと先端の黒の境が明瞭、先端下嘴の膨らみが小さい)などに特徴が現れています。北部九州では見られる機会が少なく、地元では初めて見ました。
どちらかと言えば岩場とか外海を好むイメージで、人がわりと近くにいる環境が落ち着かなかったのか、ものの3分ほどで再び飛び立ち、外海の方へと飛び去っていきました。
例によって、このワンチャンス以降は姿が見えませんが、一帯の海を飛び回ってるかもしれないので、この冬はマークしておく必要がありそうです。

  • 撮影日時:2016年12月25日 0828〜
  • 撮影場所:福津市津屋崎 e6418+2340、e6418+2341
  • 観察者:渋田 朗

ディジタル・フィールドノート

渋田 朗 掲載2016-12-11

今回はちょっと変わった趣向で、現在愛用中のスマホ活用ディジタル・フィールドノートを少し御紹介します。 スマホは画面の大きさでiPhone 6Plusを、アプリはEvernote(エバーノート)というソフトを使っています(使い方説明のサイト)。単なるメモアプリなので、好みに応じて選べば良いのですが、私がこれを選んだ理由は後述します。
1日毎に年月日で名前をつけた1つのファイル(Note)を作成し、それを月別のフォルダ(Notebook)に整理する使い方をしています。
(写真はすべて、スマホの画面を複写したものです。)

久々のコミミズク

渋田 朗 2016-11-12

11月12日のお昼過ぎ、農耕地を探鳥していると、ふわふわと飛び回るコミミズクを発見。地元でも過去に何度か見たことはありますが、本当に久しぶりの飛来です。晴れた真っ昼間の意外な出現でしたが、不覚にも短時間で見失ってしまい、写真は遠目の飛翔姿のみとなりました。
その後、活動が活発になる夕暮れ時17:30頃を狙って、今度は嫁さんを連れて付近を探したところ、嫁さんがうまく見つけてくれました。夕暮れの中でふわふわ飛ぶ姿をしばらく楽しめましたが、やがて闇に消えていきました。
過去の記録はいずれもワンチャンスの通過個体で、越冬してくれたことがないのですが、今回もこの日以降は確認できていません。れでも、コミミズクが立ち寄ってくれるのは、豊かな自然が残っている証。この環境をいつまでも大切にしたいものです。

  • 撮影日時:2016年11月12日 12:38〜
  • 撮影場所:福津市津屋崎 e6418+2352
  • 観察者:渋田 朗

シロチドリ繁殖

渋田 朗 掲載2016-10-14

7月23日の朝、波多野邦彦氏より連絡で、地元の砂浜でシロチドリの親子が見られたとのこと。人通りもそこそこありそうな場所で、あんな場所で繁殖?と不思議に思いながら現場へ急行。親鳥と一緒にいる、可愛らしい一羽の巣立ち雛の姿がすぐに見つかりました。もうメロメロになりそうなほど可愛いです(笑)
さらに翌24日には二羽目の雛を確認。人通りが少ないときにも、好奇心旺盛なハクセキレイなども結構いる場所で、親鳥はそれを追っ払うのに大忙しです。二羽の雛はそれぞれ好き勝手に歩き回るし、子育ては人も鳥も同じように大変ですねぇ。。。
場所が場所だけに、無事に育つかとても心配で、割りとマメにこっそり様子を見に行きました。まるで成長を見守る親戚のオジサンの心境です(笑)
我々の心配をよそに、二羽とも順調に成長して、8月中旬には飛べるようになり、姿が見えない事もしばしばありましたが、いつの間にか戻ってくる。余程この条件が悪そうな場所が気に入ったのでしょうか??
最後は8月26日に見かけたのを最後に、この親子の姿が見えなくなりました。きっと無事に、越冬する場所へ移動してくれたことでしょう。以外の近場の砂浜で、群れに合流してるかもしれませんね。

亜種サンショウクイと亜種リュウキュウサンショウクイの鳴き声分析

渋田 朗 掲載2016-09-27

この秋のシーズンは、地元フィールドにもよく亜種サンショウクイの群れが飛来します。
時々話題になる、亜種サンショウクイと亜種リュウキュウサンショウクイの鳴き声の違いについて、サウンドスペクトログラムを使って分析してみました。
(サウンドスペクトログラム:横軸に時間、縦軸に周波数をとって周波数成分の強さを濃淡で表わした図)

  1. ピッチについて:ピークの周波数帯が、亜種サンショウクイが約4〜6kHz辺りであるのに対して、亜種リュウキュウサンショウクイは約5.5〜6.5kHzとやや高めの周波数です。その為、亜種サンショウクイよりもややキツめの音色に聴こえます。
  2. アップダウンについて:いずれも「ピリリリッ」と表現される声ですが、亜種サンショウクイの声はサウンドスペクトログラム上でもリズミカルでアップダウンが大きいのに対して、亜種リュウキュウサンショウクイはもっと小刻みで、上下幅も小さいです。亜種サンショウクイに比べて一本調子な感じに聴こえます。

2つを並べて聴き比べれば、違いはわかると思いますが、フィールドで聞き分けるにはかなりの慣れが必要だと思います。

キビタキ雌の囀り??

