一筆啓上 5有働孝士
野鳥と自然と私たちに関するあれこれを、とりとめもなく仕り候。中には一筆では済まず、多筆啓上となりましたが、たとえホオジロでも長広舌になったり、チチッの2音で済ませたり。気分任せは野鳥の自然。どうかご容赦。
目次
【画像の見方】小画像をクリックで拡大・縮小、拡大画像は複数同時重ね表示・ドラッグで移動可能、スペースまたは矢印キーで連続閲覧
有働孝士 2025-12-27
いまや私個人の恒例となった中島元日探鳥会下見。結論は、フィールド、ルートとも問題なしでした。中島は国の土地(国土交通省管轄)なので、いつ何時、工事が始まって自然がひっくり返されるか分かりません。貴重な原野が無くなると、野鳥は暮らしの場を失います。今回は、その点からも特に問題となる点は見つかりませんでした。何よりです。
たまたまなのか、野鳥の姿を見る機会がほとんどなく、ホオジロの仲間やツグミ、シロハラ、水鳥ほかの冬鳥もサッパリでした。元日は、もっと賑わうとうれしいのですが、こればかりはご参加の皆さんの運次第です。ちなみに、中島のチェックリストは、現在161種です。
観察種の多寡はさておいて、新年を探鳥で始めようという心意気に期待しています。多くのご参加お願いします。お天気は、曇だそうで初日の出は無理ですが、雨は避けられそう。
みなさま、どうか良いお年をお迎えください。
(2025-12-28掲載)
【画像の見方】小画像をクリックで拡大・縮小、拡大画像は複数同時重ね表示・ドラッグで移動可能、スペースまたは矢印キーで連続閲覧
有働孝士 2025-12-25掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
有働孝士 2025-11-24掲載
冬の低山に行くと、ところどころ山肌に房状の赤い実をつけた木が目立ちます。まわりの木々も葉を落としているので、なお目立ちますがその正体は、イイギリです。この実は、実は秋の早い時期から赤くなっているのですが、なぜか鳥は食べようとしません。実がまずいから誰も食べようとしないという推測が囁かれています。でも食べて貰いたいのに、なんでわざわざまずい実をつけるのだろう、と常々疑問に感じていました。さらに言うなら、野鳥が実を食べて、種をまいて貰わないと先々で絶滅してしまいます。
以下は妄想的仮説です。実はこれもイイギリの撒種戦略で、競合の少ない時季、すなわち、他の木の実が少なくなるまで実が熟すのを遅らせ、初春ごろもう食べごろですよと、鳥に教えて食べてもらうという筋書きです。さて、その熟した時季をどう教えているかというと、実は紫外線反射です。果実は、表面の色を赤や黄色や黒に変えたりして熟し具合、すなわち食べごろを示しています。紫外線反射も色ですから、これにいわば紫外線色を加えることで、野鳥の食欲を誘っているのではないかという仮説。
近年の研究で、鳥類やトカゲ類、カメ類、多くの魚類が網膜に紫外線受容体を持ち活用していることが分かってきました。太古、脊椎動物には赤・緑・青の3色に加え紫外線色を含む4色型色覚が備わっていたのですが、進化の際、霊長類に分枝して現在の3色型色覚になりました。哺乳類の祖先は夜間に活動することで恐竜(鳥類の祖先)の捕食から逃れていたため、不要となった紫外線色覚を失ってしまったのです。その結果、哺乳類のヒトは今も不十分な3色型色覚とともに暮らしています。
紫外線色覚はゴキブリでさえ持っており、植物から動物に至る生物間では、紫外線によるコミュニケーションや識別が盛んに行われているというのに、ヒトはこの主流から取り残されているわけです。視覚を制するものが進化の競争における勝者となるとの有力な説もあり、3色型色覚しか持たない人類にとっては、この先の進化論的競争における弱点となっています。ところが、実は稀に先祖返りの4色型色覚すなわち紫外線も見えるというスーパービジョンにより、驚きの1億色も識別可能な人がいるそうです。常人では最大100万色しか識別できないそうなので、まさに100倍のケタ違い。
さて、ハシブトガラスなどの雌雄同色といわれる鳥でも、実は紫外線反射では異なった模様が見えると最近の研究です。スーパービジョンの人にとってオスメスの違いなど一目瞭然となるかもしれません。もし探鳥会で雌雄同色種でも違いが分かるという人がいたら、それこそ探鳥型視覚の持ち主、スーパービジョンの人です。もしや紫外線視覚進化の遺伝子を持つ人類始祖の貴重なお一人かもしれません。はるかな未来人は紫外線も見える進化の主流に立ち戻っていることでしょう。それはさておき、4色型色覚による1億色の精緻で華麗な色彩世界、おお、ぜひ見たいものです。
ちなみに、人は男女で色の見え方に違いがあり、男性より女性の方が識別できる色の範囲が広いと言われていますし、前述のスーパービジョンの能力も女性に多いといいます。色の判別は女性の方が得意ですが、その代り男性は動体視力に優れています。これは古代人における採集と狩猟という役割分業がうかがわれる特徴です。ひるがえって現代、本会の活動では、色を見分ける力は女性が優れているため花や葉の色合いを見極める植物観察家が多い理由であり、移動中の野鳥を得意の動体視力で見分ける男性に野鳥観察家やカメラマンが多い理由だなどと、根拠に乏しい妄想がふくらみます。
