有働孝士
空を住み処とする野鳥には、従うべき空の理(ことわり)があり、空の論理を味方に、賢く使いこなし生き抜いている、らしい。
目次
【画像の見方】小画像をクリックで拡大・縮小、拡大画像は複数同時重ね表示・ドラッグで移動可能、スペースまたは矢印キーで連続閲覧
有働孝士 2018-07-26掲載
梅雨明けを待っていたかのように気温はぐんぐん上昇する一方で、野鳥たちとの出会いだけはちょっと寒々しい夏到来です。本会では“極暑"を押して、アウトドアで観察にいそしむ猛者もおられ、その勇気と体力には敬意を覚えるものの私はといえば臆して、なかなかフィールドには出ていけません。それなら、涼しいエアコンに守られたインドアでも楽しく観察はできないものか。虫の良い拙稿はそのひとつの実験であり答えです。
英彦山(福岡県・大分県)では、大型キツツキ類二種、アオゲラおよびオオアカゲラによるドラミング(注1)を耳にする機会があります。本稿では、アオゲラとオオアカゲラについて、ドラミングによる識別の可能性を探ってみることにします。
有働孝士 2018-04-19
夕食を終え寛いでいるとき、東の窓から聞きなれない奇妙な音が聞こえてきました。19時30分ごろのことで、もう外はすっかり暗くなっています。ゆっくりと間を空けて“ボォッ..ボォッ..ボォッ”と聞こえます。実際の声は下のコントロールから再生してみてください。ミゾゴイの声(mp3)
当日は「第74回自然観察会:香春岳」から帰宅後間もないため、慣れない山歩きで足がよろよろしていたのですが、これまでに経験のない怪音を聞いた以上、何がなんでも正体を確かめたい一心でした。よろめきながら暗い外の道に出て、音の方向、道の奥にある竹林に向かいます。
竹林の上の方から聞こえてきますが、状況からどうやら私にとり未知の野鳥らしいと思いました。昼間ならきっと見えるところに止まっていただろうと思えるくらい近い鳴き声です。
さっそく、スマホを取り出し、闇の中の怪音に向けて録音を開始しました。フクロウの声も聞こえ、互いに競うように声が重なっています。5分くらいで静かにまりました。通算で10分くらいは鳴いていましたが、フクロウはその後も鳴き続けていました。
証拠も録音したので、家に帰り、インターネットで検索です。もっとも可能性が高いと見当をつけたミゾゴイから当たると、さっそくヒット。声は「イボー、イボー」と鳴くとも書いてありますが、いやいや、とてもそうは聞こえませんよ。視認はできなくても、録音を許してくれたことに感謝。
ミゾゴイは夏鳥とのことで、ただ渡りの途中に立ち寄っただけかもしれません。ともあれ、渡りの時季はこんなびっくりする出会いに備え、いつも手近に観察道具や記録装置を置いておかなくてはなりません。
(2018-04-20掲載)
有働孝士 2018-04-01
私事で恐縮ながら、本会への入会時期は早いけれども、事情あって中断時期が長いので会員期間はそれほどありません。ですからあまり野鳥観察の知識はなく、識別力も初心者並です。再入会後久しぶりの支部は様子が以前とは様変わりしており、今浦島となって戸惑うことばかり。余談ですが、再入会後しばらく(今もまだ?)は、はしたない勝手な振る舞いで周りの会員の方々にたいへんご迷惑をおかけしております(陳謝)。
さて、中でもいちばん驚いた変化は、探鳥会に双眼鏡を持たずに参加されるベテランの会員さんでした。その代わり大きなレンズが付いた立派なデジタルカメラを担いでおられます。野鳥の観察はファインダー越しという、かつては見られなかった光景もしばしば目にしました。私にとってはすっかり新しい観察スタイルです。とはいえ、最初に野鳥観察三種の神器、すなわち双眼鏡・フィールドノート・図鑑は絶対という古い刷り込みにより、双眼鏡を使わないこうした観察法には違和感いっぱいでした。しかし、さらに衝撃だったのは、そういう方の多くが、実に美しい写真を撮影し、決まって鋭い観察眼や確かな識別力を持っておられることでした。悪しき先入観がひっくり返る瞬間です。