渋田 朗 2015-04-29

Highslide JSキビタキ雌

少し古い話ですが、2015年4月29日の事。いつもの地元探鳥ポイントを回っているときに、ちょっと聞き慣れない囀りに気が付きました(録音データは翌30日のもの)。直感的にヒタキっぽいと思ったのですが、非常に短調なフレーズの繰り返しでした。何とか姿を見て、写真に収めようとしますが、茂った木の高いところをすばしっこく動き、私の未熟な腕前ではなかなか捉えることができません。
この声は、この一帯で5月7日までは時々聴かれましたが、なんとか枠内に捉えたのは、何とも半端な写真ばかりながら、どうやらキビタキの雌成鳥の様です。またキビタキ雄に密着マークされているのも確認でき、これも裏付けになりそうです。
そう言われてみれば、キビタキ囀りの一節を切り出したように聴こえますが、複雑な囀りのここだけを延々繰り返されると、なんだか印象が違います。雌もこのくらいの声は出すのか、あるいは雌個体の雄化なのか? その場合も、雄の密着マークを受けるものなのか。。。色々謎な出来事でした。

  • キビタキ雌囀り? h12px (2015-04-30 43秒:mp3)

ホオアカ繁殖

渋田 朗 2015-08-14

Highslide JSホオアカ♂成長

8月11日の朝、地元福津市にてホオアカの囀りに気が付きました。
昨年も囀りを確認しており、どこか近隣の繁殖地から一時的に来るのかと思ってましたが、翌日以降もその付近で連日囀りが聞こえてきます。
最初は車で通りかかりに気が付きましたが、8月14日〜15日に徒歩で調べてみたところ、その一帯(結構広い範囲)で少なくとも成鳥雄が2羽以上、幼鳥が5羽以上確認できました。

成鳥雄:この期間、ほぼ決まったエリアで連日囀り。囀り動画も紹介します。
幼鳥個体A:最初に見つけた幼鳥で、すでにホオアカらしい感じになっています。
幼鳥個体B:個体Aと似た成長度合いですが、胸の感じが異なります。
幼鳥個体C:一番成長した個体。
幼鳥個体D:巣立って間もないのか、胸のあたりはまだほぼ無班。このようなタイプが2羽見られた。

これだけの個体が確認できたことから、この一帯で繁殖した可能性が高いです。ホオアカといえば、平尾台のような標高の高い草原で繁殖するイメージなので、地元の平地での繁殖は意外でした。
成鳥雄の囀りは8月17日を最後に聴かれなくなりましたが、幼鳥の姿はその後も時々見られました。
今までノーマークで、気づいた時期が遅かったのですが、来年以降もこの一帯で繁殖するか注目です。
(繁殖情報なので、場所の詳細は割愛します。)

お溝にハマってさぁ大変

渋田 朗 2016-08-14

Highslide JS溝の中のヒクイナ一家

8月14日の朝、地元農道を車でゆっくり進みながら探鳥していたところ、舗装された農道で横切るヒクイナのペアが。さらにその後、6羽の巣立ち間もないヒナがぞろぞろ続きます。
家族揃って田圃のお引越しかぁ。。。と、すっかり和んだ気分で眺めていた時、事件は起こりました。
引っ越し先の田圃の縁には、小さな側溝があります。夫婦の親鳥は難なく飛び越えられる幅なのですが、くっついて歩いてたヒナたちは、私の目の前で次々と側溝に落下(笑)
あら〜って感じで慌てた夫婦の親鳥は、さかんに降りたり登ったりを繰り返し、「ほら、こうやって登るんだよ」と教えてる風でしたが…ヒナにはとても無理です。
最後尾に居たヒナ1羽だけが落下を免れて、上から様子を眺めてましたが、最終的には「しゃ〜ない、付き合うとするか。全く、できの悪い兄弟を持つと大変だわぁ」(笑)
私も迷いながらも、ヒナを溝から上げてやることくらいできないかと考えましたが、ちょっと近づくだけで、ヒナたちは物凄いスピードで逃走。とても手で捕まりそうもありません。物陰に隠れた親鳥たちもカンカンに怒って、スゴイ警戒音出してるし。
やがて、二羽のヒナが自力で脱出口を見つけてくれたので、みんなの無事を祈りつつ、そっとその場を離れました。やはり自然の摂理に任せるのが一番なのでしょうね。

  • 撮影日時:2016年8月14日 08:50〜
  • 撮影場所:福津市内(繁殖情報につき詳細非公開)
  • 観察者:渋田 朗

ウグイスの変わった声

渋田 朗 掲載2016-08-23

おなじみウグイスの囀りですが、「ホーホケキョ♪」という完璧な声よりも、一声多いとか、どこかちょっとだけ違うバリエーションを耳にする方が多いかもしれません。しかし、中には「もしかして別の亜種じゃないか?」と思わせるような声を耳にすることもあります。
以下、古い録音ですが2つの例を紹介します。いずれも亜種ウグイスの変異個体という推測していますが、別亜種の可能性もゼロではありません。

 参考 

国立科学博物館サイトの鳥類音声データベースで、各地のウグイスの録音を聞くことができる。
ウグイスの囀りは、通常の「ホーホケキョ」のH型と、やや低めの声で「ホーホホホケキョ」などと聴こえるL型に分類され、L型の録音ファイルの中には「ホケキョ」部分が目立たないものがしばしば見られる(奄美諸島喜界島の録音など)。しかしこのような個体でも、明瞭に「ホケキョ」が入るH型の囀りが交じるのが通常とのこと。

はい並んで並んで〜♪

渋田 朗 2014-06-15, 2016-07-31

Highslide JS

夏の風物詩です(^^)
7月31日の7時半頃、一列になって泳ぐカルガモ親子の姿。雛はまだ巣立ち間もない感じで、8羽が親鳥の後を一列に並んでついて回ってました。かなり遠いので鮮明な写真とはいきませんでしたが、可愛いので良しとしましょう。
なんとも癒される光景ですが、あまりにも開けた場所を悠々と泳いでいたので、何か天敵に狙われないかと心配になります。みんな無事に育ってくれますように。。。
カルガモついでに、2014年6月15日に撮った写真も便乗掲載します。こちらはかなり成長してますが、小さな羽で一人前に羽ばたきの練習する姿がキュートです(笑)
撮影場所:福津市内