※文中、種があたかも目的をもって生存にふさわしい能力を選んだかのように説明していますが、あくまで隠喩であり、進化には目的も意志もありません。
(「野鳥だより・筑豊」2025年12月号より転載 2025-11-24掲載)
有働孝士 2025-11-09掲載
情報部・有働孝士
野鳥に興味を持ち、もっと詳しく知りたいからと、野鳥の会に入って来られる初心者の方々。大半の方は、そもそも野鳥観察の意味や方法を知らず、ただ野鳥を知りたいという漠然とした気持ちで入会してこられます。そんな方々に、残念ながら野鳥観察の世界を紹介する仕組みが、本会にはありません。
とはいえ、初心者指導は、誰でもできるというわけでもなく、役割やふさわしい方法が必要です。現状の探鳥会では、新入会の会員には、あまり世話する人もおらずほとんど半放置の状態で一緒について回るだけ。時々望遠鏡で見せながら、これは○○です、と言うだけでは、まるで不十分です。ましてや、どこからか聞こえる地鳴きだと、そもそも聞き取りすら困難でしょうし、逆によく聞こえるさえずりは複雑すぎて捉えどころがありません。何より探鳥の楽しみをどう感じてもらえばいいか。どれもフィールドの現場でなければ伝えるこができない問題ばかりです。
こんな現況を少しでも打開したく、公式ウェブサイト「くまたか\ホーム\お知らせ\渉外情報」では財団本部提供のウェビナー「【月 1 回】初心者のための安西さんのオンライン野鳥講座」(無料)を積極的に紹介しています。野鳥観察の楽しみ方、識別の基本などを織り交ぜながら、座学やフィールドにビデオカメラを持ち出しての講習や実況なので、擬似的な体験≠ニなり効果的に学習もできます。ただし、残念ながら、本ウェビナーの長期的予定は簡単にしか発表されておらず、詳細情報は本誌掲載に間に合いません。興味のある方は、時々「渉外情報」をチェックして、ぜひ一度参加してください。
(「野鳥だより・筑豊」2025年11月号より転載、2025-11-09掲載)
有働孝士 2025-11-08掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
有働孝士 2025-11-07掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
コロナも下火になった様子で、再び日常が戻ってきました。温暖化の影響は植物に顕著で、開花や紅葉が遅れ気味のようです。野鳥については、CFB12の総種数を以前と比較するのがよいでしょう。
有働孝士 2025-11-06掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
コロナの窮屈なくびきが外れて、やっと自由な大空へ。本来の野鳥の会をとり戻すために、活動が再スタートしました。
有働孝士 2025-11-05掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
コロナ禍慣れで、恐る恐る正常に復帰中の各種活動。なんとかヤマは越えたようです。
有働孝士 2025-11-04掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
相変わらずコロナに翻弄された年ですが、若干の慣れと諦めも見られます。
有働孝士 2025-11-03掲載
本会会報「野鳥だより・筑豊」の編集を担当するようになって、巻末余白に埋草のあれこれを植えてきました。担当直後は、割とムキになっていた感がありますが、その内肩の力が抜けてきたようで、よほど埋草らしくなりました。
2020年は、コロナ禍のあおりをまともに受けてしまい、集合による活動ができず未曾有の事態になりました。そんなこんな編集後記を通して、支部の来し方や空気感が垣間見えるのではないでしょうか。
有働孝士 2025-10-22掲載
当会植物部の例会は、普通に2桁の参加者を数えることが多いかなり人気のある行事である。部長、副部長の優しく的確な指導力もさることながら、やはり対象の植物それ自身の魅力も大きい。麗しい新緑、芳しく美しい花、魅力的な色目の果実、秋を飾る紅葉。気難しい野鳥と異なり、すぐ側まで接近を許す気前の良さもありがたい。厳冬期を除き一年を通じて、何かしら見どころの多い観察対象である。
そんな自然分布する植物を一同に集めて仮想植物園を作ってみようと、情報部では当会公式サイト「くまたか」にページを開設した。HListである。HListは、野鳥の会の独自手法を取り入れ、野外現場では識別という方法およびページ上ではチェックリストという枠組みを使っている。ご存知のように、識別とは、対象を採取せず、あるがままの状態の見かけ、場所、環境、時季などの特徴や状況から種類を特定する手法である。また、チェックリストは、一定地域の総観察リストのことである。HListでは、この「地域」を福岡県内としている。さらに記録の条件として、写真の客観証拠を必須とした。現在約1700種類を収録している。HListに多大な貢献をいただいている牧野均氏(北九州植物友の会会員、当会会員)の推測では、福岡県内なら約2000〜2500種類は考えられるだろうとのことである。チェックリスト完成までの先は長い。