もともと識別力の乏しい私は、なりふり構わずみなさんに追いつこうと必死でした。今や社会はデジタル漬け。魔法のようなデジタルの波が、カメラの形で野鳥の会にも及んでいます。右の事情を見るにつけ、このような“鳥”能力はきっとデジタルカメラが与えてくれるに違いないと浅はかにも確信し、その秘訣を探るべく同じ体験をしたくなりました。何事についても安直に格好や道具から入るちょっとカブレやすいタチなのですが、「双眼鏡なしカメラだけ」の観察スタイルは、刷り込みから脱出した目には未来的でなかなか魅力的に見えました。
(2018-04-03>04-18(改)掲載)
有働孝士 2018-03-14
近くの公園でアリスイを撮影したと藤井純子さん(会員)が写真とともに報告された。撮影日を見ると1週間前とのこと。アリスイはまだ見たことがないうえ地元というから浮き足立ち、思わず愛用のコンデジと双眼鏡を手に家を出た。たった1週間の差なら、まだいてくれたっていいじゃないか。思わず笑みが漏れる。すでに午後五時をすぎていたが、日没までほぼ1時間あまり。晴天のおかげでまだ光も十分あり、撮影には支障はないようだ。むしろ黄色みのある横からの日差しが陰影に富むすばらしい写真を約束してくれている。
見慣れた公園の風景だが、今回はなんだかいろいろ楽しい秘密を隠していそうでわくわくさせられる。木立やブッシュの細かい様子に目を配り、アリスイのいそうな木の幹を探した。しかし、やっぱりというか、当然というか、アリスイちゃんには出会えなかった。私家版マーフィーの法則「外れる確率は期待の大きさに比例する」。
手ぶらで帰るのもちょっとしゃくなので、カメラの使い方練習を兼ねてひとり撮影大会を開くことにした。本会のAさんやTさんの写真を見て、いつも目が洗われるような感動を覚えている。自分の貧弱なウデとチープなコンデジであそこまでいくのは無理だが、せめてカメラの使い方くらいはわきまえていないと、またHさんに笑われる。
このようにして撮影した写真をここに収めた。ありふれた種ばかり、ほとんど失敗作ばかりだが、少しは水準(以下)のものもある。大切なことは、失敗の(言い)訳が明瞭なことである。
実はこの話にはオチがある。帰宅後、藤井純子さんの報告をよく見てみたら、撮影日は2017年10月8日。去年の話である。月までも見間違っていたとは、よほど浮かれ、慌てていたらしい。しかしながら、あのときめきはうれしかったし、後述するが、実は思わぬ拾いものもあったのである。
(2018-03-22掲載)
有働孝士 2017-12-23
今年、川崎町・大ヶ原で急遽開催した第1回の元日探鳥会が大好評(8名参加)だったので、来年2018年1月1日、久保白ダム(飯塚市)に場所を変えて「元日探鳥会」を計画し、12月23日、家内・佳世子(会員)とともに下見の調査を行いました。
集合地は飯塚市側の堰堤で、駐車場というような施設はありません。しかし道路には余裕もあり駐車には支障はないと思います。また、一応公衆トイレはありますが、男子用小はともかく、大(2室)は、しばらく清掃された様子がないため使用にはかなり強い切迫と果敢な勇気が必要でしょう。なるべく事前に済ませてご参加ください。