秋の気配

渋田 朗 2016-07-30

Highslide JSオオジシギ

野鳥の世界は、梅雨が明けたら秋の始まり。。。といいますが、今年も7月下旬から、秋の渡りと思われる個体がちらほら飛来しています。
林の鳥では、7/24のコサメビタキが一番乗りで、センダイムシクイが続いてます。
シギチの方は農耕地の状態にも左右され、今年は休耕田の水が枯れていて厳しい状況ですが、意外なところで7/30にオオジシギが確認できました。オオジシギは水辺をあまり好まず、乾燥した農地で見られることが多く、ジシギ類の中では渡りの時期が早い傾向がありますが、地元では8月中旬以降というイメージで、7月に見たのは初めてです。
なおジシギ類の識別は大変に難しく、今回も波多野邦彦氏にご協力いただきました。今回は総合的な判断ですが、厳密に識別するには、決定的なポイントである開いた尾羽の確認が必要で、これは大変な根気と運が必要です。
暑い毎日が続きますが、熱射病に十分気をつけて、頑張って鳥見しましょう。

  • 撮影日時:2016年7月30日 1300〜
  • 撮影場所:福津市勝浦 e6418+2384

ヤマシギの採餌

渋田 朗 2014-01-04,18

Highslide JSヤマシギ

季節外れですが、冬鳥のヤマシギのお話です。
ヤマシギを見るのは簡単ではなく、見られても飛び去る姿だけという事も多いです。採餌シーンをゆっくり見るとなると、定まった採餌場所がわかっている場合くらいです。
採餌場所は年によって違うようで、昨冬は決まった場所で見ることができませんでしたので今年の冬に期待したいと思います。
過去に最もじっくりと観察できたのは2014年1月で、この時は真っ暗なうちからブラインドで待ち構えていると薄明るくなってきたくらいの時間帯に、かなりの高確率で採餌に現れました。しかし、明るくなりきる前に林に帰ってしまうので、撮影は至難の業です。
なんとか残した証拠写真と動画を紹介します。

カラフトムシクイ飛来

渋田 朗 2016-04-22

カラフトムシクイの
さえずり

h12px

32秒 mp3

春先に福岡市での長逗留が話題となったカラフトムシクイが、地元福津市でも確認できました。といっても、今回は囀りのみの確認です。
2016年4月22日の朝7時頃、地元のお散歩コースでは、雨上がりで渡り鳥がたくさん囀っていました。出勤前のひと回りで、囀りの確認ばかりですがキビタキ3羽、センダイムシクイ14羽、エゾムシクイ3羽、キマユムシクイ2羽、ヤブサメ3羽、コルリ3羽、コマドリ1羽という賑やかな顔ぶれ。
その中で、地元では初めてカラフトムシクイの囀りが確認できました。「チュルチュル」「チュイチュイ」という感じの囀りの間に、「ツィッ」という小さな地鳴き(前奏?)が入るのも特徴です。(録音では中盤17秒ぐらいの声がわかりやすい)林の奥から聞こえてくるので、出勤スタイルでは深追いもできず、今回は囀りの録音だけです。
何しろ賑やかな日なので、キビタキやヤブサメ、センダイムシクイなどが録音の邪魔をして大変でした(笑)今回も一日限りでしたが、地元ならでは「仕事前のひと回り」の成果でした。

  • 録音日時:2016年4月22日 07:06〜
  • 撮影場所:福津市渡 e6418+2340
  • 観察者:渋田 朗

参考:

ウソのつぶやき

渋田 朗 2016-02-21

Highslide JSアカウソ(亜種)
2016-02-21 08:42

2016年2月21日朝、お隣・宗像市で鳥見していたところ、駐車していた場所のすぐ近くの桜の木に、亜種アカウソがやって来ました。大体あまり人を恐れない鳥ではありますが、向こうからどんどん近づいて来ます(笑)
しばらく観察していると、陽気のせいか上機嫌でぐぜり始めました。なんだか小声でブツブツとつぶやくか、鼻歌まじりという感じの声です。たまに耳にすることがありますが、とても小声なので、こんな時しか録音チャンスはありません。周囲の音が気になりますが、音声ファイルでご紹介します。

そういえば、ウソはヒューヒューと嘯(うそぶ)く声しか印象にありませんが、繁殖期の囀りってどんな感じなんだろう?とネットで調べてみると、冬場と似た声で、フィーフォフォと二〜三声になる程度の録音が多い様です。いかにも囀りという声は、「サントリーの愛鳥活動」というページで聴くことができます。

  • 撮影・録音日時:2016年2月21日 0840頃〜
  • 撮影場所:宗像市池浦 e6418+2476
  • 観察者:渋田 朗

アカエリカイツブリ

渋田 朗 2015-12-19

Highslide JSアカエリカイツブリ

アカエリカイツブリは、この地域では個体数が少なく、また幸運にして見る機会があっても、海岸からは遥か沖にいる個体がほとんどです(プロミナーでも豆粒のような姿を必死で観察、写真なんてとても無理)。
ところが12/19土曜日の昼間、この鳥が福津市(福岡県)の海岸の比較的近くまで来てました。デジスコであればなんとか証拠写真も残せる距離です。福津市内ではまだ2回目の記録ですし、この鳥をこんなに近くで見られたのは初めての経験です。
写真と動画でその様子をご紹介いたします。近くを泳いでいたカンムリカイツブリと向き合って、鳴き声を上げるシーンも見られました。動画撮影中に羽ばたきをやってくれましたので、動画の最後にスローも入れています。図鑑と見比べていただくと、羽のパターン(大きさが比較的近いカンムリカイツブリとの違い)がわかると思います。