HListを作成するきっかけは、植物の分類や和名が、様々な典拠によって異なるという何とも気味の悪い現況にある。一例をあげると、スミレViola mandshuricaには、ケナシスミレ,キンモンスミレ,オオバナスミレという別名があり、この4つの和名はそれぞれにいずれも正しいという混乱ぶり。野鳥の会の常識からは到底受け入れがたい慣行である。野鳥の世界には、日本鳥学会という単一の権威団体のおかげで、その出版物「日本鳥類目録」に準拠すれば混乱も問題も無い。
そこで植物の世界に相当する団体を探したところ、BSJ 日本植物学会
が見つかった。しかし、ウェブサイトには、植物和名の日本全国チェックリストは見つからなかった(一部メニューはゲスト閲覧不可)。ほかにJSPS 日本植物分類学会
もあるが、やはりチェックリスト相当の情報は外部からは不明である。植物関連団体では、たいへん残念ながら和名別名問題に向き合っている様子はなさそうである。両団体とも野鳥の会的な手法としての野外識別そのものに関心はないらしい。野鳥でいえば日本鳥学会に相当するようだ。日本野鳥の会のような植物の全国団体があればと思う。ともあれ和名別名問題を放置していいのだろうかと、個人的に少々心配になった。
そんなとき、YList
という神サイトに出会った。ここには、日本国内の植物約5万種類以上の分類学的データが収録されており、無料でアクセスができる。科名についてAPG、クロンキスト、エングラーの3系統とコケ・シダ・裸子・被子植物の種以下雑種まで学名、和名、別名ほかが記録され、気前よく一般に公開されている。HListでは、科名はAPG、和名、学名をYListに準拠することとした。よって、YListの福岡県版サブセットがHListとなる位置づけである。
HListに採集する記録は、もっぱらウェブサイト「くまたか」へのご投稿からである。日々いただくご投稿の中に、採録条件を満たす写真および記録を探している。写真は特徴がよく分かり識別可能なもの。標準和名がHListに未登録。記録年月日、記録場所(市区町村名、3次メッシュコード)、観察者名が明らかな記録などである。「くまたか\資料館\HList」のデータ・テーブルは、特別なギミックで、ユーザーにより表の操作を可能にしている。特に項目ごとのソートや列入れ替えに対応しているので、新しい発見があるかもしれない。試していただきたい。
コケ類、シダ類、水生植物、また被子植物ではカヤツリグサ科、イネ科などは、識別が難しいそうで手薄である。会員のご努力によってさらなる充実により、福岡県チェックリスト完成を目指したい。
(2025-10-22掲載)
有働孝士 2025-09-05掲載
・はじめに
本会支部長の梶原剛二氏は、河川に関する公共的な施設に勤務し、来訪者に野鳥を通じて水辺や川の大切さを伝えています。夏休みや冬休みなどのシーズンには、小・中・高生を対象に数多くのイベントを実施していますが、指導には悩みもあります。特に、団体で半ば強制的に参加させられる子どもたちには野鳥への興味が薄いか無い場合が多く、どう指導すべきか難しいと言います。
上記の例のような状況はかなり一般的ではないかと推察します。そんな時こそ、ゲームを手がかりに野鳥の世界へいざなう探鳥ゲーム。肩の力をさらに抜いて、ひとときを楽しみましょう。例示したケースは学校絡みでしたが、ここに提案の探鳥ゲームは一般の大人や探鳥に慣れた人が遊んでも十分に楽しめるものだと自負します。ただし、くれぐれも安全には注意しましょう。
ところで、たまたま似ていて驚いたのが、スマホアプリの某有名ゲーム。このゲームは、スマホにアプリをインストール後、スマホのカメラで現実の風景を見ると、風景に重ねて様々な小怪物が出現します。プレイヤーがこれらを「ゲット(捕獲)」してコレクションする仕組みで、秀逸なアイデアに年齢を問わず世界的な人気を集めました。現実の場所・天候・時間によって出現する小怪物の種類が様々に変化する機動性も魅力です。これってまさに探鳥と同じですよ。でも、私たちは野鳥を見つけても識別するだけで、決して「ゲット(捕獲)」なんかしませんけどね。探鳥ゲームのイメージ醸成のためご紹介しました。
・探鳥ゲームの仕組み
・注意事項
・ルール
・ポイント設定の手順
種ごとの評価を効率的に行うための方法
(2025-09-05掲載)
有働孝士 2025-07-22掲載
◇トップページ刷新とその背景