現地道路はダム湖を一周する周回道路です。観察コースはダム湖に向かって右手方向(西)に歩きます。自然状態が野鳥観察向きで、ダム湖の水鳥のほかにも魅力的なブッシュや木立が豊富です。ただし、見通しが悪く道幅も狭いので交通事故にはじゅうぶん注意してください。逆の左手道路にはゴルフ場があるためかいわゆる整備された様子があり、あまり美しいブッシュがありません。そのうえしばしばゴルフ客が車を飛ばすのも×で街中みたいに落ち着きません。もちろんこちら側は歩きませんので、問題はないでしょう。
(2017-12-24掲載)
有働孝士 2017-09-05
多くのペットがお世話になっている直方市のアミノ動物病院をご存じでしょうか?同院には「福岡野生動物保護センター」が併設されており、福岡県指定の傷病野生鳥獣医療所ともなっていて、保護された野生鳥獣が持ち込まれます。傷ついた野生鳥獣を医療保護(飼養)してくださるほんとうにありがたい施設です(国産野生鳥獣のみ。外国産ペット、野良・捨て犬、猫は不可)。このたび、保護のフクロウを放鳥することになり、2017年9月5日、打ち合わせのため広塚忠夫事務局長に誘われ同病院を訪問しました。福岡野生動物保護センターの所長である網野泰蔵先生(本会会員)により、瀟洒なエントランスから裏にご案内いただきました。
有働孝士 2017-09-05
鴨生田池(直方市)にコウノトリが来訪中と聞いて、アミノ動物病院・保護センター訪問の帰途、広塚さんのお誘いで寄ってみました。すでに、一般の尾仲秀一さんから情報をいただいていたので、未見のコウノトリにぜひ逢いたいと思っていたところでした。
現地は県道21号が鴨生田池を通り、池を二つに分断しています。南側の池は秋の池干しで排水口付近には小さな池ができており、普段より極端に小魚の密度高くなっているらしく、シラサギ類のえさ場になっていました。その中にシラサギに交じって3羽のコウノトリがいました。3羽とも脚の足輪がよく目立ちます。
現地には、阿部さんと松隈さんが来ておられ、すでに堪能したあとのようです。大きな500mmレンズを抱えた阿部さんには特に「くまたか」へのご報告をお願いしましたが、さっそく頂戴しています(「コウノトリ、鴨生田池に再び来たる!」)。その中で、3羽の素性も調べていただき、いずれも兵庫県豊岡市の人工巣塔から飛来したことがわかりました。その時、ちょっと奇妙な想念に囚われました。このコウノトリは果たして野鳥なのか?
(2017-09-06掲載)
有働孝士 2016-11-12
経読林道は11月3日の自然観察会に参加し、秋の訪れを実感しました。しかし、紅葉は未だしの感があり、例年より10日以上遅いようだという観測を聞きました。少し心残りがあって、9日後の12日午後、経読林道を再訪し、妻と一緒に歩いてみました。気温は13℃。3日の8℃より少し高いので快適です。
密かに考えていたのは、広塚師匠のマネで、途中あれこれを撮影し[くまたか]に発表することでした。しかし、明らかに自分の能力をひどく買い被っていたようで、撮影技術はもとより、識別能力、被写体選択のカンなど、どれをとっても無いか大きく見劣りしており、はからずも師匠の偉大なパワーを再認識させられたものでした。
期待通り林道は秋たけなわ。紅葉の種類も増えており、遠くに望む山肌も緑に混じって黄色や赤の美しいモザイク模様になっていました。もちろん、メグスリノキも真っ赤に紅葉し見ものでしたが、色合いは昨年のサーモン・ピンク(2015年11月自然観察会)になっておらず、わずかに時期が早かった様子です。とはいえ、紅葉の癒やし力は凄いもので、すばらしく快適な時間でした。この時季、この場所ですから、野鳥との出会いは少なかったけど、道を曲がるごとにあらわれる光景には、植物が意図せずに飾る、無垢の美が溢れているように感じられました。
(2016-11-22掲載)
有働孝士 2016-10-18掲載