  • 種名:アカエリカイツブリ
  • 撮影日:2015年12月19日
  • 場所:福津市津屋崎 e6418+2341
  • 観察者:渋田 朗

暖冬に響く囀り

渋田 朗 2015-11,-12

Highslide JS
ルリビタキ

地元では、この冬もルリビタキの越冬個体数は順調な感じです。
お散歩コースの林では、狭いエリアに3羽が居座っていて、渡来直後は3羽で激しく縄張り争いしていました。
ルリビタキは渡来直後11月下旬の陽気のいい日に、しばしば囀りが聞かれますが、この冬は暖冬の影響か、12月後半に入っても耳にすることがあります。
11月23日に目立つところで囀っていた若い雄個体の様子を、動画で撮ってみました。まだ薄暗い時間帯の、手持ちでの動画撮影でお見苦しいかと思いますが、雰囲気だけでも。

  • 撮影日時:動画は2015年11月23日 07:30頃 画像は各ファイル名参照
  • 撮影場所:福津市渡 e6418+2346

リラックスしたキジ親子

渋田 朗 2015-06-21

Highslide JSキジ母子

2015年6月21日のことですが、お隣・宗像市で野鳥調査をしているときに、草地でリラックスしたキジの親子を見かけました。足環がないので野生個体と思われ、1羽の雛を連れていますので、通常なら警戒心が強いと思われるのですが、10メートルそこそこの距離の歩道を人が歩いても、あまり気にする様子なし。ちょっとしか物影から、ゆっくりと観察できました。そろそろ羽ばたきの練習を始めた雛の行動が、とっても可愛いです。
その後は様子を見に行っていませんが、無事成長していることを祈っています。

  • 撮影日時:2015年6月21日 07:00頃(動画あり)
  • 撮影場所:宗像市江口 e6418+3410

眼中に無し!のホトトギス

渋田 朗 2015-09-05

Highslide JSくつろぐホトトギス

9月5日、いつもの探鳥コースで、とある木の近くを通り過ぎた後に、ふとなにか感じるモノがあって振り返ると…
その木にじっととまっているホトトギスの姿。トケン類といえば、警戒心が強いイメージがあるのですが、たまにこんな例外も居るみたいです。こちらに気づいてないはずはないのですが。
このような「眼中に無し!」に見える個体は、「本当は警戒してるのにバテバテで動けないのでは?」などと気になるものですが、そのうち羽繕いや伸びをしてみたりで、どう見てもリラックスしてます(笑)
15分ほどゆっくりした後に、ようやく飛び去りましたが、翌日にはまた同じ木にいました。余程気に入ってくれたんでしょうねぇ。ゆっくり休息をとって、無事に越冬地へたどり着きますように。(e6418+2346)

メボソムシクイ囀りにまたバリエーション

渋田 朗 2015-05-03

以前「メボソムシクイ近縁種の囀り」という記事の中で、メボソムシクイの囀りバリエーションとして、基本の四拍子の囀り以外に、繁殖地によって三拍子や五拍子に聴こえる「方言」があることをご紹介しました。
ところが、2015年5月3日に地元福津市で聴いた声は、それらの声とはまた違うパターンでした(実際、メボソムシクイと認識するまでに少々時間がかかりました)。今回は2個体が近くで囀っていましたが、どちらも同じような囀りでした。代表的な2種類のパターンを、音声ファイルとヒストグラムで紹介しますが、実際にはこれらがまた少し変わったパターンも混じった複雑な囀りです。
パターン1ファイルの冒頭の地鳴きは、ヒストグラム上もいつものメボソムシクイの特徴が出ていますが、囀りは周波数の上下が複雑、また音節の区切りが不明確で「何拍子」という表現がしにくい声です。
パターン2には、素音が重複している箇所もあり、これも通常のメボソムシクイやその近縁種の囀りでは見られなかった特徴です。
当初は本格的な繁殖期前の変わった声かとも考えていたのですが、黒田治男氏より、岩手県で同じような声を聴いたことがあるとの情報を頂きました。「バードリサーチ・鳴き声図鑑」に掲載された、岩手県早池峰での録音データも似た感じの囀りです(岩手県八幡平での録音もやや似ている。ともに三上かつら氏録音)
今回の2個体が同じような囀りだったことも考え合わせると、今回のバリエーションも、繁殖地の違いによる方言の可能性がありそうです。
なお末筆になりましたが、本投稿内容で様々なアドバイスを頂いた黒田治男氏、並びに渡部良樹氏に、この場を借りてお礼申し上げます。

ようやく

渋田 朗 2015-05-02,23

Highslide JSチゴモズ

この春のシーズンに、地元福津市内で「ようやく」見られた2種です。どちらも離島ではしばしば記録されるのですが、これまで縁がありませんでした。
春と秋の渡り時期は、いろんな渡り鳥がフィールドを通過していきます。場所によって状況は様々ですが、それぞれの場所にきっとそれぞれの楽しみがあります。マメにマイフィールドを回れば、自然はいろんな表情を見せてくれます。頑張って通いましょう♪

冬鳥の囀り

渋田 朗 2015-07-18

Highslide JSミヤマホオジロ

7月11日、地元フィールドを回っていると、思いがけずホオアカの囀りを耳にしました。
北部九州も、標高の高いところに行けば繁殖していますが、平地のこの地域で7月に見かけたのは初めてです。どこからやってきたのでしょう?
この流れで、普段耳にする機会が少ない、冬鳥たちの囀りを紹介します。

