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日常やフィールドで出会ったいい話、困ったこと、奇妙な体験、ちょっと真面目な話など、みなさんの“野鳥風景”を掲載します。
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雨傘のいらない探鳥会

有働孝士
2024-01-20掲載

探鳥会や観察会、朝から清々しい晴れの日だと、何だかウキウキして得したような気分になる。1週間くらい前から、何度も天気予報をチェックして当日に臨むが、雨予報が出されていたりすると、がっかり感が大きい。しかし、豪雨なんかものともせずニコニコ雨傘顔で参加される猛者もいて、もしや雨降りが好きな人もいるのだろうか。それとも、よほど探鳥会・観察会を待ち焦がれていたのだろうか。

以前のこと、どうしても参加したかった探鳥会当日が雨天だったので、泣く泣く参加を見送った。しかしあきらめきれず、担当の快諾を得て、晴天日予報を頼りに3日くらい前から探鳥会を周知し、お天気の中集まった人で実施した。いやあ、良い気分でしたね。
そんな経験を経て、本会にドラフト探鳥会という方法を提案したことがある。もし探鳥会の日に雨が確実視されるときは、別の予備日に素早く変更する方法もあるよという話。現実に雨天の場合でも中止せず、場所を変えて実施されることがあるのだから、ドラフト探鳥会は、逆に場所を変えずに日にちを変えたらという提案である。この方法を実行するか否かは当然、担当の裁量である。しかしなぜかひどく感情的になって反対する人がいて、あえなく門前払いとなった。今でも残念である。

かつての天気予報は、宝くじと並び当たらないものの代表であった。しかし今や多くの観測機器を全国に配備、数値予報モデル、AI、スパコンによるシミュレーションなどハード、ソフトの充実で、ピンポイントかつ短期の予報はきわめて正確になってきた。このような現状をうまく応用し野外活動の予定に幅を設け、なるべく雨傘のいらない非降水日を選ぶよう私たちも進化してはどうだろうか。ドラフト探鳥会はこうした短期予報の正確さに大きく依存した考え方である。担当が、そんな面倒なと思うなら、やらなければ良いだけ。面白そうだからやってみようという、考えが若く柔軟な方に期待したい。

特異日(とくいび)という奇妙な現象をご存知だろうか。特異日とは、過去の統計から、特定の日に晴れや降水など特定の天候になる割合が多く現れる日をいう。1年を通して観察すると、天候はランダムではなく、日によって偶然の偏りが見られるらしい。全国的な特異日では11月3日文化の日の晴天は有名。一年の特定日すなわち特異日に限るなら、何年も前から予報可能という不思議な現象だが、これはあくまで統計上の計算結果であり、気象学的な要因はない。

特異日には地域性もあり、福岡限定も発表されている。以下の表は、東京学芸大学気象学研究室による「日本各地の特異日(最新版)」(2019年)のうち、「特異日\福岡」から数値の一部を下記に引用した。

晴れやすい日
日付晴天率 [%]
2/1272.9
2/1364.4
4/ 569.5
10/1579.7
11/2171.2
11/2272.9
11/2474.6
晴れにくい日
日付晴天率 [%]
2/ 839.0
4/ 737.3
5/1940.7
6/2211.9
7/1123.7
8/3037.3
10/2552.5
11/1745.8
11/2740.7
雨や雪の降りやすい日
日付降水率 [%]
1/2240.7
1/2944.1
4/ 749.2
4/3044.1
6/ 239.0
8/2349.2
9/3044.1
11/1039.0
11/1742.4
11/2744.1
雨や雪の降りにくい日
日付降水率 [%]
2/1216.9
4/ 522.0
4/2720.3
9/1115.3
10/1010.2
12/ 120.3

東京学芸大学気象学研究室による「日本各地の特異日(最新版)」(2019年)のうち、「特異日\福岡」から数値の一部を引用した。

以上の特異日は野外活動の非常な手助けとなる。われわれの活動はほとんどが野外で行われており、叶うなら晴れの日、降水のない日を選びたい。そこでこの特異日が役立つ。毎年の総会前に年間計画が組まれるが、このとき、晴れの特異日や雨の降りにくい日を選び、かつ雨の降りやすい日を避けるように設定しよう。だが、非降水日は年間12日、避けるべき降水日は10日間なので、もしどうしても開催したい野外行事があるなら、最大で79.7%もの「晴れやすい日」7日間は非常に貴重。予定の強力な指標となるだろう。

(「野鳥だより・筑豊」2024年1月号「お天気は青空と程々の雲がいい」より改題し一部加筆、転載
2024-01-20掲載)

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