朝、目覚めると、南の窓から群れ飛ぶヒヨドリが見え、鳴き交わす声も聞こえます。秋の渡りが始まりました。ある時、毎年の渡りについて不思議に思い、地形図を引っ張り出して見てみると、東にある低山から支脈(丘陵)の一つが拙宅の裏まで延びていました。ヒヨドリはこの丘陵伝いに森を移動し、家の裏が森の終端となるため、あたかも飛び出すかのように西方に飛んでいたのです。
本会のヒヨドリの渡り調査は、最初、北九州野鳥の会(現・日本野鳥の会北九州)の要請により1976年10月17日に行われています(「野鳥だより・筑豊」第10号15ページ、くまたか要アカウント)。ヒヨドリの渡りを観察・調査する際の指標として、上記のような飛び出し場所に注目することは、把握が容易なため早くに決まっていました。山のどんな場所から飛び出しているかは、実は地形図を見ればはっきりします。一般的には、南北に伸びる山地を選び、西側の山地支脈に注目します。調査によれば、渡るヒヨドリはこの支脈先端からおおむね西に向かって飛び出しています。後にこの経験から、探鳥会の場所として寄り付きやすく、見通しの良い場所を条件に、あらかじめ地形図上で見当を付け、旧・赤池町(現・福智町)市場にヒヨドリの渡り観察会の場所を決めました。現地に行ってみたら、まさに観察には誂え向きだったという、ちょっと面白い経緯がありました。その場所は、連綿と現在まで受け継がれ、毎年10月、ヒヨドリの渡り観察会が開催されています。
有働孝士
2016-07-28掲載
(公財)日本野鳥の会刊「大きさでわかる おさんぽ鳥図鑑」表紙
今年バードウィークに合わせ(公財)日本野鳥の会は「大きさでわかる おさんぽ鳥図鑑」(以下、おさんぽ)なる小冊子を発行した。この中で、さえずりに関する記述がひときわ目を引いた。下記の種がさえずる鳥という主張である(説明の便宜上原著掲載の野鳥をA、B二群に分けた)。
A: スズメ、キジバト、カワセミ、モズ、カイツブリ、コガモ、キンクロハジロ、オオハクチョウ
B: メジロ、シジュウカラ、ツバメ、アカハラ、キクイタダキ
以上の各種について、「さえずり♪」のマークがついていたが、A群の野鳥を見て腰を抜かした。これらは、野外識別の決定版「フィールドガイド日本の野鳥」(以下、決定版)にもさえずりの記述が無い(オオハクチョウがさえずるんかい!)。昔から観察に親しんでいるが、A群のさえずりの記述には強い違和感を覚えた。また逆に「決定版」にはさえずるとあるのに「おさんぽ」にはその記述が無いハクセキレイが掲載されていた。
有働孝士 2016-06-15掲載
2016年6月4日、英彦山青年の家で開催された第三回リーダー育成研修会の講演会で、田中良介氏の講演「録音でつき合う野鳥の世界」を拝聴し、野鳥の声が持つ不思議な旋律とそれを我が手に拝受できる録音に改めて魅了されました。この講演に触発され、私のような素人でもできる野外録音について、少し書いてみることにします。私同様、自分でも野鳥の声を録音してみたいと思われる方には、本稿を参考にされると、録音が意外に簡単に、また結構良い音質で可能なことに驚かれるかもしれません。
有働孝士 2015-03-30
2015年3月30日、飯塚市仁保の筑豊緑地で、探鳥会候補地の下調べを行いました。ガイドは、快くお引き受けくださった広塚忠夫事務局長。二人では寂しいので、[くまたか\What's New]で呼びかけたところ、真鍋直嗣さん、松隈英子さんにご参加いただきました。現地はすでに筑豊緑地写真展探鳥会が開催されたフィールドですが、当日私は参加できず残念に思っていたところ、観察リストをみて現地への興味がいっそう深まりました。というのは、リストにアオゲラがあったためです。
(2015-03-30掲載)
有働孝士 2015-03-28