出張鳥見ノススメ・台湾編

渋田 朗 2015-06-02/05

Highslide JSミドリカラスモドキ

またまたページコンセプトから外れますが、旅行けばやはりその地の鳥を見たいもの(笑)
今度は6/2〜6/5にかけて、台湾・台北市に出張でした。はい、例によって週末なしです(泣)
ただし、今回も小さな双眼鏡とコンデジは連れて行きましたし、早起きすればホテル周辺の公園でプチ鳥見が楽しめました。篭脱けも少なくないと思いますが、あまり気にせずに楽しんできました。
主な観察地は台北駅近くのホテルから徒歩でいける公園で、早朝1〜2時間程度です。

  • 建成公園(メッシュコード@3721-4461) 6/3, 6/4
  • 康楽公園、林森公園(隣り合わせ メッシュコード@3721-4462) 6/3, 6/4
  • 延平河濱公園(川沿い メッシュコード @3721-4460) 6/5

メッシュコードのリンク先では、現地地図が見られます(サイトの説明は文字化けしますが地図は正常です)。

シマアジ群れ

渋田 朗 2015-04-25

Highslide JSシマアジ

旅鳥として春秋に少数が通過するシマアジですが、この春は珍しく小群で飛来。
4月25日に、溜池に2ペア4羽が飛来しているのを確認しましたが、翌4月26日からは3ペア6羽になりました。割と長逗留で、5月6日の終認までは同じ池で見られました。
いつも溜池の一番奥に居たので、写真はどれもかなりの遠距離です。
ペアの仲の良い行動も見られましたが、あまり仲が良かったためか(?)、ハシビロガモに思わぬ攻撃を受けたシーンを、動画で紹介します。

  • 動画撮影日:2015-04-25
  • 写真・動画メッシュ:e6418+2344

Garganey(58秒 BGM再生)

眼中になし!のマミジロ&マミチャジナイ

渋田 朗 2015-05-01,06

Highslide JSマミジロ

どうも春のシーズンに一度ぐらいは、「眼中になし!」という鳥に出会うようです。
以前にも投稿しましたが、今年も5月1日に、またまたマミジロと至近距離で遭遇。僅か数メートルの距離でも黙々と採餌していました。暗い林道の中でしたが、露出を落とすと「闇夜のマミジロ」の出来上がり(笑)
さらに5月6日には、今度はマミチャジナイが同じように「眼中になし!」でした。こちらも採餌に夢中な様子。両個体の採餌シーンを動画に収めました。
人を恐れないのもあるのでしょうが、それよりお腹が空いて大変なのかも。しっかり食事&休息して、無事に繁殖地にたどり着きますように。

  • マミジロ 2015年5月1日
  • マミチャジナイ 2015年5月6日

動画・写真ともにメッシュはe6418+2346

Siberian Thrush & Eyebrowed Thrush(57秒 BGM再生)

シノリガモ

渋田 朗 2014-12-21

Highslide JSシノリガモ

すっかり季節外れになって申し訳ありませんが、たまに地元海岸にやってきてくれるシノリガモ。毎年飛来する志賀島よりも、近距離で観察できるのが魅力です。
この冬は2014年12月12日に3羽初認後、しばしば海岸近くに姿を見せてくれ、最盛期には5羽が見られました。今季の終認は2015年3月15日です。
今回は珍しく、美しい成鳥雄も姿を見せてくれたので、華やかな雰囲気になりました。
この海域では、潜水して海底のカニなどを採餌しているようで、その様子を動画にも収めました。
さて、次回はいつやってきてくれるでしょうか?
(BGMはYouTubのオーディオ ライブラリより) (動画・写真の撮影は、e6418+2340)

Harlequin Duck(1分45秒 BGM再生)

地元にオオワシ出現!

渋田 朗 2015-02-07

Highslide JS悠々“地元”のオオワシ

先日の北海道ツアーに参加された方々は、堪能されたと思いますが、この鳥が福岡に飛来するとは思いませんでした。

2/7土曜日の朝8時半頃の事。いつもの探鳥散歩コースの林を歩いていて、やや視界が開けたところでふと上空を見ると、巨大な鳥が悠々と飛んでいます。モビングを仕掛けるノスリが小さく見え、気にもしていない様子。まさに威風堂々、オオワシの成鳥です! 数回旋回した後に、山影に入ってしまいました。かなり低空で観察出来ましたが、残念ながら写真は曇天空抜けです。(e6418+2343)

その後、約4時間後の12時半頃になって、波多野邦彦氏が上空で再発見。同種としては珍しく、住宅地上空を飛ぶ姿が見られたとのこと。

それ以降もマークしていますが全く発見情報はなく、残念ながらやはり通過のみだったようです。同種の越冬には厳しい環境であり、最後に確認された12時半の飛翔で、海側に抜けてしまったかもしれません。

対馬を除く九州では稀で、福岡県内で写真が残っている記録としては初ではないかとの事です。ややチャンスがありそうなオジロワシも記録がない福津で、オオワシそれも成鳥が見られるとは思いませんでした。冬季はフィールドの変化が乏しいのですが、油断はできません。

落ち着いて食べさせてよ...

渋田 朗 2014-10-12

Highslide JSチョウゲンボウお食事中

2014年10月12日の正午過ぎに、チョウゲンボウ雌がバッタのような昆虫を捕食しようとしている場面に遭遇しました。

ところが食べようとすると、2羽のカササギがチョウゲンボウの上から覗きこんだりイタズラして、なかなか落ち着いて食べられない様子。

しばらくすると、この建物にハクセキレイとかハシボソカラスまで野次馬のようにやってきて、だんだん賑やかになる様子も笑えます。ちなみに、動画はハシボソガラスがカササギを追い払ってくれた様に見えていますが、カササギの嫌がらせはこの後も続いていました。

動画 YouTube™ Common Kestrel vs Magpie(55秒、筆者撮影)

そこまでやらなくても...