私は本会公式ウェブサイト「くまたか」の運営を担当しています。2025年4月、トップページ「たかの目」の構成を大幅に変更しました。これまでは、最近の投稿から特に目を引く一枚の写真を掲載してきましたが、以後は「行事のご案内」やギャラリーから、アイキャッチとして小さな画像・動画・音声を4コマ2段総8コマで縮小表示するスタイルにしました(クリックで拡大可能)。投稿があるたびに新しいコマが左端先頭に加わり、9コマ目が末端から消えて、常に最新の状態を保つ仕組みです。 従来の方式では、掲載される写真が1コマに限られていたため、どうしても投稿数の多い会員の写真が中心となり、また見応えのある写真以外は敬遠されがちでした。一部の会員からは“エコひいき”との誤解も生じましたが、エコひいきなどはありえず、そんな小細工は退屈なうえ、考えるだに面倒です。
◇浮上した新たな課題
新方式により掲載される画像の大半がトンボや植物になり、肝心の野鳥は数コマ、あるいは全くない状態が続いています。今は夏の“鳥閑期”であることも一因ですが、外部から見れば「野鳥の会のサイトなのか?」と戸惑われても不思議ではありません。また違和感を持つ会員の方もおられるでしょう。 そこで、「たかの目」のすぐ上に新設した「サイトご紹介」メニューにて、本会の立場や活動方針を説明することにしました。野鳥のみならず、トンボ・植物・昆虫・爬虫類・両生類など多様な自然観察対象の写真が集まる理由を丁寧に述べる必要があるからです。
◇「識別」という技術への着目
フィールドにおける野鳥の会活動の主題であり楽しみは、こうした多様な生き物を「観察する」だけでなく、「識別する」ことにあります。なかでも野鳥の識別とは、フィールドマークと言われるその種(亜種)独自の色や形など視覚的特徴に加え、動作や鳴き声、音などを手がかりに、種を特定する技法であり、地域・季節・環境といった要素も踏まえて判断します。その結果は記述可能でなければなりません。
この識別を技術として確立していることこそが、野鳥の会を特徴づける先進性および独自性と言えます。その具体的な方法を記しているのが「フィールドガイド図鑑」(識別図鑑)です。わが国では『フィールドガイド 日本の野鳥』(日本野鳥の会)、『フィールド図鑑 日本の野鳥』(文一総合出版)の2タイトルがその代表です。
◇同定に加え新手法・識別の誕生
かつての博物学趣味は、実物収集が中心でした。鳥も、同定のため撃ち落として標本にするなど、今では考えられない方法が一般的でした。しかし、自然保護の意識が高まる中、野鳥の会は野鳥への干渉を最小にする「識別による情報化」への道を模索してきました。それは、「同定」とは異なる画期的なアプローチです。
識別という技術は、1934年にアメリカで世界初のフィールドガイド*が発行され、ピーターソン識別法(Peterson Identification System)とともに紹介されました。ちなみに、1934年といえば、中西悟堂による日本野鳥の会発足の年でもあります。日本では48年後の1982年『フィールドガイド 日本の野鳥』(日本野鳥の会)の登場で、ようやく探鳥先進国の仲間入りを果たしました。
* Peterson, Roger Tory, 1934. A Field Guide to the Birds Houghton Mifflin Co.
◇フィールドガイド図鑑とは
フィールドガイド図鑑が現れるまでは、博物学における生物系の図鑑は、ひと言でいえば同定のための図鑑でした。野外で採集した標本を持ち帰り、その特徴を微細に確認して種を特定するための基本資料だったのです。そこへフィールドガイド図鑑という、これまでにない新しいかたちの図鑑が加わりました。フィールドガイド図鑑とは、ひと言でいえば、識別のための図鑑です。野外(フィールド)で、対象になるべく影響を与えず、離れたところからあるがままの状態を観察し、種を特定するためのガイドであり図鑑です。
◇フィールドガイド図鑑の条件
現代におけるフィールドガイド図鑑を詳しく観察してみましょう。内容は、1種(野外識別可能な亜種も)ずつカラーイラストが描かれ、野外で観察できる特徴および類似種との相違が明瞭・簡潔に記されています。また地図や月ごとの分布図も重要です。現代のフィールドガイド図鑑は、なによりチェックリスト(一定地域の全種リスト)を構成していなければなりません。野外への携行のため小型・軽量も望ましい条件です。全国を対象とし、以上の条件を満たす図鑑は、残念ながら、先にあげた野鳥のフィールドガイド図鑑2タイトル以外には見当たらないようです。
◇掲載対象をめぐる再考
わが国において、植物やトンボの分野では、このような統一された識別技術やフィールドガイド図鑑がまだ確立されていないのではないかと思われます。個人やグループの努力は素晴らしいものの、識別情報や技術の共有・共通化・洗練の点では課題が残ります。 結果的に「くまたか」に届く野鳥以外の写真ほか観察記録は、思い思いの参考資料などを下敷きにした、私的方法による識別での観察報告となっています。野鳥のような共通の認識に基づく裏付けが乏しく、両者のギャップは大きいと言えるでしょう。
◇これからどうすれば