福岡県にはヘソがあると国土地理院が言ったとか。しかもその場所が自分も住む飯塚市内にあるというので、出かけてみました。飯塚市弥山(旧・筑穂町)の北緯33度31分33秒、東経130度39分57秒(十進数:33.5258N、130.6658E)。目的はもちろん探鳥です。
鳥名所ばかりが探鳥地ではない、と断定し、ごく普通のありふれた場所での探鳥を試みているところですが、観察場所にこういう理屈がつけば、いっそう励みになるというもの。
(2015-03-28掲載)
有働孝士 2015-03-26掲載
本会初代事務局長・高橋和元(かずゆき)氏は、ご病気のため亡くなられました。71才の早すぎる訃報でした。
高橋氏は、本会の黎明期から、故・祝原道衛会長、松尾節朗名誉支部長とともに、前身の筑豊野鳥の会を担い育てられました。時代はまだ野鳥観察の趣味に理解が乏しく、野外で双眼鏡を覗いていると、警察官から挙動不審として質されることもありました。そんな時代は、同時に自分自身である「野鳥の会」とは何か、探し求める時代でもあったのです。近くには、まだ手本にすべきモデルも無く、手探りで様々な考えや催しを実践し、少しずつ小さな発見に気づく。パイオニアとして、喜びとともに不安が同居していました。
高橋氏は、このような時代にあって「野鳥の会」に形と実体を与え続けてこられました。時々、つぶやくように「野鳥の会ち、なんやろか」とおっしゃっておられたのを思い出します。運営の方法や社会的役割、楽しむべき趣味の会への問いかけだったのでしょう。いつも原点を大切にされる姿勢がこのつぶやきにあらわれていたように思います。
有働孝士 2012-08-27
8月27日06時ごろ、飯塚市(@5030-3578)上空に乳房雲(ちぶさぐも、にゅうぼうぐも、英:Mammatus、ラテン語学術名:Mamma)が現れました。
折しも台風第15号(Roke:ロウキー)が接近中のことです。幸い、15号は九州の南海上を通過し、飯塚市には大きな影響はありませんでした。風はそれでも時々強く吹き、最大瞬間風速20.4m/s(13:34)を記録しています。
このような強い風の影響で、雲の中の乱流が雲の底面でコブ状となり、乳房雲が現れるのだそうです。アメリカでは竜巻の先触れとされており、優しげな見かけによらず凶兆の雲なのです。
ラテン語学術名:Mammaとは、乳房の意味といいますから、もしかしたら「ママ」の語源かもしれません。どこか懐かしく柔らかな形に見惚れていると、いつの間にか遠く西の雲の中に、虹が立っていました。
(2009-08-29掲載)
有働孝士 2012-06-24掲載
5月某日、珍しくHさんからお誘いいただいて、大法山(嘉麻市)で探鳥することになりました。HさんやMさんなど総勢6名。とある調査の一環として、私も同行を許されました。さて、もはやよわい65。最近、とみに老化が進み、目は老眼、耳鳴りも絶えません。その上、介護保険証まで拝受することとなりました。大法山は、低山ですが、結構急な登りもあり、果たして足腰は大丈夫だろうか?同行者に迷惑をかけはしまいか?と気になることばかり。しかし、一方では、自分の体力を試したい気分もあり、身勝手ながら迷惑承知で集合場所に向かいました。
たった1才年上のHさんは、まっとうな登山道を歩くより怪しいヤブや危ないガケが大好きという現役バリバリの冒険登山家。若干年下ながら、Mさんも商才に長けた現役ビジネスマンらしくスリムな全身に若さがみなぎっています。他の参加者のみなさんはたぶん60才は超えている(1名を除く)と思いますが、どなたも“老い"など微塵も感じさせません。