渋田 朗 2014-12-28

Highslide JSシロハラの死闘

12月28日に地元公園で探鳥していると、いきなり土手のすぐ下で、2羽のシロハラが大格闘を始めました。たまに目にする光景ですが、ちょっと動画に撮り始めてみると、その喧嘩がすごいこと。。。

ズームして見るとすごい迫力です。動画をYouTubeにアップロード(下記リンクをクリックで再生)してみましたが、激しいシーンが苦手な方はおすすめしません(笑)

なにも、そこまでやらなくても...いつもは仲良く採餌してるのですが、いったい何が有ったのでしょうね??

動画 YouTube™ Fighting Pale Thrush(1分1秒、筆者撮影)

秋のルリビタキデー

渋田 朗 2014-11-23

Highslide JSルリビタキ成鳥雄

11月23日は、秋のルリビタキデーと呼ぶべき日で、地元でいつも歩いている探鳥コースをぐるりと一周しただけで、8個体のルリビタキが確認できました。今年の4月6日に11個体という記録もありますが、それに次ぐ多さです。

中でもある場所では、3個体のルリビタキが囀りを競い合っていました。ルリビタキ飛来直後の時期は、陽気がいいと囀りが聴かれることはありますが、3羽の鳴きかわしは珍しいです。

録音してみましたが、ヒヨドリなども賑やかに鳴いているので、ちょっとわかりにくいかも。

ちなみに平和な鳴きかわしではなく、ジョウビタキ雌1羽を加えた4羽で、盛んに縄張り争いをしていました。録音にも威嚇するような声が混じっています。

なおこの日は、ウソ7羽の群れも見られましたので、この写真も合わせて投稿します。この地域で見られるのはほとんど亜種アカウソですが、この日は亜種ウソ雄が1羽混じっていました。

ルリビタキ鳴きかわし (2014-11-23 1分)  

目の前にカラスバト!

渋田 朗 2014-11-09

Highslide JSカラスバト

11月9日の日曜日に、地元福津市の林の中でツグミ類を観察していると、目の前に思いがけずカラスバトがふわりととまりました。ブラインドを使っていたわけでもないので、大変驚きました。

あまりの近距離に身動きできなくなりましたが、ゆっくりとカメラを持ち上げて、シャッターを数回切りました。光線状態は厳しいのはやむを得ません。この距離ですぐに飛ばなかったのは、やはりたどり着いたばかりで疲れていたのでしょうか?

当然の如くこの日のみの確認で、その後は声も姿も確認できず。

本種は離島に生息する留鳥とされていますが、県内の離島でも繁殖する島と、渡り時期や冬季にしか見られない島もあるようで、やはり移動もしているようです。ただいずれにしても、本土での記録は非常に少ないと思います。

この地域では過去に鳴き声が一度、飛翔する姿が一度確認されていますが、しっかり観察でき、証拠写真が撮れたのは今回が初めてです。

余談ですが9月27日には、この地域で亜種アカゲラが確認できました(残念ながらシャッターチャンスは皆無)。やはり留鳥とされ、九州にはいないはずの鳥なのですが、こちらも全く移動しないわけではないようです。留鳥とされている鳥の生態にも、まだまだ謎が沢山です。

ドイツ・ベルギー出張

渋田 朗 2014-08/09

Highslide JSシュバシコウ

ページタイトル「地元鳥見ノススメ」とかけ離れた内容で申し訳ありませんが(笑)、旅先ではその土地の鳥を楽しみたいと思うのもまた人情。

8月〜9月にかけて、2回にわたってドイツ・ベルギーへ出張(野鳥とはまるで関係ない仕事です)する機会があり、週末のちょっとした時間を利用して、それぞれの地で野鳥の姿を楽しんできました。

ドイツは大都会・ハンブルク市内ですが、中心部を少しはずれると結構鳥見が楽しめました。またベルギーでは、少し足を伸ばして欧州屈指の探鳥地・ズウィン自然保護区にも行くことができました。どちらも短時間の鳥見だったのと、双眼鏡とコンデジのごく軽装備だったのが残念でしたが。

丁度秋の渡りが始まる時期で、ドイツ・ハンブルクでは8月上旬と9月上旬の二度のチャンスが有ったのですが、意外と顔ぶれに変化は感じられませんでした。

メボソムシクイ近縁種の囀り

渋田 朗 2014-07-13掲載

Highslide JSコムシクイ
(2013-09-28)

日本鳥類目録改訂第7版で、メボソムシクイ3亜種が、3つの独立種メボソムシクイ(Phylloscopus xanthodryas)、オオムシクイ(Phylloscpous examinandus)、コムシクイ(Phylloscopus borealis)として掲載された事に関連して、過去二回にわたって記事を投稿してきました。

前回の「秋のメボソムシクイ近縁種の渡り」では、秋の地鳴きによる識別と調査結果を報告しましたが、もうひとつ書き残している内容があります。実は地鳴きだけでなく、春の渡りにおける囀りも、注意が必要なのです。

地元(福津市)で録音した地鳴き+囀りのソナグラム(声紋)を交えながら、このことについて解説します。

コチョウゲンボウ vs ハイイロチュウヒ動画

渋田 朗 2013-01-13

Highslide JSこのしつこさはちょっと異常かも

古い話&県外での話で恐縮ですが、過去ファイルを整理していたら、面白いものを見つけました。

2013年1月13日、長崎県諫早干拓で探鳥していた時に遭遇した、コチョウゲンボウvsハイイロチュウヒの空中戦の様子を、動画に収めたものです。

vsと言っても、実態はコチョウゲンボウが一方的に追い回しています。下手に編集せず撮ったままで公開していますので、迫力をお楽しみください。息もつかせぬ連続攻撃だとお分かりになると思います。このしつこさはちょっと異常かも??

