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さえずる野鳥リスト

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情報部:有働孝士

以下、一覧のため「フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版」2007年(以下「日本の野鳥」)に「さえずり」と記述がある種をまとめています。さえずりの具体的な表記・表現については、和名右に掲載ページも示しましたので、引用元の「日本の野鳥」を参照してください。
なお、例外的に非スズメ目のオウチュウカッコウ(カッコウ目)は、「日本の野鳥」324ページで「さえずる」の記述がありますが、間違いだったらしく同書増補改訂新版326ページでは「鳴く」に改訂されていますので、下記リストには含めていません。

さえずる野鳥一覧(85種、50音順配列、和名右数字は「増補改訂版」ページ数)

  1. アオジ 272
  2. アカコッコ 246
  3. アカハラ 246
  4. イイジマムシクイ 256
  5. イカル 290
  6. イスカ 286
  7. イソヒヨドリ 242
  8. イワヒバリ 234
  9. イワミセキレイ 224
  10. ウグイス 252
  11. ウソ 288
  12. エゾムシクイ 256
  13. オオジュリン 276
  14. オオセッカ 252
  15. オオヨシキリ 254
  16. オオルリ 260
  17. カオジロガビチョウ 306
  18. カシラダカ 268
  19. カヤクグリ 234
  20. カラフトムシクイ 256
  21. カワガラス 234
  22. カワラヒワ 282
  1. ガビチョウ 306
  2. キクイタダキ 252
  3. キセキレイ 220
  4. キバシリ 264
  5. キビタキ 258
  6. キマユムシクイ 256
  7. ギンザンマシコ 286
  8. クロジ 272
  9. クロツグミ 248
  10. コイカル 290
  11. コウライウグイス 296
  12. コガラ 262
  13. コサメビタキ 260
  14. コジュリン 276
  15. コホオアカ 270
  16. コマドリ 236
  17. コムクドリ 292
  18. コヨシキリ 254
  19. コルリ 238
  20. ゴジュウカラ 264
  21. サメビタキ 260
  22. サンコウチョウ 260
  1. シジュウカラ 262
  2. シベリアセンニュウ 330
  3. シマアオジ 274
  4. シマゴマ 236
  5. シマセンニュウ 254
  6. シマノジコ 274
  7. シメ 290
  8. シラガホオジロ 268
  9. シロハラ 248
  10. セグロセキレイ 222
  11. セッカ 252
  12. センダイムシクイ 256
  13. ソウシチョウ 306
  14. ツグミ 250
  15. ツバメ 218
  16. ツメナガセキレイ 220
  17. トラツグミ 244
  18. ノジコ 272
  19. ノビタキ 242
  20. ハクセキレイ 222
  21. ハシブトガラ 262
  22. ヒガラ 262
  1. ヒバリ 216
  2. ビンズイ 226
  3. ベニマシコ 288
  4. ホオアカ 268
  5. ホオジロ 268
  6. マキノセンニュウ 254
  7. マヒワ 282
  8. マミジロ 244
  9. マミジロキビタキ 258
  10. ミソサザイ 234
  11. ミヤマホオジロ 270
  12. メグロ 266
  13. メジロ 266
  14. メボソムシクイ 256
  15. ヤイロチョウ 214
  16. ヤドリギツグミ 328
  17. ヤブサメ 252
  18. ヤマガラ 262
  19. ルリビタキ 238

参考文献:「フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版」(2007)(公財)日本野鳥の会

野鳥には、さえずりを持つ種と持たない種がいます。ところが、さえずりについては、意外なことに厳密な定義がなく、また人により認識が異なるため、一部ではかなり混乱した状況にあります。
たとえば、アオバズクの“ホー、ホー”は地鳴き?さえずり?のどっちと聞かれて、ある人は「さえずり」だと言い、ほかの人は「地鳴き」と言います。ホトトギスやカッコウなどトケン類でも意見が分かれ、“トッキョキョカキョク”や“カッコー”はさえずりだと言う意見が聞かれます。さらに極端な場合だと、オオハクチョウの声にさえずりの記述を見て仰天したこともあります(「大きさでわかるおさんぽ鳥図鑑」)。キビタキやホオジロなど、スズメ目の一部については、ほぼ意見が一致しているようですが、スズメ目と近縁の他の目では、意見の相違が見られます。