みなさんの放つ若々しいオーラに圧倒され、内心気後れして不安になりましたが、調査行なので比較的ゆっくり歩くためか、意外にも何とかついて行くことができます。運良く、大法山定番のサンコウチョウやキビタキのさえずりを耳にすることができ、またHさんから植物の識別法などを教わったりと、はじめの不安をよそに、たいへん快適な探鳥行となりました。
有働孝士 2011-05-29掲載
事情があって、私は本会の入退会を二、三度繰り返しています。今に続く最後の入会は、2009年のことですから、まだ最近の部類です。それまでのブランクの期間が意外に長かったらしく、例会の参加者は多くの方が初対面で、久しぶりの探鳥会とともに新鮮な気分で楽しませていただきました。もともと貧弱だった野鳥識別の力はさらに衰えており、まわりの方は皆、識別力や知識において師匠格の方ばかり。初心者にかえってまたイチから始めるしかないと思いました。
有働孝士 2011-02-01掲載
スマートフォンの後押しもあってか、昨年末、携帯電話の加入契約者数が日本の総人口を上回ったそうです。たいへんな普及率を誇る携帯電話。便利とはいえどこまでも追尾されてうっとうしいという声を尻目に、鳥見“携帯"派は多く、探鳥会の山や海で呼び出し音が鳴り響いています。海外では見られない特殊進化を遂げたニッポン多機能携帯電話。ガラケー(ガラパゴス携帯電話)と揶揄されても、機能満載だからこそ実は鳥見道具としてとっても役立つことをご存知でしょうか。せっかく“携帯"しているのですから、埋もれたサービスを大いに活用しましょう。
有働孝士 2010-12-26掲載
11月24日、午前10時ごろから約30分間、飯塚市立楽市小学校において、巣箱掛けの前段で松尾節朗会長に野鳥講話をしていただきましたので、報告します。
穂波ライオンズクラブ様より当会・川谷良子さんに、小学生に野鳥の話をして欲しいとのご相談があり、なぜか有働にお鉢が回ってきたものの荷が勝ちすぎる話でしたので、急遽、松尾会長におすがりしました。
穂波ライオンズクラブは、日ごろから活発にボランティア活動を続けておられ、また地域ボランティアの有力なサポーターとして、地元穂波地区ではたいへん名のある団体です。
会長には、体調不良を押して、事前打ち合わせ、講話等をしていたただき、たいへんご苦労をおかけしました。
有働孝士 2009-06-26
2009年7月22日(水)
開始 09:38 > 最大 10:56 > 終了 12:18(国立天文台 暦計算室)
7月22日の日食は、福岡県でも最大食分で89%の部分日食が観察されます。
皆既日食?では、突然の日暮れとカン違いするのか、動物園において動物が騒ぐ事例が報告されています。福岡県では部分日食とはいえ約9割も欠けたとき野鳥にどういう影響が現れるか、右の事例を考えるとたいへん興味深い観察が期待されます。みなさんの観察報告をお待ちしています。
(数値はいずれも田川市・飯塚市・直方市の場合)
ご注意:日食の観察に当たっては、必ず「日食を観察する方法」をよく読んでください。目の前にフィルタ類を置いても、太陽の直視はたいへん危険です。なるべく間接的な方法で安全に観察してください。
(写真:09-07-22 11:04@飯塚市筆者撮影、記事原案:高橋和元さん)
(2009-07-22掲載)
山田順子さん(談話) 2009-06-18
「何気なく立ち寄ったあるところで、驚くべき光景を目にしました。
地元の人らしいご婦人が、手にエサをのせて鳥を呼ぶと、どこからともなく一羽のヤマガラ飛来して、手のひらに舞い降り、エサをくわえ飛び去っていったのです。
驚いて見ていると、ふたたび飛来してエサをくわえ、どこかへ飛んでいきます。これをエサがなくなるまで繰り返しました。
ほかにも野鳥はいるらしく、ご婦人は“あんたたちは、来きらんき、ここにおいとくね”といって、良く分かる場所にエサをおいていました。