ちなみこのコチョウゲンボウ、直前にはカラスをモビングしまくっていました。小さいのに、喧嘩っ早い奴です。

動画 YouTube™ Merlin vs. Hen harrier(1分50秒、筆者撮影)

秋のメボソムシクイ近縁種の渡り

渋田 朗 2013-秋

Highslide JSコムシクイ
2013年9月23日撮影

(クリックで拡大・縮小)

以前「コムシクイの飛来を確認〜第3のメボソムシクイ〜」の記事で、日本鳥類目録改訂第7版ではメボソムシクイ3亜種が、3つの独立種

  • コムシクイ (Phylloscopus borealis)
  • オオムシクイ (Phylloscpous examinandus)
  • メボソムシクイ (Phylloscopus xanthodryas)

として掲載された事に触れました。

この3種は、外観だけによる識別はなかなか難しく、鳴き声が重要になってきます。秋の渡りでは地鳴きによる識別が必要であるため、春よりもハードルが高くなり、これまで十分な研究がなされていないように思います。

漠然と「秋の渡りはメボソムシクイが多い」と考えていたのですが、2013年秋の渡りでは、地元福津市でこの点を意識しながら、ソナグラム分析を含めて調査しました。その結果、次のような意外な結果が出ました。

油木ダム探鳥

渋田 朗 2014-01-02

Highslide JSリュウキュウサンショウクイ(サンショウクイ亜種)

1/2に嫁さんの実家に帰った時に、近くの添田町・油木ダムを初めて覗いてみました。

一見して、水鳥はカワウとカイツブリのみ...かとおもいきや、ひっそりとオシドリ夫婦が二組潜んでました。ただし対岸の日陰で、撮影には最悪の状況です(笑)。

カラ類などの小鳥の方が、まずまず楽しめました。ちょっと珍しいところでは、亜種リュウキュウサンショウクイが2個体見られました。実家裏でもみたことがあり、英彦山に近いところでは結構越冬しているようですね。

1時間余りでしたが、晴天で気分のいい鳥見散歩でした

カツオドリ

渋田 朗 2013-12-29

Highslide JSカツオドリ
動画からの切り出し画像

昨冬はさっぱりだったカツオドリですが、この冬は例年並みといった感じです。といっても、運が良ければ沖を飛ぶ姿が見られるという程度なのですが、12/29(2013年)には岸に近いところを飛んでくれたので、動画撮影に挑戦しました。デジスコ(ビデスコ)でこの動きについていくのは大変です

撮影:福津市

動画YouTube™ Brown Booby(2分1秒、筆者撮影)

実は力持ち

渋田 朗 2013-09-08


Highslide JSキョウジョシギ

日本では京女鷸(キョウジョシギ)という、艶やかな名で呼ばれてはおりますが、欧米での名はRuddy Turnstone。そう、石でもなんでもひっくり返します。

こんな海岸のゴミなんて、お安い御用。邪魔なものはどける!! それがうちの流儀どす。

動画YouTube™ Ruddy Turnstone(32秒、筆者撮影)

(2013年9月8日 福津市津屋崎海岸にて)

チョウセンウグイス・謎の行動

渋田 朗 2013-05-25/26

Highslide JSチョウセンウグイス

5/25〜5/26に、福津市・久末ダム

でチョウセンウグイス(Horornis borealis)を確認。福津市内では初めて見ました。

ウグイスよりひと回り大きく、頭頂から背面、尾羽にかけての赤みが強い茶褐色が特徴です。

渡り時期に日本海の離島で記録されることがありますが、九州本土では珍しい記録だと思います。

ただ今回は、謎の多い行動が見られました。

まるでヤマガラのようなニーニーという鳴き声で、本来の同種の声ではありません。そして、頻繁に口いっぱいに餌をくわえて飛び回っていました(その為に変な声?)

その姿は自分で食べるというより、まるで雛に餌を持ち帰るかのように見えます。もし繁殖なら貴重な記録なので、その後も慎重に調査してみましたが、結局はこの両日のみの記録となりました。

(念のため繁殖期が終わるまでは、報告を控えていました)

地元で見た季節外れの鳥達

渋田 朗 2008,2009,2011,2012,2013

Highslide JS
モンゴルセグロカモメ?

以前、2月に飛来したノビタキについて報告しましたが、過去には他にも次のような「季節外れの鳥達」を、福津市内で観察しています(ただしシーズン中はほぼ毎年飛来する種のみ)

コムシクイの飛来を確認 〜 第3のメボソムシクイ 〜

渋田 朗
2013-05-21

Highslide JSコムシクイ 2013-05-21

メボソムシクイの亜種は、ちょっと複雑な経過を経て、日本鳥類目録改訂第7版で3つの独立種として掲載されました。この中で、国内では記録の少ない「コムシクイ」が、5月12日・21日の両日に、福津市で確認できました。今回は声に注目して、最近挑戦している音声のソナグラムを交えながら、「コムシクイ」を含むこの3種を整理してみます。

おませなウグイス

渋田 朗 2013-06-15

Highslide JSウグイス(クリックで拡大)

6月15日土曜日の朝、枝の茂った木から、なんとも下手なウグイスの囀りが聴こえています。そっと様子を窺っていると、今年生まれのウグイスが、ちらっとだけ顔を見せてくれました。