この問題を通じて、トンボ・植物を「くまたか」に掲載すべき妥当な理由を求めて思索を続けてきました。しかし、思いもかけず、それらの分野における体系的な不備が浮き彫りになってしまいました。同時に野鳥の会によるピーターソン識別法をはじめとする技法の先進性・有用性が際立つこととなりました。一方では喜ばしくも他方では残念であり、皮肉でもあります。表題のテーマについては、新しい視点によるアプローチが要求されているとも言えるでしょう。今後の課題となりました。(2025-07-22掲載)
有働孝士 2025-01-23掲載
野鳥観察の楽しみのひとつは、思わぬ出会いである。珍種との出会いもうれしいが偶然の割合が大きいのでなかなか困難である。もう少し確実なうれし・懐かしの出会いはどうだろうか。初認である。初認とは、渡り鳥をその季節に初めて確認することを言う。初認は、あらかじめ時期と場所さえ把握していれば、ほぼ間違いなく可能となる。場所(環境)についてはフィールドガイドに譲るとして、本稿では曖昧さを排し、ずばり月日すなわち「初認日を予報する」。今回は夏鳥特集として、比較的身近な夏鳥21種を取り上げ、初認日を予報した。
使用したデータ・ソースは、「くまたか\ニュース\調査報告\観察サイト\2014年〜2023年」の10年間である。また福岡県における初認予想日の計算手順は、拙稿「初認日を予報する/秋鳥と冬鳥」に詳述したので、興味あれば参照を願いたい。
(2025-01-23掲載)
下表の操作法を紹介する。表の1行目は項目である。ここは特別で、この表に対して操作が可能となる。項目をクリックすると表の内容が組み替わる。組み替わりのルールはソート(整列)。数値なら小→大、文字なら50音順、さらにクリックで逆順などに並び替え可能である。並び替えによって様々なパターンや可能性が現れるので興味深い。いろいろ試していただきたい。
初認予報日(表の項目名クリックでデータをソート)
| id | 和名 | 初認予報日 | 最早日(E) | 最遅日(L) | L-E | 件数 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 01 | ツバメ | 3月13日 | 3月05日 | 3月21日 | 16 | 10 | 4.38 |
| 02 | ヤブサメ | 3月24日 | 3月13日 | 4月17日 | 36 | 9 | 11.77 |
| 03 | キビタキ | 4月08日 | 4月02日 | 4月14日 | 12 | 10 | 3.66 |
| 04 | オオルリ | 4月10日 | 3月29日 | 4月25日 | 27 | 10 | 7.08 |
| 05 | コマドリ | 4月11日 | 4月07日 | 4月17日 | 10 | 8 | 4.06 |
| 06 | センダイムシクイ | 4月12日 | 4月03日 | 4月30日 | 27 | 10 | 7.9 |
| 07 | サシバ(適正化) | 4月18日 | 3月31日 | 5月07日 | 38 | 7 | 11.64 |
| 08 | ツツドリ | 4月21日 | 4月11日 | 4月30日 | 19 | 9 | 5.49 |
| 09 | クロツグミ | 4月21日 | 4月11日 | 5月02日 | 22 | 10 | 6.79 |
| 10 | アオバズク | 4月25日 | 4月17日 | 5月09日 | 23 | 10 | 6.61 |
| 11 | オオヨシキリ | 4月29日 | 4月18日 | 5月17日 | 30 | 9 | 9.71 |
| 12 | アカショウビン(適正化) | 5月02日 | 4月27日 | 5月10日 | 13 | 8 | 3.7 |
| 13 | ヨタカ | 5月05日 | 4月19日 | 6月12日 | 55 | 9 | 15.48 |
| 14 | アマサギ(適正化) | 5月06日 | 4月07日 | 5月25日 | 49 | 7 | 14 |
| 15 | ジュウイチ | 5月09日 | 4月26日 | 5月26日 | 30 | 10 | 9.27 |
| 16 | サンコウチョウ | 5月09日 | 4月14日 | 5月30日 | 47 | 10 | 11.26 |
| 17 | ホトトギス | 5月14日 | 5月01日 | 5月20日 | 20 | 10 | 5.05 |
| 18 | コノハズク | 5月18日 | 5月13日 | 5月29日 | 17 | 5 | 5.82 |
| 19 | カッコウ | 5月21日 | 5月13日 | 6月02日 | 20 | 9 | 6.5 |
| 20 | セグロカッコウ | 5月22日 | 5月11日 | 6月02日 | 11 | 6 | 6.8 |
| 21 | コシアカツバメ(適正化) | 5月23日 | 5月06日 | 6月03日 | 29 | 3 | 12.19 |
・項目説明
[初認予報日] 今後の初認日を予報。
[最早日(E)] 採集記録の最も早い観察日(本稿造語)
[最遅日(L)] 最も遅い観察日(本稿造語)
[L-E] 10年間における初認観察の日数差。数値が大きいほどばらつきが大きい。
[件数] 採集した最初の観察記録から、5月末以降の記録を除いた有効な記録件数。