ヤマガラの仕草があまりにかわいかったので、同じように手を差し出してみると、背後から頭越しに飛んできて手にとまりました。空っぽの手のひらを柔らかくついばんでいましたが、エサは無いと分かったらしく、あきらめて飛んでいきました。
(2009-06-18掲載)
有働孝士 2011-06-09
2011年6月9日、「えいそう」というソウシチョウ調査のために英彦山に登りました。山中で、セミの声には気づいていましたが、声質からハルゼミかなと聞き流していました。参道の稚児落し附近で聞いた声には、特徴のある前奏が入っていて、エゾハルゼミだと分かりました。持っていた携帯電話内蔵のICレコーダーで録音してみました。エゾハルゼミは、まだ若い頃に英彦山で聞いた記憶があり、懐かしくなってしばらく耳を傾けていました。目の前3mで鳴いていたようですが、とうとう姿は見えないままでした。
英彦山(@5030-1764) エゾハルゼミ
その鳴き声から妙琴蝉(みょうきんぜみ)とも言うそうです。この声に関して、英彦山では浄欣という修験道山伏にからむ次のような言い伝えがあるそうです。うろ覚えですが、林から「浄欣、浄欣」と呼ばれたので返事をしたら「死ね、死ね、死ね」と言われて恐ろしくなり、宿坊に逃げ帰ったとかいう他愛のない話です。そういう訳で、私には「じょうきん、じょうきん、しねしねしね」と聞こえます。
(2009-06-09掲載)
有働孝士 2009-06-07
2009年6月7日大法山例会(第636回)で録音したものです。聞きやすいように少し編集しています。
サンコウチョウ例会中、双眼鏡を下げたお二人連れに会い、サンコウチョウの様子を聞かれました。担当の梶原さんによれば“大法山のサンコウチョウはすっかり有名になった”そうです。
(2009-06-08掲載)
有働孝士 2009-05-18
2009年5月18日、第88回植物観察例会で、古処山(福岡県嘉麻市)から屏山を歩きました。
古処山のキャンプ村「遊人の杜」(@5030-1588)や山頂(@5030-1588)とその付近で、広塚忠夫さんのご指導により私としては初めてセグロカッコウの声を聞き、山頂では持っていた携帯電話で声を録音することができました。
ホトトギス科の鳥たちはみな独特の奇妙で特徴的な鳴き声を持っています。なにしろ鳴き声のかな書きを音読すると、ほぼ元の声に似てしまうというくらいです。彼らの和名の共通点は鳴き声だということがその証明になっているというのは言い過ぎでしょうか。(ホトトギスを除く)
セグロカッコウはホトトギスやカッコウの大音声にくらべ、声に柔らかさがあり、多少内気な印象を与えます。同行の山田さんは、子犬の声のようだと評しておられましたが、そのようにも聞こえます。
古処山山頂から姿を探しましたが、見つけられませんでした。ホトトギス類は姿がよく似ていますので、仮に見つけても、あまり識別力のない私にはちょっと難しいかと思いました。
ホトトギス科に特有の“明瞭な発音と単純な節回し”は、いちど聞いておけば、今後セグロカッコウの声に遭遇してもまず識別には困らないだろうと思います。手前味噌ながら、その点からも“一聴の価値”はありです。
(2009-05-18掲載)
Copyright (C) 日本野鳥の会筑豊支部 All Rights Reserved. (著作権者でない者による無断転載禁止)
本ウェブサイトは無断で自由にリンクまたはディープ・リンクができます(画像、動画、録音への直リンクは禁止)。
本ウェブサイトに記載の会社名、システム名、ブランド名、サービス名、製品名は各社の登録商標または商標です。
本文および図表、画像中では必ずしも®、™を表記しておりません。