何をさえずりとするかは人それぞれです。とは言え、野鳥の声は観察するうえでの重要な手がかりです。解釈や状況または人により異なるのでは、混乱を招き、好ましいこととは言えません。
共通の認識が必要とされる局面もあります。一部では、観察を記述するために観察記号が使われています。このうち声は、次の二つに分けて記録されています。

  • s:(song) さえずり。スズメ目の野鳥において、繁殖期における縄張り宣言や♂が♀を誘引するための声。多くは複雑な節回しを持ち、一部の種では雌雄共にさえずりをします。
  • c:(call) 地鳴き。さえずり以外の声を言います。(本サイトでは、「ぐぜり」も地鳴きに含める)

これらの記号はしばしば公的な調査でも使用されます。特に「さえずり」について、前述のような混乱や不統一があっては、調査結果の評価に悪影響を及ぼすでしょうし、何より信頼性を問われかねません。
本来「さえずり」と「地鳴き」には、何か明瞭かつ根本的な相違があり、野鳥の行動に関わる機能的な意味があるのかもしれません。あるいは、ヒトの解釈による文化的な聞き分け方かもしれません。ただ、ここではそうした本質論議には立ち入りません。

本稿の主要な目的は、日本国産鳥類について「さえずり」を持つ種を妥当な方法で特定することです。さらに、さえずりの解釈について、現状に混乱を認め、共通の認識を持つ必要性と一解決策を提示しています。申すまでもなくこの方法のみが正しいと主張しているわけではありません。

以下に本サイト「くまたか」(日本野鳥の会筑豊支部公式ウェブサイト)で行っている方法をご紹介します。
基準として用いたのは「フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版」 (2007 年)(以下、「日本の野鳥」と略記)の「声」に関する記述です。
「日本の野鳥」を基準とする理由は、同書がわが国の野鳥識別における基本図書であり権威本でもあることと、何より、本会(日本野鳥の会筑豊支部)が団体加盟する(公財)日本野鳥の会が発行した“野鳥識別の決定版”(初版惹句)だということから、公式的見解と見ることもできるからです。

「日本の野鳥」には、種の識別を解説した文に「声:」という項目があり、その中で「鳴く」や「さえずり」「さえずる」などといった表現が使われています。そこで、既述の観察記号[c]には「鳴く」を当て、「さえずり」「さえずる」には同[s]を当てることとしています。つまり、説明文に「さえずり」「さえずる」の語がある種のみさえずりを持つとの解釈です。上記「さえずる野鳥一覧」は、これらさえずりを持つ種の一覧リストです。

「日本の野鳥」によれば、ウグイスでは「さえずりは良く知られたホーホケキョ」とあり、アオバズクは「ホッホー、ホッホーとくり返して鳴く」とあるので、ウグイスはさえずりを持つが、アオバズクは持たない、と考えることができます。例に挙げたトケン類はいずれも「鳴く」とあり、さえずりを持たないことになります(ただし増補改訂版および同新版では、ホトトギスのイラストに「さえずり」のキャプションがあり、編集者はあまりまじめに考えていないのかもしれない)。前述の仰天オオハクチョウは、さすがに「コホーと鳴き(以下略)」ですね。(太字は筆者)

冬鳥や珍鳥、迷鳥の中には、実はさえずりを持つが、日本では滅多にさえずりが聞かれないため、記述のない種というのもありそうです。なお、「日本の野鳥」説明文中「(前項に)似ている」との記述がある種は、図鑑らしくない曖昧表現のため、さえずりのある種の候補から外しています。重要な情報なので、他の記述に依存するようなことをせず、きちんと記すべきです。今後の改訂に期待しましょう。

ちなみに、上記リスト「さえずる野鳥一覧」の種はすべてスズメ目に属しています。スズメ目の一部が鳴禽類と言われる所以です。
一方、(公財)日本野鳥の会では、小冊子「大きさでわかるおさんぽ鳥図鑑」を発行しています。この中で先に挙げたオオハクチョウのほかスズメ、キジバト、カワセミ、モズ、カイツブリ、コガモ、キンクロハジロなどの種にさえずりを認めており、あまりのことにびっくりしました。いったい何を根拠にこうなったのか。スズメ、モズを除けば、どの種もスズメ目でさえありません。
恣意的な決めつけは混乱の元です。同会で見解を統一し、また鳴き声の重要性を正しく認識して、「フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂新版」をベースに整合を望むものです。

「野鳥だより・筑豊」2013年7月号(通巻425号)記事より一部改稿
(2017-07-03掲載)

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