[標準偏差] 記録日のばらつきの度合い(値が小さいほどばらつきが少ない)を示すが、各年の観察日が正規分布になると仮定した場合の数値。実際はあまりきれいな分布とはならないので、参考程度に。
※面倒な日数計算で、今回もCopilot(Microsoft Windows)のお世話になった。Copilotがなければ、本タイトルも構想倒れとなっただろう。
夏鳥のうち、ある年の初観察日が異様に遅く標準偏差値(カッコ内数値、大きいほどばらつきが大きい)が大きくなった種が見られた。サシバ(58.56)、アカショウビン(25.1)、アマサギ(29.49)、コシアカツバメ(44.85)である。たとえば、サシバを調べると2021年の初記録は9月12日で、とても初認日の観察とは思えない遅さである。そこで、初認日の予報には適さないこうした記録を除くことにし、適正化を図った。かなり主観的な操作となるので、いわゆる科学的な正確さに欠けるが、初観察記録だからとすべてを機械的に計算データとして組み入れると、本来の目的を大きく損なうと思われた。
とはいえ、コシアカツバメの場合は記録件数が3件と大幅に減少した。もともと無記録が4件(年)もありさらに最適化で3件(年)の記録を削除した。よって、有効な記録は3件(年)となった。母数が少ないので本件は参考程度にしていただきたい。無記録の年が4年もあるようにコシアカツバメは異様なくらい減少しているようだ。最近のビル建築はカーテンウォールのノッペリしたガラスやタイル壁が多くなり、営巣場所に適したオーバーハングのひさしを持つビル(官公庁に多い)が少なくなっているためだろうか。哀れである。
意外であったのはキビタキ(予報日4月8日)。まず標準偏差値が本記録では最小の3.66。記録した10年間すべてに良好な記録があり、期間の幅は12日間。県内に到着当初は平地を好むようで、公園緑地や山裾の人里で観察される。さえずりは夏鳥でもピカイチの美声であり、そのため気づかれやすいのだろう。初認予報日4月8日はかなり正確といえる。興味深いので下に記す(先頭から2014年〜2023年の4月)。
4月10日、2日、8日、5日、5日、13日、4日、7日、10日、14日
引き続くアカショウビン(最適化)の標準偏差値3.7も注目。初認予報日5月2日。同様に初記録日を記す。ただし適正化により2018年、2019年を除いた。偶然なのか記録日がゴールデンウィーク期間に集中しており、野外に出かけやすい時期である。人の都合による偏りがあるのかも知れない。
4月27日、4月30日、4月30日、5月02日、(除外)、(除外)、5月3日、5月3日、5月10日
3位コマドリ(予報日4月11日)標準偏差値4.06。ただし、コマドリはキビタキ、アカショウビンに比べ観察の機会が少ない。にもかかわらずこれだけの良質な記録が得られたのは、注目度が大きく声の識別が容易なことや渡りの途中にある観察スポットが知られていることなどによるのではないか。
ツバメ(予報日3月13日)の標準偏差値4.38もさることながら、初認予報日3月13日は本表で最も早い種である。いわば夏鳥の帰還開始の指標鳥といえる。3月13日前後以降、本表などを参考に夏鳥の帰還には注意したい。
実はホトトギス(予報日5月14日)は、もっと標準偏差値が小さいものと思っていたら、案外の5位。人里に近いフィールドでは正確な初認記録が集まると思われるが、記録日の幅が20日間と大きく標準偏差値は5.05。推測であるが、渡りの様態が群れではなく単独で、従って到着日がバラバラになるのであろうか。
以上のように表を操作してざっと眺めるだけで、結構いろいろな感想が湧き出てきて面白い。ぜひみなさんにもおすすめしたいと思う。
有働孝士 2024-12-29
恒例、元日探鳥会の下見をしました。昨年と同じ12月29日。午後(14:28)から取りかかったので、終わったのが16:29。終日、晴れたり曇ったりながら曇りがちな冬の日。風はほとんどなく過ごしやすい時間でした。
スタートの中島河川敷駐車場から自転車道を通り、終端手前から東に回り込んで、橋に出ました。復路は、池に降りる道の先、未舗装路を鳥見台まで歩き、終端、駐車場まで。
やはり気になっていたのは工事です。牧野均氏の情報によれば、新しい道がブッシュの中に開かれており、南側の自転車道の橋の下流側に、橋桁が作られているとのことです。
中島は大部分が国土交通省の管理下にあり、自然保護区やビオトープなどの施設ではないため環境保護策が講じられているわけではありません。原野のあちこちで、植生がキャタピラに蹂躙されている様子には心が痛みます。早く何らかの保護策が講じられるよう願ってやみません。
一見、冬枯れの原野ですが、野鳥にとっては安全な隠れ家であり、エサをくれる大切なブッシュ(ヤブ)でもあります。来年春以降もこのような風であれば、新芽が大きな被害を受けるでしょう。今後も慎重に見守りたいと思います。ところで、一体、何のための工事なのでしょうか。
(2024-12-29掲載)