少しお兄さんらしく?なってきているものの、まだ嘴や下面が黄色いですね。周りの声を見よう見まね、いや聴きよう聴きまねで、早くも来年のために練習開始♪ 一人前に、谷渡りも真似してる感じです。

他の鳥の声や、風音で聞き苦しいですが、音声ファイルでお楽しみください。

(余談)そばでジジロジジロと鳴いているオオムシクイは、全般に渡りの時期が遅く5月末〜6月頭が中心ですが、さすがにそろそろ終認になると思います。

:音声再生プラグインが必要な場合は、Adobe Shockwave Playerよりダウンロード・インストールしてください。

speaker ウグイス雛練習(1分 mp3)   (2013-06-15 09:46)

一日限りのヤイロチョウ

文:渋田 朗、撮影:渋田和美 2013-06-05

Highslide JSヤイロチョウ
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さすがに6月に入ると、渡り鳥を全く見かけない日が多いですがそれでもマメに回っていると、思いがけない幸運が舞い降りる事があります。

6月5日水曜日の朝、出勤前のマイフィールド(福津市)に、なんとヤイロチョウが飛来しているのを確認。こんな平地の、小さな林に立ち寄ることもあるんですねぇ。平日でしたので、たまたま休日だった嫁さんに後を託して、私は出勤しましたがその後に嫁さん(渋田和美)が粘りに粘って、林の中でしたがついに撮影に成功しました。

当然の如く、翌日以降は全く気配なし。このワンチャンスのみでした。朝は少しでも寝ていたいのですが、こんな出来事があると、やっぱりひと回りしないと(笑)皆さんも地元の定点観測いかがですか? きっと意外な発見に驚かれることと思います。

眼中になし!のマミジロ

渋田 朗 2013-05-25

Highslide JSマミジロ

春の渡りも5月末になると、ぐっと個体数が少なくなりますがぽつんと面白い鳥がいることがあるので、気が抜けません。

5月25日土曜日の朝、林の中からホオジロ類のようなチッ、チッという地鳴きがするので静かに様子を見ていると、林道にマミジロの若い雄個体が飛び出して来ました。マミジロの地鳴きはホオジロ類に似ており、よく騙されます(笑)

昨年生まれと思いますが、越冬地には人間がいなかったのでしょうか10メートル以内の間合いでしたが、私のことは全く眼中になしで呑気に落ち葉をあさったりする姿を、ゆっくりと観察出来ました。

ヒガラも当たり年

渋田 朗 2012-12-29,2013-04-03

Highslide JS福津市のヒガラ

2013-04-03

この冬の福岡は、珍鳥キバラガラ飛来に湧きましたが、地元福津市では12/29と4/3(写真)にヒガラが確認できました。

英彦山ではおなじみのこの鳥も、平地に近いところでは珍しいですが、カラ類の中では漂鳥の傾向が強いようです。

ハチジョウツグミ当たり年

渋田 朗 2013-02-03,03-01,09,17

Highslide JSハチジョウツグミ
個体A

亜種ハチジョウツグミを、2〜3月にかけて4個体見ることができました。

特徴にバリエーションがあります。

  • 個体A:2月3日くらいから2週間ほど逗留。よく野菜の上にとまるので観察しやすかった。
  • 個体B:3月1日のみ。雨に濡れてわかりにくいが、全般に赤みはやや少なく、特に眉班はほぼ白。
  • 個体C:3月9日のみ。背面や顔はのっぺりと一様で、最初後ろ姿を見たときは??と思ったが、前から見ると綺麗なハチジョウツグミ。
  • 個体D:3月17日から1週間程度逗留。広場に出てくるのでとても観察しやすい。上記3個体に比べて全体に模様が多く、派手な印象だった。

(福津市)

おっとっと

渋田 朗 2013-03-17

Highslide JSヘラサギ・クロツラヘラサギとダイサギ

3/17に津屋崎干潟周辺で探鳥していると、クロツラヘラサギ&ヘラサギの群れが飛来。

フェンスにとまっていたダイサギを見つけたのか、数羽がそのフェンスに一緒にとまりました。

あまり見慣れない光景ですし、どうもバランスをとるのが上手くないような… ダイサギと比べると、あまり姿勢が良くないせいでしょうか(笑)

ダイサギの左にいるヘラサギ若は「おっとっと」という感じですし、右側のクロツラヘラサギは、この直後に下に降りてしまいました。

虫喰いヒレンジャク

渋田 朗 2013-03-02

Highslide JS虫をついばむヒレンジャク

3/2の9時頃、福津市の松林でヒレンジャク約10羽の群れを観察。

比較的観察しやすいヒレンジャクも、視界の効かない松林の中では、姿を見るのは大変です。

幸い一羽が見やすい位置に出てくれたので、松林で何をやってるのか観察していると松の枝をつついて、中の小さな虫を食べているようです。

ヒレンジャクといえば、集団で木の実を食べ尽くしてしまうイメージが強いですが繁殖期には虫も食べるとのことです。あるいは小鳥が多いこの冬、意外と木の実が不足しているのかも…?

真冬のノビタキ

渋田 朗 2013-02-09

Highslide JS真冬のノビタキ
(クリックで拡大・縮小)

2/9土曜日の正午ごろ、福津市の農耕地帯でノビタキ雄1羽の飛来を確認。

前からの写真がありませんが、腹がかなり淡色、胸も結構綺麗なオレンジで、夏羽に近くなっています。

ノビタキといえば、春秋の渡り時期に毎年立ち寄ってくれる常連客ですが、2月の確認は自身では初めて。稀に越冬例もあるとのことですが、何処から来て、何処へ行くところだったのでしょうね??

春秋同様、草から草へと元気に飛び回っていましたが、残念ながらこの日のみの確認となりました。

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