さて、下見の結論としては、通行制限も無く、元日探鳥会には支障が無いでしょう。当日は、降水の可能性も薄く、ありがたいことに天気予報も味方をしてくれ、今回もうまく行くと思います。元日探鳥会が始まって以来、雨や雪になったことがないのは、ご参加のみなさんの熱意のたまもの。
本日の探鳥ハイライトは、南の橋で見たハイイロチュウヒ♀(@5030-5566)です。元日探鳥会の吉兆のように目前の川面をかすめ飛び去りました。一瞬のことでしたが腰の白色が鮮やかで、タカ類のなかでも識別に困らない種だと感謝。ただし、出会いに圧倒され、また観察に忙しくとてもカメラを構えるまでには至らず。他には、路上に垂れたセイバンモロコシの穂から種を食べるためにアオジが精一杯背伸びしている様子がかわいく、妻君は特に喜んでいました。
間もなく新年が明けます。新しい一年を迎えるには、美しい中島がいちばん。今年の諸々の憤懣や後悔は、中島初詣ですっきりと解消したいものです。良い思い出や希望とともにご来迎を拝み、思い新たに素晴らしいスタートが待っています。中島でお会いしましょう。
【画像の見方】小画像をクリックで拡大・縮小、拡大画像は複数同時重ね表示・ドラッグで移動可能、スペースまたは矢印キーで連続閲覧
有働孝士 2024-12-05掲載
すでに前タイトルで言葉は使っているが、「春鳥」(はるどり)と「秋鳥」(あきどり)を提唱したい。
「秋の旅鳥」と記していて、いつもの習慣でもっと短くしたいと考え「秋鳥」としてみた。となれば「春の旅鳥」は「春鳥」となるな。そう言えば、「夏鳥」「冬鳥」はあるのに、「春鳥」も「秋鳥」も無いじゃないか。
これまで、春や秋に通過していくだけの野鳥は「旅鳥」(たびどり)と言われている。好きな言葉である。なんとなく空港で乗り継ぎを待つ旅慣れた旅客を見るような気分になれる。うまいネーミングではないだろうか。同様に「夏鳥」、「冬鳥」も詩情を感じさせる名称である。
ところで夏と冬の間にある春、秋は、ただのつなぎではない、れっきとした季節の一つである。今や寒さや酷暑の間にあるありがたい緩衝期間となっている。その時季を通過する野鳥は、旅鳥と一括にせず、季節に合わせて丁寧に、春鳥、秋鳥と呼んであげよう。旅鳥は、春鳥、秋鳥をまとめて言うときに使えばよい。
旅鳥の一部は往復を同じルートにすることがある。そうすると、夏鳥のたとえばツバメや冬鳥のツグミなどのように種と貼り合わせにまとめることができない。同じ種が、時季により、たとえばハチクマやアマツバメのように、春、秋同じルートを渡る種がいて、その時々で、同じ種が行くとき秋鳥、帰るときは春鳥になったりする。多少、煩雑に感じられるかもしれない。
野鳥と季節の結びつきはとても強い。ただ野鳥だけしか見ていないとすれば、非常にもったいない。野鳥を見るとき、それを取り巻く自然が装う季節も見て感じなければ、じゅうぶんに観察を体験したとは言えないと思う。
渡りは野鳥の重要な習性である。渡りは季節移動であり季節と強い結びつきがある。そのため夏鳥、冬鳥は季節が名称の一部になっている。これに春と秋を加えることで、新しい分野が生まれると思う。ここはひとつ「春鳥」と「秋鳥」で呼び習わし、季節のセンスを養いたい。
(2024-12-05掲載)
有働孝士 2024-11-04掲載
季節の変わり目では、野鳥の渡りが盛んになり、身近な場所を様々な野鳥が通り過ぎたり、到着したりする。期待に胸躍るシーズンである。こんなとき、気になるのが、そのシーズンで初めて出会う種とその観察日、すなわち初認日(注)である。
本稿の目的は、福岡県における今後の初認予想日を算出することとその計算手順を示すことである。その結果は下表の通りである。
初認予報日(表の項目名クリックでデータをソート)
| id | 和名 | 初認予報日 | 最早日(E) | 最遅日(L) | L-E | 件数 | 習性 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | キアシシギ | 08月24日 | 07月16日 | 09月23日 | 70 | 9 | 秋鳥 | 28.27 |
| 2 | エゾビタキ | 08月28日 | 08月13日 | 09月09日 | 27 | 10 | 秋鳥 | 3.5 |
| 3 | コサメビタキ | 09月01日 | 07月24日 | 09月23日 | 62 | 10 | 秋鳥 | 11.52 |
| 4 | チョウゲンボウ | 09月16日 | 08月30日 | 09月23日 | 25 | 8 | 冬鳥 | 7.32 |
| 5 | アマツバメ | 09月16日 | 09月04日 | 09月23日 | 20 | 6 | 秋鳥 | 8.76 |
| 6 | ハチクマ | 09月18日 | 09月05日 | 09月26日 | 22 | 10 | 秋鳥 | 4.02 |
| 7 | ノビタキ | 10月02日 | 09月20日 | 10月13日 | 24 | 10 | 秋鳥 | 4.64 |
| 8 | ノスリ | 10月07日 | 09月21日 | 11月17日 | 58 | 8 | 冬鳥 | 16 |
| 9 | ハイタカ | 10月09日 | 09月23日 | 11月03日 | 42 | 9 | 冬鳥 | 12.38 |
| 10 | ジョウビタキ | 10月14日 | 10月08日 | 10月20日 | 13 | 10 | 冬鳥 | 1.93 |
| 11 | キンクロハジロ | 10月18日 | 09月23日 | 10月31日 | 39 | 8 | 冬鳥 | 11.98 |
| 12 | アトリ | 10月19日 | 10月07日 | 10月31日 | 25 | 7 | 冬鳥 | 8.59 |
| 13 | キクイタダキ | 10月21日 | 10月07日 | 11月04日 | 29 | 7 | 冬鳥 | 7.39 |
| 14 | ルリビタキ | 10月26日 | 09月24日 | 11月17日 | 55 | 7 | 冬鳥 | 11.65 |
| 15 | シロハラ | 10月26日 | 09月27日 | 11月15日 | 50 | 10 | 冬鳥 | 9.79 |
| 16 | ミヤマガラス | 10月29日 | 10月22日 | 11月04日 | 14 | 6 | 冬鳥 | 3.74 |
| 17 | ツグミ | 10月31日 | 10月14日 | 11月16日 | 34 | 7 | 冬鳥 | 9.76 |
| 18 | コガモ | 10月31日 | 10月02日 | 11月15日 | 45 | 7 | 冬鳥 | 8.52 |
| 19 | マヒワ | 11月03日 | 10月28日 | 11月15日 | 19 | 5 | 冬鳥 | 6.11 |
| 20 | アオジ | 11月04日 | 10月24日 | 11月02日 | 10 | 7 | 冬鳥 | 6.3 |
| 21 | タヒバリ | 11月05日 | 10月22日 | 11月14日 | 24 | 7 | 冬鳥 | 6.91 |
| 22 | ミヤマホオジロ | 11月05日 | 10月14日 | 11月16日 | 34 | 8 | 冬鳥 | 7.52 |
| 23 | オオジュリン | 11月07日 | 10月26日 | 11月22日 | 28 | 4 | 冬鳥 | 10.77 |
| 24 | ベニマシコ | 11月11日 | 11月02日 | 11月18日 | 17 | 6 | 冬鳥 | 4.65 |
(2024-11-04掲載)
・項目説明
[初認予報日] 今後の初認日を予報。
[最早日] 採集記録の最も早い観察日(本稿造語)
[最遅日] 最も遅い観察日(本稿造語)
[L-E] 10年間における初認観察の日数差。数値が大きいほどばらつきが大きい。
[件数] 採集した最初の観察記録から、11月下旬以降の記録を除いた有効な記録件数。
[習性] 種による移動習性の略で、旅鳥や冬鳥など季節移動の種類を示す。簡略化のため秋の旅鳥を秋鳥(本稿造語)とした(余談ながら当然、春の旅鳥は春鳥となる)。
[標準偏差] 記録日のばらつきの度合い(値が小さいほどばらつきが少ない)を示すが、各年の観察日が正規分布になると仮定した場合の数値。実際はあまりきれいな分布とはならないので、参考程度に。
基礎データとして「鳥信記/観察サイト」の記録から2014年以降2023年までの10年間の秋の初認日を拾い出している。初認日の平均値(日)を求めるための計算手順は、年ごとの1月1日から初認日までの日数を求め、その総和を年数10で割った平均値から月日すなわち初認日を特定する。
下記に実例を示す。リストは秋鳥(秋の旅鳥)エゾビタキの年ごとの初認日と1月1日からの日数である。
(252 + 249 + 226 + 239 + 237 + 237 + 249 + 239 + 240 + 238) / 10 = 240.6
平均値240.6を四捨五入して241。元日から241日目は8月28日であり、これが回答となる平均日つまり初認の予報日である。当然ながらずばりこの日に初認が出るというのではなく(そういうこともあるが)、確率的な予想なので、この日を含む前後での期待値が高いと解釈する。あくまで目安である。
初認予報日の活用例として、id:07のノビタキを例に取ると、昨年以前過去10年間の初認最早日(本稿のための造語)9月20日から同じく最遅日(最も遅い初認日)10月13日の間に注目し、たぶん10月2日前後に初認となる可能性が高い、と見る。面倒ならとにかく最早日に着目し、以後なるべくフィールドで観察しよう。
データおよび計算手順に基づき未来を予報する想定なので、天気予報になぞらえ初認予報日とした。
以下、身近な秋の旅鳥(秋鳥)、冬鳥24種の初認予報日を計算してみた。
Copyright (C) 日本野鳥の会筑豊支部 All Rights Reserved. (著作権者でない者による無断転載禁止)
本ウェブサイトは無断で自由にリンクまたはディープ・リンクができます(画像、動画、録音への直リンクは禁止)。
本ウェブサイトに記載の会社名、システム名、ブランド名、サービス名、製品名は各社の登録商標または商標です。
本文および図表、画像中では必ずしも®、™を表記しておりません。